● 男たちの大和
腰を据えて「男たちの大和」を見た。
この映画の主演は
中村獅童 と 反町隆史 らしい^^;
が、まぁ、そんな事は どうでも良い。^^
我が義弟は「あの映画は最低だ」と 映画館で見終えた後に語っていた。
こと、戦争映画に関しては口うるさい義弟なので 義弟を納得させるハードルは高く、なかなか それを乗り越える作品は少ない。^^;
が、まぁ、そんな事も どうでも良い。^^;
私は 私の観た感想を そのまま述べたいと思う。
冒頭の
海底に眠る大和の映像の 舳先で今も輝く菊の御紋章を観て 涙ぐむ私。
このシーンは 私が先日、見学に行った「大和ミュージアム」の展示室だ
参考記事:『大和ミュージアム(広島県呉市)』
でね、映像の中の
これは「大和ミュージアム」の展示のひとつで 現在の海底での大和の状態の模型。
船体は真っ二つに分かれて 横たわっているのだそうだ。
で、どうでも良い事だが…
この「大和ミュージアム」の2F(3F?)に 松本零士の宇宙戦艦ヤマトの展示ブースもあるのだが、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」をオンタイムで見た者として ガミラスの攻撃を受け、海が干上がった地球において 最後の賭として宇宙戦艦に甦らせたのが、干上がった事により、海底から露出した「大和」だったのだが…
当時は 大和が沈んでいる位置すらハッキリと明確にはされていなかったから、二つに分かれている事も当然、知らない。
ゆえに、当時の時点で この現状の様が判っていたら 果たして「宇宙戦艦ヤマト」は描かれたのか?
つい、そんな事を思ってしまったばかりに 「大和ミュージアム」に松本零士の宇宙戦艦ヤマトの展示ブースが同居している事に とても違和感を抱いたものだ。^^;
しかしなぁ…
この海底の大和の菊の御紋章が 潜水調査艇のライトを反射して 今も尚、輝いている様は 大和の威厳衰えず… そう感じて涙が出る。
で、これらの潜水艇のシーンを観て「タイタニックのパクリですか?」と批判する人が多いと聞くが…
単に「ひとつの映画作品」と考えれば 全体の構成といい、「タイタニック」に よく似てると私も思う。
これは 邦画の実に悪い癖のひとつ。
想像力というか、アイデアというのかな いわゆる独創性を持ったプロデューサーやディレクターが 殆どいないのか、さもなくば各大手の映画会社の幹部達にはフロンティアスピリッツが欠如しちゃってるんだな。
原作がヒットしていて、過去にヒットした外国映画のパクリとも言える構成にしておけば まぁ、「大失敗にはならんだろ」 そんな安易な精神は 今に始まった事じゃ無いから。^^;
思うに、理由は 追々語るけど
「戦後60周年という事で いろんな会社が戦争物やるんだから、
ウチも それなりのを作っとかなきゃマズイんじゃないか?」
東映という映画会社の上層部が そんな安易さで作った映画の様な気がしてならない。
だから、この「男たちの大和」を見て 正直な話、私は 何ヶ所かで涙した。
でも、それは 作品に感動して涙したのでは無い。(ハッキリ言っておく)
実在した「大和」や その乗組員達を想って涙したのだ。
そこをハッキリとしておかないと 「男たちの大和」を見て泣きました…という人々と同列にされたくない…と、思う次第だからだ。
たとえ、CGバレバレであろうとも 大和って 実に美しい艦だなぁ…
こんな巨大な しかも美しい艦を昭和の初期に建造した我が国の先人達は凄い。
この大和を指して 世界3大無用の長物のひとつと称する輩がいる。
たしかに、大和は活躍の場が無いまま 海の藻屑として消え、無駄なモノと見えるかもしれない。
しかし、安易に 世界3大無用の長物のひとつと称する輩には 私は甚だ、同意しかねる。
現代の世相や倫理観で計れば 大和が建造され没するまでの頃の日本は異常なのかもしれないけど、当時の 日本人としてのプライドを 今の判断基準で推し量るのは間違い。
むしろ、当時と今とで何が違っているのかを ちゃんと理解すれば、安易に無駄と称する事が いかに間違いかを理解出来るはずなのだが、無駄と言い切る連中は 自己の判断基準を調整する機能が欠けているので それすらも理解が出来ない。
私は 戦争や軍隊を擁護したり、尊重する気は無い。
「日本」という国が 世界を相手に自我を確立するために 当時は「強い軍隊」が必要で、その象徴が「大和」だった… 単に そういう事なのだ。
そう考えれば、この「大和」という巨大な戦艦を作り得た技術力や 造り上げたプライドは 形を変えて今の世に受け継がれているのか? 否である。
外務省が いかに腑抜けで腰抜けかを見れば、一目瞭然ではなかろうか?
