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2006年05月09日

● 銀行屋のT


時々、このブログで『喫茶「職安」の話』として語っているわけだが…




今回は 銀行屋のTという人物について語ろうと思う。


このTという人物は いままで語ってきた喫茶「職安」の常連とは 少々、異なり 喫茶「職安」に集う人達を 自分の都合に利用しようとして接近した人で、最後まで仲間には加えて貰えなかった人…という成り行きがある。


要するに「屯田兵の御隠居」と呼ばれた資産家の爺さんに媚びへつらい 爺さんの持つ資金から いくばくかの定期預金を組んでもらったり、コゲついている不動産の処理を 第三者的に協力して貰ったり… 最初は どこにでもいるような銀行マンだった。


しかし、例えば、ある時の事。


繁華街の一角に 5階建てのテナントビルを所有しているオーナーが急死して 遺産争いが勃発し、そのビルを内々に急遽、売却しなくてはならなくなった…という事がある。


そのビルを建設する際に 銀行は融資を行っており、まだ完全に返済されていないから抵当権は設定されたまま 通常ならわざわざ銀行に断らずとも不動産屋に任せて売買をすればいいのだが… そういう情報は 案外、誰よりも早く銀行の耳に入る。


すると、当時 その銀行の本店で それなりの地位についていたTは 情報を「屯田兵の御隠居」に持ち込み その物件を引き受けないか?と誘うのだ。


不動産というものは なんだかんだ言って、値段とか相場って 実は物凄く適当なところがある。


売り手の事情で早急に売却して現金化したい… そういう事情が絡むと 相場よりも安い値段で折り合う事がしばしばで 逆に、「どうしても そこの土地が欲しい」という買い手が現れれば 相場よりも高い値段で成立する。


だから、安くなっても早急に処分…と言う人から安く買って 相場の値段で「適正」に 売却する… それだけでも それなりの利益があがる。


Tが その情報を「屯田兵の御隠居」に持ち込むのには、情報の見返りに、売買が成立した暁に個人的な報酬を貰いたかったからだ。


勤めている銀行や家族にも内緒の 自分だけの小遣いを稼ぎたいのである。


ただ、この場合の「小遣い」と言っても 総額が数億の場合、内緒の情報料は数百万にもなり、簡単に「小遣い」と言える範疇を越える。


Tという人物は 自分の立場を利用して私腹を肥やす人物だったのだ。


表面上は親切な 銀行のそれなりの肩書きを背負った人物が


「お困りでしたら、(不動産の)早急な処分を良心的に引き受けてくれる不動産屋を御紹介しますよ」


と言えば、大抵の顧客は


「では、よろしく」


と言う。


実際に「屯田兵の御隠居」達も 悪徳では無かったから、相場よりは 随分と安く買いたたくけど その叩き方は悪徳業者ほどでは無い。


「まぁ、その金額なら良いか」


売り手にも ちゃんとそう思わせる条件なのである。


だから、不動産売買という意味では 一度も問題になった事は無い。


この場合、銀行が親切に間に入って整理をするものじゃないのか?… もし、そういう疑念が貴方の頭に浮かんだのならハッキリと申し上げておくけど 銀行なんてところは そんな親切なところじゃないし、後々 トラブルに巻き込まれたくない…という保身が強く 常に間接的な立場に身を置こうとする。


「いざとなったら銀行から金を借りればいい」


そういう台詞を簡単に口にする人がいるけれども それは常日頃から銀行とコネクションを持ち、それなりの担保を持っている人が口に出来る台詞であって まともに銀行と取引をした事も無しに そんな台詞を簡単に口にするのは単なる世間知らずの証である。




さて、屯田兵の御隠居が急逝し、その資産管理を行う会社をO弁護士やN専務が任されると Tは活発にO弁護士やN専務に擦り寄る様になるのだが…


バブル絶頂の頃、その銀行内でお家騒動が勃発し、Tが与していた派閥が没落 派閥の主立った人物達は肩を叩かれ閉職に追いやられるか関連会社に出向といった措置が取られる事になったのだが…


この時に Tの取った行動は 未だに信じがたいものだった。


まず、Tがおこなったのは かろうじて、その時点で まだ外されていなかった銀行での肩書きをフルに利用して、可能な限り、いろんなところから個人で金を借りまくったのである。


銀行、ノンバンク、消費者金融… クレジットカードだけでも数十枚 それを目一杯キャッシングで現金を引き出し、カードで買いまくった商品を売って それすらも現金化した。


この時に、知った事だが 世の中は巧く出来ていて 例えば、ある電気店でパソコンやビデオカメラを定価の2割引の値段でカードで買う。


それを包装されたまま、専門の買い取り業者に持ち込むと 定価の半値で買い取ってくれる。


その時に 買い取り業者は


「今度から もし、アレだったら商品を買う前に電話くれないかい?

