● 深紅
映画「深紅」を見た。

私は原作者の「野沢尚」の著作が大好きで この著者本人が脚本を書いたドラマも 実に面白いと感じた作品が多い。
参照:『野沢尚カテゴリー』
昨年の8月に 親しくお付き合いを頂戴しているzekuwさんが 氏のブログ「zekuwのひとりごと (想いのままに…)」の中で掲示した『気になる映画 (^◇^)』という記事を見るまで 正直言って映画化される事を知らなかった。
この「深紅」は 文庫が発売されて間もない頃に購入し、読んだので

私の書棚の本は上の画の表紙だが、現在は この記事の冒頭に掲示した画の様な表紙に変わってしまった様だ。
で、この本が映像化される事を この本を読んだ時から 私はずっと期待して待っていた。
野沢尚の著述には 他の作家とは比べようも無い、綿密なプロットと呼ぶべき構成があり、そのプロットには 独特の視点と着眼点があり、それが実に面白い。
探偵小説の様に 機械的なトリックを用いるタイプの推理小説では無い。
心理描写の巧みさを活かした 心理的トリックが絶妙なんだな。
この「深紅」は ある事件の被害者の娘と加害者の娘 その二人が主軸となった物語で、率直な個人的感想を述べれば ラストに若干、馴染めなかった話の部分はあるが、総体的には 非常に面白い。
大抵の場合、野沢尚の原作が映像化される時には 野沢自身が脚本を担当して原作に対して修正を行うかの如き微妙に違った内容になる。
これは 映像が先で、後にノベライズ化される時も同じで 微妙に違いが施される。
私は それが駄目だとは思っているのでは無く、むしろ どのように修正されるかが楽しみでならない…という気持ちの方が強い。
だって、いつも後者の方が より面白いからだ。
で、映画「深紅」を見た。
この映画、キャスティングが非常に良い。
小日向文世
緒形直人
塚本高史
平田満
「南野陽子」に まず、目が惹かれ…
「堀北真希」にも目を惹かれ…
原作の雰囲気も なかなか良く出せていると思う。
かねがね、内山理名の演技が巧いなぁ…と 私は感じている。
この作品でも なかなかそれが活かされており、良い味が出てると思ったが…
そんな「内山理名」もさることながら…
「水川あさみ」が実に良い。
この娘は 時々、ハッとするほど「綺麗だなぁ…」と思う表情を見せ、また、時には年相応の幼いと言いたくなる程の あどけない表情を見せる。
気のせいか、いろんなドラマで けっしてメインでは無い、サブ的キャラなんだけど キラッと光る様な印象を残す演技を見せる。
こういう娘は良いなぁ…
で、そんな「内山理名」と「水川あさみ」のツーショット場面が多く
純粋な意味で、二人の女優の演技比べ…みたいな 実に心地良い演技が続く。
ゆえに、この作品の物語は これはこれで面白いモノに仕上がったと思う。
ただ、それだけに 一応、この映画の脚本は「野沢尚」となってはいるが…
「野沢尚」は 既にこの世を去っている事を考えると、もし、本当に野沢がこの作品のクランク・インまで生きていたならば きっと、もう一ひねり脚色があったと思うのだ。
それは「いつ 秋葉奏子の正体を 都築美歩が気づくのか?」という部分に きっと、もっと観客が「あぁ~」と唸ったと思うのだ。
それがね、個人的には とても残念でならないが、面白い映画である事に変わりは無い。
で、最後に一言 この作品に登場する小日向文世は 彼のキャラの中では特異な設定の役なんだけど、こういう役もビッと演じてみせるところに演技巧者の味があって とても良かった事だけは明記しておきたい。^^