さて…
私が涙したシーンのひとつは 上の画のようなシーン。
きっと、当時の乗組員達は この様に母港の岸壁から「大和」へと向かったり、水葬に付されたんだろうなぁ…
そう思うと万感が込み上げる。(ToT)
そして、この様に巨艦が没していったんだろうなぁ…
そう思ったら また泣けてくる。(ToT)
こんな修羅場の中で多くの兵が没していったんだろうなぁ…
そう思ったら 嫌でも泣ける(ToT)
しかし、それ以上に…
「男たちの…」と題しておきながら 邦画の戦争映画における馬鹿の一つ覚えと言っていい「女」を利用してのお涙頂戴的、三文シナリオの使い回しに 腹が立って涙が出る。(-.-")凸
おそらく、我が義弟が「最低だ」と言い切った最大の理由は この上のシーンだと思う。
(現職だけに 義弟は”敬礼”にはうるさいんだ^^;)
いろんなブログや 映画評に目を通すと、このシーンで感動した…という意見を多く目にするが、戦争映画ヲタからすれば このシ-ンこそが、この「男たちの大和」がクソ映画であると評す象徴的シーンなのである。
それは、「女に敬礼させる」という点。
そして、「肘を肩と水平の高さに上げた敬礼は陸軍式で海軍式では無い」という 二つの理由による。
(これが”海軍式” 肘の位置に注目^^)
宣伝記事等によると 随分、多くの従軍経験者の方々の御協力があったという。
それらは 得てして
「そういった方々が 制作に協力して下さっているので考証も確かだし、
その方々が認めて下さった映画でもあるんです」
という印象を一般客に与えるが そういう方々が認めたのか? 上のような敬礼を…と、私は問いつめたく、であるがゆえに 口先ばかりで根底は何も変わってないぞ > 東映 とも言いたいのだ。
特に
臼淵大尉の役の長嶋一茂を見て… そんなに悪くは無いとは思った。
でもね、他に俳優はいなかったのか?
一茂が 他の役でなら、理解も出来るし、文句も言わない。
でも、天下の東映が 後世に遺る名言を発した臼淵大尉役を 数多の俳優陣から選ばず、俳優とは呼べない輩に任せるのは どういう事か?
実に情けない話だな。
まぁ、腐すばかりじゃ悪いから 良かった点も挙げておくと
蒼井優は 実に良かった。
特に 方言(広島弁?)で喋ってたから なお良かった。
それと… 映像内に
身体を張って任務から帰国した「ましゅう」の実写に涙が出た。(ToT)
派遣され、出航するときは反対運動の模様も含めて大々的に報道しておきながら、無事に帰国した際には ロクに報道もしない…
ゆえに、こんな映像は初めて見た。
と、述べたら 「それ映画の内容と関係無いじゃん」と言われそうだが、その通り。
唯一、良い描き方だな… と思ったのは
このシーンの台詞
この「松山ケンイチ」という役者は なかなか良かった。
さて、結論として…
この映画を見た方々に 尋ねてみたい事がある。
それは この「男たちの大和」って映画は 何をどう描きたかったのだろう?って事。
大和が沈む様子? それとも、乗組員の悲惨さ? それとも、遺された家族? 私には、全てが中途半端にしか思えない。
だから、私の結論は 興味深い映像はたしかに多いが、作品的にはクソ映画だ…って感じ。
60年後の末裔が こんな映画を作っているのを、大和と共に没した方々は満足してくれるのだろうか? 甚だ疑問に感じるのである。


