● 冬のホンカン
倉本聰が描いた「うちのホンカン」シリーズ全6話の第4話で1977年3月13日の放送。
駐在地は今回も「北海道千歳市支笏湖温泉」
資料の「あらすじ」を引用しつつ、ブタネコ流のあらすじを述べると…
ホンカンの娘の結婚式の前日。
ホンカンは やはり、寂しさを隠せない…
娘は新居の整理、嫁は その娘の手伝いに朝早くから出かけ…
独りホンカンは日常業務をこなしていく…
巡回の途中に立ち寄った湖畔のホテルは 明日、娘の結婚式の会場となる…
支配人に「コーヒーでも飲んで行って」と誘われ、雑談をしながら フト見ると、ラウンジで外を眺めている老人(笠智衆)の姿が…
支配人に聞くと この老人は高名な小説家:庄村渉で 長期滞在しながら部屋で出筆中と聞く。
実はホンカンは その庄村渉の小説の大ファン
特に 庄村の代表作「春の旅」は 娘を嫁に出す父親の心情を見事に表した大作で、まさに今のホンカンの心情そのもの
ホンカンは色紙に一筆を書いて貰いに支配人と部屋を訪ねたのだった…
そんなホンカンに 庄村は娘への一言として「娘よ 明日からは父を忘れよ」と書き記し、ホンカンには 結婚式直前の最後の夜に 娘へ心情を手紙に書いて それもラブレターを書くつもりで書いた手紙を渡せとアドバイスする。
その夜、ホンカンはアドバイスに従い手紙を書く。 そして…
定番の挨拶をしようとする娘を制して「そんなの 恥ずかしいから いい!!」と 書いたばかりの手紙を放り投げ渡し、布団を被ってしまう。
その手紙の内容が 実に倉本聰らしくて 実に良い。
また、大滝秀治のナレーションに合わせて ポロッと涙をこぼす仁科明子が これまた実に良い。
今回は大変申し訳けないけど 以下にネタバレを述べる。
実は
笠智衆が演じた老人は 高名な小説家:庄村渉をかたる詐欺師。
日本国内各地を 高名小説家のフリをしながら食事代や宿泊代を踏み倒して逃げ続ける男だったのだ。
娘から ホンカンが庄村から色紙を貰った…という話を聞いた婚約者(刑事課長)は それに気づき、
即座に部下を出動させるが…
先に気づいた老人は逃走する。^^;
まぁ、この記事を読んで「ベタな話だなぁ…」と思った方は多いだろう。
たしかに言われれば ベタと認めざるを得ないかもしれない。^^;
けどね、この回の演出と脚本は 極めて秀逸。
今みたいに、「親子の絆」とか「親子の愛」とか そんなものを「描いた」と称する陳腐なドラマが多い中、このような作品を見習えと 教科書的存在と言って良いぐらい 心温まるし涙が滲む。
この第4話が ホンカン・シリーズの中でも最も傑作であり、この後に5話、6話と2作あるけど 私に言わせれば事実上の最終回だったと思う作品だ。
(その理由は 次回を語る時に述べる)
