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2006年06月08日

● ブタネコの「ニートな親父」


最近、「自分が何の為に生きてるのか(働いているのか)判らなくなる」という話題を よく耳にする。




その問いに対して「そりゃ、自分の為さ」と応えるのが一番簡単だが、それは 問いかけた者に対して 実は何の答えにもなっていない。^^;


以前、『世界の中心で、愛をさけぶ 第8話』の記事の中で 闇金で財を成したヤクザの話を述べた事がある。


その時の話を もう一度 あらためて述べると…


私と ほぼ同じ歳で「企業舎弟」と呼ばれる 実質的には「ヤクザ」な友人と 喫茶店でお茶を飲みながら会話した時の事。


彼は 若くして 世間から「ヤクザ」と言われる裏側社会の中で 無許可の貸金業を営み、おそらく同世代の人々が羨むであろうほどの財を成した。


それは、おそらく彼が馬鹿げた散財や贅沢をしない限り、30代の若さで 一生、遊んで暮らせるだろう… そういう金額をである。


そんな彼が フト、私に言うのである。


「オマエは良いなぁ…娘がいて」


「なんで?」


「俺さぁ 最近、よく思うんだけどね

 なんの為に金貸ししてんだろう…って。」


「なんだ それ?」


「バカヤロウ、コノヤロウ…って

 取り立てに行って 金めのモノを むしり取って

 貸した金の何倍も儲けて…

 でもね、ふと思ったわけよ

 そうやって儲けた金で 俺、何したいんだろう?って

 美味い酒飲んで、綺麗な女 はべらせて…

 それがヤクザだって言ってしまえば

 それまでなんだけどさ…

 なんか つまらない…って言うか、

 空しくなっちゃう時があるんだよね」


「それと 俺の娘と 何が関係あんの?」


「いや、俺 女房もいないから

 もちろん子供もいないじゃん。

 もし、俺に 子供がいたらさ…

 その子の為に頑張ろう… なんて

 つまらない…とか、空しいなんて事

 考えずに 毎日にハリが出来る様な気がしてさ」


取り立てのハリに 娘を引き合いに出されるのは釈然としなかったが、話の意味は深いと思ったし、なんとなく説得力のある言葉だと思った。


誰かの為に頑張る…、その誰かが 心のハリだと言う。 その考えは理解出来る。


変な言い回しかもしれないが、娘を得たことにより、私は私個人の自由な時間が少なくなった。


そのかわり、娘と一緒にいる事は とても楽しく幸せで そんな時間を得る事が出来た。


「何かを失うことは 何かを得ることだと思わない?」


という言葉は まさに、そんな意味なんだろうなぁ…



御承知の通り、現在の私は療養中の身で 世間一般で言う 普通に真面目に働いている状態では無い。


が、身体が健康であったとしても 世間一般で言う 普通に真面目に働いている状態では無い。^^;


私は 自慢じゃ無いが、20代から30代まで 同世代の人に比べて3倍は働いた…という自負がある。


仕事が楽しかったし、稼ぐ事が嫁との約束だった…というのが理由ではあるが、最大の理由は別にあった。


高校2年の時、一人の同級生が白血病でこの世を去った。


喫茶「職安」のバイト学生達は その女の子の「生き様」に いろんな事を考えさせられた。


そのひとつが 生きていく為に必要な「夢」とか「希望」とか「目標」で 差し当たっての問題は


「高校卒業後 どうする?」


という事。


それなりの進学校に通っていたから 同級生の殆どが大学へ進学する。


当然、私達も そうなる。


バイト学生の一人である「二代目開業医」は その名の通り、「親の跡を継いで開業医になる」という命題が生まれた時から背負わされ、本人も その気だったから「医大に進学」と明確に決まっていた。


「気の弱い弁護士」や「腕力だけが取り柄の歯科医」も それぞれ明確に決まっていた。


そんな中にあって、私は ハッキリとした「夢」とか「希望」とか「目標」が無かった。^^;