 その時に 買い取り率の高い商品と 売ってくれる店をアドバイスするから」


そう囁き、客は 次の時に 言われた通りに電話をすると


「S電器のO支店に Xさんという人がいるから その人のところに行くと良いよ」


と言う。


言われた通りに Xさんのところに行くと ちゃんとカードの限度額一杯になるように商品を揃えてくれて 今度は定価の55%~60%ぐらいの値段で買い取ってもらえる。


さて、もうお判りと思うが このカラクリは 買い取り業者は再び その商品をS電器のO支店に定価の買い取って貰い ただ、同じ商品が いろんな人のクレジット代金と化してグルグル回っているだけの事。


S電器と 買い取り屋は その都度、数%ずつを稼ぎ、そのぶんが客の損失となる。


しかし、Tの様に 最初からそのカラクリを知っている人間は1回限りの取引だという事を伏せて買い取り屋に話をつけ高値で買い取らせるだけの事。


それでも買い入れ額に対して10%ちょっとの目減りはあるけれど Tにしてみれば 実は最初から返済する気が全く無いから どうでもいい話なのだ。


そう、Tは とにかく金を借りるだけ借りた状態で銀行を退職し、退職金や自宅などは 奥さんから「浮気を理由に離婚を迫られた…」として 協議離婚した際に、慰謝料という名目で全てを奥さんに渡し、T自身は表向きには自己破産したのだ。


これはね、裏のカラクリを知っている私などに言わせれば 取り込み詐欺みたいなものである。^^;


しかし、この場合の「被害者」とは 銀行、ノンバンク、消費者金融… そういった業者ばかりで友人や知人は巻き込んでいない O弁護士が巧く立ち回った事もあって 単純な借金地獄による自己破産を演じきり、裁判所を利用して合法的に踏み倒したのだ。


ただね、普通の自己破産と違うのは Tは借りまくった金を全て現金で隠し持っていたから 自己破産したにも関わらず、実は現金で数千万所持していたのだ。^^;

(注:これは本来、許される行為じゃない)




さて、ここまで述べてきた事を読んだ人の多くは


「そんな話、現実的に ありえない~」


と、思う事だろう。


でもね、これは実話なの^^;


「自己破産」という手続きを悪用すると こういう真似が出来るんです…という実例だと申し上げておきたいのである。


以前、「自己破産するには 手続き費用が必要で その費用すら捻出できずに…」という話を述べたが、中には 確信犯的に こんな真似をしたオッサンがいたのだ。


その後、Tは持っている資金を元手に金融業を始める傍ら、持ち前のコネと知識を用いて「コンサルティング」を生業とする。


で、まだ、バブルがはじける前の ある時のこと


市内の中心部に土地と建物を持つオーナーがN専務を訪ねてきて


「建物(テナント・ビル)が老朽化したので立て替えようと思うのだが…」


と、相談した事がある。


当時、ある銀行が そのオーナーに「3億までなら すぐ融資します」と言っていた。


しかし、そのオーナーは 建築見積もりでは1億5千万あれば充分と判断し、その1億5千万までしか借りなかった。


その時に Tは


「バカじゃねぇか? 借りるんなら限度額まで、目一杯に借りなきゃ駄目だ」


そうアドバイスしたのだが、オーナーは「必要以上に借りる必要は無い」と言って1億5千万だけ借りたのだ。


そのすぐ後にバブルは崩壊し、経済がいっきに低迷し、そのテナントビルでは家賃の滞納等が多く生じ オーナーは銀行を訪ね運転資金を借りようとしたところ…


「地価が下がった現状では その担保状況では1億までしか融資出来ない。

 にも関わらず、現在1億5千万を融資している状況としては

 追加融資どころか、5千万分の追加担保を頂きたいぐらいだ」


と、にべもなく断られたのだ。


結論から先に言うと そのまた数年後には 遂に返済に滞ったオーナーに対し、銀行は制度融資を利用し「貸し剥がし」を行い、その時点で資金的体力を失っていたオーナーは資金的に完全に行き詰まり、多額の借金を背負ったまま その不動産を差し押さえられてしまったわけだが…。


まぁ、今となっては結果論だが もし、3億借りて1億5千万の余分な現金を隠していたら その後はどうなったのだろう? 


