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2006年07月25日

● チャリンコに乗ったサンタ


「ALWAYS 三丁目の夕日」をDVDで腰を据えて観た。

で、記憶が蘇った話を語ってみる。(注:三丁目の夕日とは内容が関係ありません^^;)




それは… 


画像

三浦友和扮する町医者が サンタの格好をして、プレゼントを届けるシーンを見て 本当に忘れていた30年近く前の事を思い出した。


当時、私は大学生で 東京の とある下町の駅前にあった雀荘でバイトをしていた。


まぁ、雀荘と言えば 今も昔も「健全」とか「明るい」イメージとは程遠い。^^;


客はと言えば 時間帯にもよるが、近所の商店街のオッサン連中と大学生、夜になれば 会社帰りのサラリーマン、そして 誰が見ても「あぁ、この人ヤクザ」って人達…


そんな中に、私と同じ歳で 既にヤクザとして社会の並に揉まれていたA(仮名)も そんなヤクザの若い衆の一人だった。


Aは 寝ている時と組関係の事をしている時以外の殆どの時間、私のバイト先である雀荘に屯して 他の客達と牌を握っていたものだった。


そんな彼が ある年の12月の24日の深夜、サンタクロースの扮装で雀荘に現れたのである。


「どうしたの? その格好」


そう聞く私に Aは満足そうな笑みを浮かべて


「見りゃ判るだろ? サンタだよ、サ・ン・タ」


「そりゃ、見れば判るよ

 俺が聞いてるのは なんでヤクザがサンタの格好してるの? って事」


すると、Aは


「あぁ、オマエ今年から ここで働いてるから知らねぇのか…」


で、Aが説明してくれたところによると


数年前に、Aが所属する組の若頭(その組のナンバー2)が逮捕され、結果 懲役2年の刑で刑務所に服した時、その若頭の幼子を慰めるために親分が若い衆にサンタの格好をさせ 服役している父親の変わりにクリスマスプレゼントを届けさせたのが そもそもの始まりで それ以来、服役している組員の家族の全てに なにかしらのプレゼントを届けるのが その組の恒例行事となったのだそうだ。


「小さい子がよ サンタの格好を見て、凄ぇ嬉しそうな顔してよ

 サンタさん ありがとう

 そう言うんだぜ…


 なんつ~かさ、それ見てコッチも 凄ぇ良い事したって気分でさ…


 一度やったら 辞められないんだ、コレ^^」


と、Aは言う。


でもね、謝金の取り立てさせたら その組随一と言われているAが そういう姿は、アンバランスを通り越して ミステリアスに私は映った。^^;


次の年の、やはり、クリスマスの日


住んでいたアパートから バイト先への雀荘へと行く道すがら、ス~ッと歩く私の横に サンタの格好したAが自転車に乗って近づき、


「お? これからバイトか?  だったら、後ろ(荷台)に乗せてってやるよ」


私は その好意に甘えて、サンタなヤクザと二人乗り。^^;


「おい、この辺のサンタは トナカイのソリじゃなくて

 チャリンコに乗ってプレゼント配るのか?」


そういう私に Aは愉快そうに笑い


「当たり前だよ、なんてったって この辺はウチの組のシマ(縄張り)だからよ

 道がみんな舗装されてて ソリじゃ滑れねぇんだよ」


と言った。


少なくても、私が大学を卒業し 雀荘のバイトを続けていた4年間、Aは毎年 サンタを演じていた。


で、大学卒業後 部屋を引っ越した事もあって 雀荘のある町に行く事も無く数年が過ぎ…


数年後の ある時、仕事の関係で その雀荘のある町に行き、あまりにも暑い夏の日で駅前の喫茶店で一服して涼んでいたら 偶然、Aと再会した。


ほんの数年の間に Aは立派な兄ぃになり、舎弟というべき若い衆を二人連れ 見るからに羽振りが良さそうだった。


「お? ブタネコじゃねぇか? 久しぶりだなぁ…

 なんだオマエ スーツなんか着て すっかり、サラリーマンじゃねぇか^^」


見た目は変わっても 中味は昔ながらのAだった。


「そっちこそ、なんだよ? 若い衆連れの兄ぃか? 出世したじゃん」


しばらくぶりの再会を喜び、2時間ほどアイスコーヒーを飲みながら話し合ったのだが…


ふと、思い出して


「そう言えばさ、まだ クリスマスのサンタ やってんの?」


と、私が聞くと Aは ちょっと寂しそうに笑いながら


「え? あぁ、やってるよ…」


「あれ? どうした? なんか寂しそうじゃん」


すると、Aは自分の左手をテーブルの上に出し


「ちょっと、不始末しちゃってよ 指詰めたんだよ」


見ると、確かにテーブルの上のAの左手の小指が短くなっている。^^;


「オヤジ(親分)がな 指詰めたサンタじゃ、プレゼントを貰う子供がビビッちゃイケネェ…

って言うモンだから、今は サンタの役を他の若い衆に代わったんだ」


そうか…、そういう事かと納得の私。


本来であれば 毛嫌いされておかしくないヤクザであるにも関わらず、私がAと友人づきあいをしていたのは こういう部分に、とても好感を持ったからだ。


Aは その後、金融で財を成し 今ではその道では わりと有名な組長となり…、毎年 盆暮れの挨拶を交わし 互いに息災を祈って今日まで至る。


数年前に会った時、


「やっぱ、今でもオマエのとこは 若い衆がサンタしてんの?」


するとAは


「当たり前だろ、今じゃオメェ ベンツだよ、

 俺のトコのシマは ベンツに乗ったサンタがクリスマスに走りまわるのさ」




お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

>今ではその道では わりと有名な組長となり…、毎年 盆暮れの挨拶を交わし 互いに息災を祈って今日まで至る

( ゚д゚)ポカーン

(( ;゚д゚))アワワワワ

(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

★ taku さん

>(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

どしたの? 風邪でもひいたの?

ブタネコさん、こんにちわ。

ベンツからプレゼント持って出てくるサンタなんて、
想像したら笑えます。

Aさんも手袋を履いてサンタ再開したらどうでしょうね。
ヤクザのサンタ、ステキなお話です。

★ junchin さん

お褒めの言葉 ごっつあんです^^

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