漠然と「なってみたい職業」はあったけど、それは一つでは無く あれも良いし、これも…って感じで 絞り切れていなかった。


そんな時に、若くして世を去った友を思うと


「俺、なんの為に生きてるのかな?」


ふと、そんな思いが頭を過ぎる事が多くなったのだ。


で、そんな哲学めいた事を考える自分に自己嫌悪し、そんな事を考えずに済む、バイトをしている時が最も充実した時間に感じられた。


そんな私を 特別に可愛がってくれたのが 喫茶「職安」のN専務。


そのN専務に関しては


  ●『N専務の話


として、述べた事があるので御参照願うとして…


N専務は 元々、長距離トラックの運転手で 大手の運送会社で安定した収入を得ており、奥さんと子供と暮らしていた。


その後、大手から独立し 仲間と数人で運送会社を興し、中の上といった規模の会社にまで成長させた人なのだが、会社の成長と自身の収入が増える代わりに いくつか失ったものがある。


それは、当初 一緒に協力して会社を興した仲間が 一人、また一人と その後、いろんな事が原因で喧嘩し離れていった事。


これは、友達が寄り集まって事業を始めた場合に 実によくある話で、順調になればなったで、経営が危機になればなったで いつしか意見が異になり、創業仲間が仲違いするのは数え切れないぐらいに実例を見た。


普通なら、倒産してもおかしくなかったのだが N専務と 社長だったもう1人の友人が全ての危機を乗り越えて 逆に会社を発展させたのだ。


しかし、危機を乗り越えて発展の兆しが見えた時 その社長だった人物が出張先でクモ膜下出血で倒れ、急逝した。


本来であれば N専務が社長となって会社の跡を継ぐべきなのだろうけど N専務は義理堅い人だったので 亡くなった社長の奥さんを名義上の社長とし、実質の経営者はN専務なのだが、奥さんに「社長」としての収入を補償する形を取ったのだが、それが誤解の元となり、ある日突然、N専務が自宅に帰宅してみると 家財の多くと共にN専務の奥さんと子供の姿が消えていた。


仕事・仕事・仕事… 家庭を顧みなかったわけでは無いが、その頃のN専務の頭の中には仕事や会社しかなく、それが奥さんのストレスとなったのだろう… と、N専務は回想する。


数日後、代理人と称する弁護士から「離婚の申し立て」を受け N専務はスンナリと受け入れた。


N専務には そういう過去があったのだ。


で、そんなN専務が とあるバイトが終わった後に


「おい? 焼き肉奢ってやるから 晩飯付き合え」


と言い、喜んで御相伴にあずかった時 普段は殆どプライベートな話をしないN専務が どう気が向いたのかは知らないが いろんな話をしてくれたのだ。


「男はさぁ…

 やっぱ、仕事をガンガンやらなきゃダメだ。


 でもな、仕事ばかりをガンガンやってると

 ある日突然、心にポッカリと穴が開く。


 人間って どうしても歳を取ると 頭や身体が言う事をきかなくなるし、

 どんな仕事でも 長い時間の中で いろんな事が変わっていく


 時代も変われば、考え方や、流行や… いろんなものが変わっていく


 日本古来の伝統職人…みたいな仕事は 逆に変わっちゃいけないのだろうけど

 たいていの仕事は変わるんだ。


 俺は仕事が楽しかったし、会社を育てるのも楽しい

 そんな気持ちは今でも変わらないけど

 女房には それが判って貰えなかったし、

 むしろ、女房には そんな俺(N専務)が苦痛になっちゃったんだな^^;


 で、ある日 突然、離婚されて…


 その時に 俺、いったい何をしてんだろ?って思ったなぁ…


 なぁ? ブタネコよぉ…

 オマエは これから大学に行き、何かを学び 何かを得て社会に出る


 どんな仕事に就き、どんだけ稼ぎ、どんな人生を送るのかは

 俺には知った事じゃ無いし、どうこう言ったって 聞くか聞かないかは

 ブタネコの勝手だ。^^


 けどな、もし、ちょっとだけ”経験者は語る”って意味で

 覚えておいてくれるなら その時なんだけど…


 知ってるとおり、「屯田兵の御隠居」が亡くなる時に

 御隠居がそれまでやってた会社(仕事)を 俺(N専務)が引き継いだ

 この先、どうなるかは判らないけど

 その俺の後を オマエ(私)が引き継げ


 とは言え、ロクでもない仕事が殆どだから いくつかの条件や約束事がある

 それをオマエが了承しクリアすればの話だけどな」


私は その時、冗談半分にしか その話を聞いていなかった。^^;