ふと、そう思う事がある。


多く借り入れると言う事は その分、多く利息を払わねばならない。


必要以上に 借りる必要は無い… たいていの人が そう思うはず。


でもね、そういう借り入れを起こす際って 不動産を担保にするわけで、不動産の担保設定って どれだけの金額の担保設定がなされていて 担保としての余力があるか否か?なんて部分を切り分けて解釈する融資担当者って 実はとても少ないのである。


担保設定を複数が行っているのであれば 設定順位が大きく問題


しかし、人生の分岐点的意味合いを持つ借り入れを起こす時、是とするか否とするかの判断は色々あるのだと言う事。


無責任で投げやりな言い方をすれば


「最悪、滞ってしまった時の保険として いくばくかの現金を懐に抱いていろ…」


それがTの哲学でもあったのだ。




Tという人物は「金(かね)」というモノに対して 独特の考え方を持っている人だった。


「金を稼ぐには 金が必要」


「目に見えない金こそが 一番の儲けどころ」


「金は活かすために使え、けっして死に金は使うな」


Tが 時にボソッと呟いた金銭哲学の言葉である。


だからこそ、


「自己破産してたって 数千万の現金を持ってたら 何も不自由なんかしない」


と言い切り、たしかにその通りの生活を過ごし


「活きた金の使い方をすれば その金は必ず、友達(利益)を連れて増えて還ってくる」


とさえ言った。


たとえば、一般的には「自動車金融」と呼ばれる金貸しがある。


要するに「車を担保に金を貸す」と言うモノで 担保にする車を中古車として下取る場合の相場価格の半分ぐらいを上限として その範囲内で金を貸す。


ところが、これって 法律の盲点を突いた詐欺まがいの手法だった。


例えば、『乗ったままOK』『ローン中でもOK』などと広告で謳っている業者がいる。


「担保を債務者に預けたままで平気なの?」


そう疑問に思う人もいるはずだ。


これは 実際には「金を貸し借りする」のでは無く、「書類上、車を売買する」から嘘にはならない。


タチの悪い業者にかかると「金銭消費貸借契約書(借用書)」を 書かせた上に、「万が一の時の為に…」と巧妙に「自動車売買契約書」を書かせ、公正証書を作るのと陸運の手続きをする際に必要なので…と言って「委任状を2通」に「印鑑証明(各1通)」まで添付させる。


で、名目上は「車を担保に金貸し」なのだが 実質的には「車を買い取って 元の持ち主にリースで貸している」という形態を取るから、その金利には金銭貸借の法定金利の上限利率は適用されない高金利を合法的に課す事が出来、『乗ったままOK』と言っても スペアキーは添付を求められるので 実際には借りた日の晩に そのスペアキーで車を持って行かれ、後日「これは貸し借りではなく 売買だ」として車を取られたケースが沢山あったのだ。

(注:これは 20数年前の話なので、現在では法律・条例が変わっており この話のままの事では無い…とされていますが、実際には 今でもこういうケースが多々生じてます)


このような「車金融」を Tはバブル末期から積極的に行い、バブル景気で調子に乗って買った高級車を担保に 景気低迷の急場をしのごうとした人達から 次々と取り上げては転売してボロ儲けしたものだ。


で、ここで余計なウンチクを語ると…


自家用車にも 土地や建物といった不動産の様に「抵当権設定」が出来る…って知ってました?


もし興味のある方は「自動車抵当権」もしくは「自動車抵当法」というキーワードでネット検索してみるといい。


昔、自動車が家や建物並に高価な財産とされていた頃の法律が 平成五年に改正されたとはいえ、ほぼ、そのままの形で遺っている法制度と言えるのだが…


これに付随して、あるテクニックを用いると特定の車の車検証のデータを閲覧する事が出来る。


例えば、毎日の様に自宅の横に違法駐車する車両の持ち主を調べたい…といった時に 数千円の費用で ある程度、調べる事が可能…なのである。

(注:テクニックの詳細は悪用されるのを防ぐために記述をしないでおく)


Tという人は そういう知識に物凄く長けた人だった…


このTと言う人の関わった仕事は 正直言って個人的に納得のいかない事が多かったけれども、反面教師としては ある意味、とても勉強になった人とも言える。


と言う事で、長くなったので 今回は そろそろこの辺にして 続きは また今度^^



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 気が向いたら…で結構です。^^;

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