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2006年04月06日

● 短小説「北斗星」 17


現在1時、北斗星は「吉岡海底駅」を通過し、間もなく「竜飛海底駅」をも通過するはずだった。(東京までの 残り 約10時間ちょい)




【冒頭にあたり、管理人注記】


この物語は1話完結の様に見えて そうでは無い部分があります。

(たぶん…、きっと… あ・あるハズです。^^;)


なので、途中から読み始めた方は どうか


   ・第1話『短小説「北斗星」


   ・前 回『短小説「北斗星」 16


上記URLを御参考に、御一読願います。






【今日のウンチク】


以前、「カニ」と「イカ」について語ったが、今回は「タコ」について語ってみる。


タコは食用として「たこ焼き」をはじめとして日本人にとっては とてもポピュラーのものではあるが、一般消費者がタコを生の姿で見たり、買い求める…というのは少なく、大抵は軽く茹でた状態の それも足だけ…というのが普通で、他の魚と違って 何処産の…と ある種ブランドとして語られるのは「明石のタコ」ぐらいで 前に述べた「イカ」以上に種類や食べ方には無頓着な人が多い。


特に、最近では 外国から輸入されるタコというのが非常に多く、私などに言わせれば 国内産ならではの美味いタコを マグロと同様に珍重すべき…と提言したいのだが、「安くて それなりに美味しければ良い」という主婦感覚には そんなのはどうでもいい事らしい。


さて、タコも厳密に言えば 60種類以上が日本近海で生息しているが、食用として代表的な近海物は「マダコ」「ミズダコ」「イイダコ」の3種類。


調べてみると面白いモノで タコは日本海側だと「能登半島」の辺り、太平洋側だと「茨城」あたりが境界線となっており、北は「マダコ」 南は「ミズダコ」と言う風に生息域が別れ、「イイダコ」は北海道南部から九州まで 国内全域に生息している。


従って、東北・北海道の人間が「タコ」として手軽に食べているのは「マダコ」関東以西は「ミズダコ」が主だという事。


で、先に述べた「明石のタコ」と呼ばれて珍重されているのは 実は「イイダコ」を指す事が多いのだそうだ(伝聞です^^;)


タコの調理方法及び食べ方としては 刺身、おでん、煮付け、焼き物…とあるが 基本的に、普通の人が食べてるのは「足」なんだよね。


私は、あえて「頭」を軽く湯がいたモノを刺身で食べるのが大好きだ…と強調しておきたい。


また、今回は ちょっと薄気味悪い話を付け加えておくと…


私の知る 青森県のある場所では 基本的にタコを出荷する際、8本有るべき足が7本しかない。


それは、タコを捕ったら漁師が必ず 足を根本の部分で1本 ナタで切り取り、切り取った足を縦に真っ二つに裂くのである。


と言うのは、漁師達曰く その辺で生じた海難事故や入水自殺などで水死した人間を引き上げる際、タコがくっつている事が多く、それは きっとタコ達にとっては人間の溺死体がある意味、好物なのだろうと…。


で、人を食べたタコを見分ける唯一の方法が 足を縦に裂くと、軟体動物であるタコは骨が無い代わりに足の中心に骨にあたるチューブ状の部分があり、そこに「髪の毛」が消化されずに残っているんだ… と言う。


だから、タコをあげると 必ず足を一本叩き落として裂いて確かめ、髪の毛が入っていたら、持ち帰って供養し、髪の毛が無ければ大丈夫…として出荷するので 必然的に7本足のタコとなる。


ちなみに、引き裂かれた足は そのまま船のマストにぶら下げて「一夜干し」にされ、漁師達のオヤツになるのだが、この「一夜干し」が すこぶる絶品なのは言うまでもない。


さらに、ちなみにその場所で「漁師歴30年」の漁師である知人に


「タコの足に 髪の毛が入ってたのを見た事あるのか?」 


と、聞いたところ


「んにゃ(いいえ)」


と言われた。^^;