でも、その時同時に聞いた話の中で


「いいか、日本って国は なんだかんだ言って

 何処かに古くからの慣習や コネや 派閥が横行している国なんだ

 だから、せいぜい30半ば過ぎまでは どんなに優秀で、どんなに稼いでも

 小僧扱いしかして貰えない。


 大企業とか役所とか 看板がモノを言ってる組織の中であれば

 30そこそこでも ふんぞり返る事は可能だけど、

 それは オマエに対して相手が平伏してるんじゃなく

 背中の看板に平伏してるだけの事。


 ところが、たいていの奴は勘違いしちゃって”俺様”だと思い込む


 で、一回、そんな勘違いしちゃった奴は

 もう、取り返しがつかないアホのまま 死ぬまで治らない


 いいか? ふんぞり返るのは40過ぎてからで充分

 その為には 40までは馬車馬の様に働いて 稼げるだけ稼ぎまくれ

 そして、40過ぎた時に ちょっと一服して のんびりした人生を考えてみる


 その時の為に とにかく40までは馬車馬の様に稼げ」


具体的に「あぁしろ、こうしろ」と言われた訳では無い。


しかし、40過ぎた今となっては とてもありがたい御教示だったと感謝している。


20代には20代ならではの 30代では30代ならでは 面白い事、楽しい事はある。


しかし、その多くは「その場限り」の楽しさで その多くは消費したら終わり、言い方を変えれば 金さえ有れば、かける費用の分だけ楽しさが増すように感じる…って事に近い。


けどね、そうじゃないんだな


今、ニートとか言って せっかくの稼ぎ時である20代から30代に 全く、稼ごうとしない若者が少なく無い。


で、それらの若者は おそらく誰かから「そんなんで歳を取ってから どうするの?」と言われる事も多いだろうが、具体的に「歳を取ったら こんな苦労をする」って事までは教えて貰えないし 教わる気持ちすら無いのだろう。


で、よくありがちな「ちゃんと働いて年金を納めておけば 老後に年金を貰えるよ」なんて台詞に辟易してると思う。^^;


年々、改正が行われ 受給金額が減り、受給対象年齢が引き上げられ、別収入が有れば それに応じて減額されてしまう年金… 今、その年金を貰って生活している人にとっては 年金は最低限の補償として とても、ありがたいものだと実感もしてるのかもしれない。


けれども、今の若者にとっては コロコロと魅力の薄れていく その「年金」に魅力など感じていないのが現実。


ところが、では現実的に その年金に該当するような補償なり、貯蓄なりに関しても 若者達は考えようとしない。


それは 自分達の親が、どれだけ頑張って築いた財なのかを判っておらず、判らないまま ねだれば小遣いが貰える… 親元で生活すれば食費や光熱費がかからない… そんな安易さだけに甘えている。


童話の「アリとキリギリス」じゃないけれど 頑張ったぶんだけ、暮らしが裕福になる…という風に物事を決めつければ どんなに頑張っても ある日、突然不幸に襲われたら無に帰す…と言う人がいる。


元々、金もコネも無いモノは どんなに頑張っても越えられない壁がある…なんて言う人もいる。


そういう風に物質的、金銭的にしかモノを計ってばかりでは 本当の「楽しさ」を判れない。


金なんてのは結果のひとつであって、「頑張る」事による「楽しさ」は金じゃ得られない事に気づくべきなんだけどね。


「頑張って稼げ」って言葉は 単に「どうせ頑張るなら、ついでに稼げ」って意味合いの方が強いのだが、そこは なかなか判って貰えない。^^;




さて、話が どんどん違う方向に行きそうなんで 強引に戻す。^^;


私が申し上げたかったのは


「”何か”の為に頑張って働く(稼ぐ)」


という事の”何か”が 何か?って事。


そこには いろんな事が当て嵌まる。


「趣味の為」でも「老後の為」でも良い。


私の場合は主に「嫁と娘の為」だったと 嫁に決められていたわけだが…^^;


それでも良かったと 自己満足している。^^


ただ、実際 40過ぎて50にも そんなに遠くない歳になってみて思うのは


在りし日のN専務の言葉が 実にありがたい託宣だったな…と。


本当に、40過ぎまでは がむしゃらに頑張って稼いだ。


そして、厄年を迎えた時に 別に厄年だから…なんて理由では無いが、なんか


「そろそろ、いいかな?」


って気になった。


代わりに がむしゃらに頑張る部下を数人育てられたから 後は彼らに鵜になって貰い、私は「鵜飼い」なるだけだ。^^


とりあえず 何時かは判らぬクタバル時までは「まぁ、なんとかなるでしょう」って金は稼いだし、それによって 嫁との唯一の義務であり、約束は果たしたわけだし、


「じゃ、あとは余生って事で」


って 今風に言えば 胸を張って「ニート」にもなれる。


悪いけど、私は 自分の金で引き籠もってるんであって 親の小遣いや生活保護など 福祉をあてに暮らしてるのでは無い。


実際、いまだに


「自分が何の為に生きてるのか(働いているのか)判らなくなる」


って問いの応えを見つけられてはいない。


けどね、今の私としては そんな問題など どうでも良いのである。^^;


嫁は私に はるか昔に


「死ぬ時に”あぁ、面白かった”って言わせてね」


と、言った。


我が嫁ながら「侮れない奴だなぁ^^;」と 心底思う。


そう、私も 私がクタバル時に


「あぁ、面白かった」


と言える人生であれば それで良いのだ。




って、ここまで記述して ふと、気づく


「俺、完全に 嫁にマインド・コントロールされてるんだな」と。


まぁ、良いけどね … orz



お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

何の為に生きてるかなんて、一生解らないでしょうね~。

死後、残された者が好き勝手に思ってくれればなぁ~と思っています。

ただ死んだ後でも、現世に良い残り香的な何かをを残せられたら最高だなぁ~とも思います。

最後に「ありがとう」と言い残して、息絶えたるというのが理想でもありますw

しめっぽくなりました・・・ペコm(_ _;m)三(m;_ _)mペコ

★ Wen さん

どうしたの? ネガティブだね^^

あ、そかそか そっちは もう梅雨入りだもんね^^

「雨の降る季節」が終わると アーカイブ星に… って

まぁ、「こりん星」よりはマシだね。^^


ちょっとマジ・レスすると 私は この世を去る時に
一発ギャグで ドカンと笑いを取りたいと思ってます。

とても充実した内容でした。ランキングボタン5つ押させてもらいました。
僕も”何か”の為に頑張って働く"のか未だにわかりませんし、一生わからないかも(笑)。頑張ることそれ自体の中に楽しみを見つけたいとも思ってます。

★ オカダ さん

「楽しけりゃ それでいい」

という考えも 最近、よく耳にしますけど この場合、「何かが違う」と同時に思わされ 違和感を抱く事が多いモノで…

ま、こんな考えも… みたいな感じで^^;

どうも^^
むちゃくちゃお久しぶりです・・・
ここ数ヶ月、ブタネコさんブログを拝見していませんでした・・・
そして今日、これからも見に来ようと思いました。
僕にはとても耳の痛い記事です。でもしっかり言い聞かせなきゃいかんことだと思わされました。

追記 
お元気そうにお見受けして何よりです^^

★ fellow さん

あらま、お久しぶりで^^

そちらこそ お元気そうでなによりです

お仲間は 皆さん元気ですか?

また、戦いたいですねぇ^^

【※注意!!】

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