「それって 本当の話なのか?」


と、重ねて聞いたら


「たぶん、迷信だと思うけど 昔から言い伝えられてやってきた事だから…」


という解答だった。







車掌室からの帰り、ロビー・カーに行くと 相変わらず宴会は続いていた。


ただ、違っていたのは 私の代わりに若い車掌が車座の中に座って談笑していた事。

( 仕事中じゃないのか? > 車掌 )


私の姿を見ると


「お、アンチャ 待ってたど」


実に陽気である。


見ると いつの間にか数冊の雑誌が持ち込まれていて


ババァAが その雑誌を舐めるように覗き込みながら


「お~ セブンだばアンタ 今週、最低だって

 辛い別れがあるかも…って書いてある」


それに対して ババァBが


「セブンだらまいね(駄目) めっこし、デタラメだもの

 やっぱアナアナでないとっしゃ~」


アナアナとは 随分、なまめかしいタイトルの雑誌だな…と思って覗いてみたら






     アンアンでした… orz




「ほれ、ほれほれ!! アナアナだばアンタ 最高だぁ?

 今週、人生最大の出会いが… ってほらぁ!!

 オメ(パンドラ)とオメ(若い車掌)の事だべしぃ

 あいやぁ~ いがったな わもなんが、うれしくなってまってはぁ~」

 あらまぁ、良かったわね 私まで何だか、嬉しくなっちゃった


雑誌の占いページを見ながら 若い車掌とパンドラの相性を占うのに夢中になっているのだ。


すると ババァAが


「あぃ~ ノノ(ノンノです。 orz)でもアンタ達 最高だよ

 オンタのほわ 苦労が報われる週、メンタのほわ 思いがけないサプライズ…

 ってほらぁ、やっぱ アンタ達のためさあるみたいなお告げだよ」


そう言われて まんざらでも無さそうなパンドラと車掌。


そんな様子を見てたら なんか釈然としない私。


別に、この二人が付き合おうが付き合うまいが そんな事はどうでもいいのだが、なんかソノ気になってる風の二人を見てたら「イラッ」と来る。


なので…


「ねぇ、そのアンアンとかノンノって オバチャン達が買って読んでたの?」


と聞くと


「当たり前な事 聞くんでないよアンタ」


と、キッと私と睨みつけるババァA


「そだよ、あんまり 大間の漁協所属をナメたら、大変だんだよ」


と、ババァB


瞬間的に 風雲急を告げる私(ToT)


「”食いしん坊バンザイ”ってテレビっこ来た時さアンタ

 漁協の工場でイカさ開いてスルメにする作業ばうつしたんだけっど

 そん時に工場のアッチャ達がまいてたスカーフだら、みんな

 サネエやエブサロラだったんだよ」


「”サネエ”? ”エブサロラ”?」


と、聞き返す私に そっとパンドラが耳元で囁く


「シャネルとイブサンローラン」 orz


「そだよアンタ マグロ釣れたら函館まででばって

 棒二森屋で 奮発して買うんだよぉ」


【筆者注】


”棒二森屋(ぼうにもりや)”とは”和光(わこう)”と並んで

 函館の2大デパートの事。


他に「さいか」「ホリタ」「テーオー小笠原」等の老舗もあったが スイマセン、今 どうなっているのか知りません。^^;


昔しか知らない私に言えることは、当時の函館では「棒二森屋」と「和光」をハシゴしてショッピングするのは 一般庶民にとって ある種の贅沢と言えた時期があったのだ…と言うことで…。


ジジAが 怒るババァAの肩を優しくポンと叩き


「カッチャ、おこてらばまいね

 なんも、また わががっぱど釣ってやるはでなぁ」

 母ちゃん 怒ってたら駄目だよ

 また、俺が ドーンと釣ってやるからよ


と慰め それに対しババァAが


「トッチャ… 頼んだよ」

 父ちゃん 御願いだよ


と、まるで 温泉旅館のホールで上演される旅芝居のシーンを演ずるかの二人、もし、そこに拍子木があったら「カチーン」と派手にならして


「よっ、マグロ一本、土俵入り!!!」


と、声のひとつもかけてやりそうになったが…


ふと、見ると ジジババ四人組が私を相手している間に


若い車掌とパンドラの二人の様子がおかしい。


いつの間にか車座から離れて ロビーの窓の傍に二人で行き、真っ暗な中をゴーッとトンネル独特の響きを伝えながら走る北斗星の窓の外を並んで眺めながら


「もうすぐ、竜飛海底駅を通過するよ」


と、車掌


「ホント? 楽しみだなぁ…」


と、パンドラ


「通過する一瞬の間に 願い事を言い切れれば

                           その願い事は叶うんだって…」


と、車掌


( いつから、竜飛海底駅は”流れ星”扱いになったんだ? )

と、心の中でツッコム私


「え~ じゃ、何を御願いしようかなぁ…」


ソノ気のパンドラ( 気付よ!! > パンドラ )


その二人の後ろ姿を眺めながら


「あやぁ… できてまったな」とジジA

 おいおい、交際が始まっちゃったな


「んだ」とジジB

 そうだね


「いやぁ、わまでこちょばしぃっきゃな」とババァA

 見てる私まで くすぐったいわ


「つけらっと てっこさけつさあててまっては」とババァB

 ちゃっかりと、(車掌が)手を(パンドラの)腰に回してるよ


その時だ、ほんの数秒間 窓の外がパァッと明るくなった。


北斗星が「竜飛海底駅」を通過したのだ。




現在 1時ちょっと過ぎ(東京までの 残り 約10時間ちょい)



      To be continued …  

( ま、そんなわけで … )


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

おお!純愛ですな!

で、ブタネコさんのお相手はどのババで?

続きはどうなるの?とバナーをクリックする日々です。
「洞爺丸事故の後、良いタコが沢山取れた」という、(不謹慎ながら)まことしやかな噂を聞きますが。。(笑)
確か小学校の修学旅行で行った、函館の旅館(大黒屋)のオヤジから聞いたのが初めだったような。

余談
近所(東京です)のスーパーで何故かコマイ一夜干しが売っていたので、これは何かの縁だと早速買って食べました(爆)。
カンカイを金槌で叩いて延ばす父の姿も思い出したり。。。

★ くれい さん

>おお!純愛ですな!

あれ? 知らなかったの?


>で、ブタネコさんのお相手はどのババで?

ウルセェyo!!


★ ラヴァ さん

>続きはどうなるの?とバナーをクリックする日々です。

有り難い御言葉に感謝しております^^


>何故かコマイ一夜干しが売っていたので、これは何かの縁だと早速買って食べました(爆)。

へぇ… 奇遇ですね^^


>カンカイを金槌で叩いて延ばす父の姿も思い出したり。。。

へへへ…^^;

こんにちは。
若い車掌さんと、パンドラさんがねえ・・・。なかなかドラマティックな出会いなのではないでしょうか。
そしてブタネコさんはのけ者モード^^;
でもねえ、ここでまがりなりにもパンドラさんと上手くいってしまった日には、奥様から普通に核弾頭とんできそうだし。良かったじゃないですかw

★ しき さん

う~ん なんとも申し上げられません。^^;

 クラヒー!!「タコ」の不気味な逸話、ありえることだけに、ぞぞっと来ました(笑)。食肉動物や猛禽類でも、獲物の毛や羽根は消化せずに吐き出すそうですね。瀬戸内海のカニの甲羅に人の顔が浮かんでいるのとかいう話も聞いたことがありますが、やっぱり、「髪の毛」の生々しさには敵いません。

FORREST

★ FORREST さん

タコの話は 本当に ある地区で言い伝わっております。

しかし、「髪の毛入り」タコを見た者は 私の知り合いにはおりません。^^;

でも、この手の民間伝承は 実は他のものにもいろいろあるんです。^^

【※注意!!】

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