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2006年04月05日

● 短小説「北斗星」 14


現在 23時45分過ぎ、北斗星は函館駅に到着した。

(東京までの 残り 約11時間半ちょい)




【冒頭にあたり、管理人注記】


この物語は1話完結の様に見えて そうでは無い部分があります。

(たぶん…、きっと… あ・あるハズです。^^;)


なので、途中から読み始めた方は どうか


   ・第1話『短小説「北斗星」


   ・前 回『短小説「北斗星」 13


上記URLを御参考に、御一読願います。






【今日のウンチク】


北海道には 方言らしい方言が無い…という人がいる。


それは完全に誤りである。


以前のウンチクで語ったが、北海道の市町村は開拓時代の名残で 開拓使の出身地の風習や言葉が色濃く残っている場所が かつては多かった。


だから、道内で不自由なく会話をするために、出身地の言葉の他に 標準語を皆が身につけたから、今では「北海道の人って けっこう標準語が綺麗になんですね」と他県の人に言われる事が多いだけの事なのだが、それは内陸部の しかも都市部に生息する住人の話で、沿岸部 特に漁港を中心にした街は 通称:「浜言葉」と呼ばれる 青森、岩手、秋田などの訛が合成された独特の方言が存在する。


その代表的な街が「函館」で 基本的に「函館」は観光で著名な街でもあるから 多くの住人は流暢に標準語を話すけど 地元の原住民同士の会話になると 凄まじいまでの方言となり、他県の人間には おそろらく簡単には理解出来ない言葉(浜言葉)でコミュニケーションを図る。


名前を出して恐縮だが 例えば、函館出身のアーティストとして大成した「GLEY」や解散した「ジュディマリ」のメンバー達は 間違いなく「浜言葉」であると断言する。


上京して長いので今は それなりなのだろうけど、上京したてでデビューしたての頃、彼らが「無口」だったのは 渋いキャラ演出では無く、「浜言葉」でボロが出ないための苦肉の策だったのだろうとも推察している。


しかしながら、「浜言葉」を全面に出して アーチストでのし上がろうとしても おそらくは「吉幾三」ラインになったことだろうから、彼らの選択は正しかったと認めたい。


実際に、いろんな各県の出身者がゴチャ混ぜになっていくうちに北海道オリジナルとでも呼べる言葉が生み出されたのも事実で それが、現在における北海道訛と言われる喋り方や単語となっている。


私は仕事で本州方面に出かけるときは 必ずセカンドバックにパスポートを入れて持ち歩き、今では羽田は自動発券機になってしまったが、ローカル空港の 地上係員が発見してくれるカウンターで航空券を買い求める場合、その娘が可愛ければ


「千歳行き 出来れば窓側で…」


と言いながら、さりげなくパスポートも差し出す事にしている。(ネタです^^;)


「お客様、北海道は国内ですので…」


そう言う係員に


「あ、御免 海外生活が長くてね…」(ネタです すいません)


と その一言を格好良く 渋く言いたいだけなのだが… orz


ちなみに「海外生活…」というのは「津軽海峡を挟んで海外」と言う意味であり、私が日本国籍じゃ無い…という意味ではありません。


尚、このネタは 私が知る限り、沖縄県在住の友人に二人、佐渡島在住の友人に一人、四国の徳島在住に一人使ってる奴がいますので 御注意下さい。^^







久しぶりの函館(筆者注:私は函館に居住した経験があるのです。^^;)、この駅は 昔、連絡船が接続していた事もあって桟橋も残っているし、海の間近である。


どうも、駒ヶ岳や大沼を通過するあたりから怪談話に触れすぎた事もあり、停車時間も比較的長いので 気分転換をしようとホームに降りて 深呼吸をしてみたら プンと海の匂いがした。(なんか懐かしかった^^;)


見ると、パンドラもついてきたらしく 私の背後で背伸びをしてる。


あらためて見ると 佳い女なんだけどなぁ… (見た目だけは…(ToT))


スタイルも悪く無いし…

( キュッ・ボン・バーンだし… )


しかし、トレーナーにスウェット姿を後ろから見たら どうしても、ダラケきった主婦しにしか見えないのは まさに、イリュージョンだ。(ToT)


時間が 零時近くという事もあってか、ホームから見える函館の町は 寝静まった感が漂い、人の気配は感じない。


しかし、北斗星が停車しているホームは 僅かながら団体客の一団が賑やかに話しながら車両へ乗り込んでいる様が見える。


そんな光景を目にすると


「あぁ、旅情だなぁ…」


と、旅をしている自分に酔う。(オバカです^^;)


和気藹々に「あぁでもない… こうでもない…」と仲間(身内)同士で会話を交わしながら 旅を楽しむ、それは 独り旅では味わえない別の旅の楽しみ方でもある。


面白いモノで 独り旅をしているときは そういう少人数の団体の旅に憧れ、家族や友人と共に旅している時は「今度は ここに一人で来よう」なんて考える… まぁ、基本的に私はワガママなんだな…


そんな事を思うだけでも まさに「旅情」…


しかし、そんな雰囲気は 呆気ない事で簡単に脆くも崩れ去る。


「なんか、寒くなってきちゃった…」


パンドラはそういうと 大きく「フワ~ッ」と背伸びをしながらアクビをして、脇腹のあたりをポリポリ掻きむしりながら車内に消えたのだ。

( オマエは主婦か? > パンドラ!! )


しかし、言われてみれば 確かに肌寒い。


私も車内に入ると 入り口のところにパンドラがいて、


「ねぇ、ちょっとロビー・カー行きませんか?」


と、私を誘う。


ちょっと気が引けたのだが、私の返辞などお構いなしにパンドラはズンズンと歩いて行くので 仕方無くついていく私。


ちょうど、その時 ホームに発車を告げるベルが鳴り響き 車体がガクンと揺れて動き出す北斗星。


通路をパンドラの後に続いて歩き、ロビー・カーに入ると 相変わらず、人は誰もおらずガランとしている。


「ここで、あの子(少年)と会ったんですね?」と 私に聞くパンドラ。


「そう、そこのソファに私が座っていて 彼はそっちの…

 あ、彼が座っていたところは濡れているから…」


ソファを試すように撫でるパンドラ


「本当だ 湿ってる」


そして、その濡れてるところに手を置くと 静かに目を閉じ、まるで瞑想しているかの如きパンドラ。


たぶん、ほんの数分だったのだと思う。


けど、私には 物凄く長い時間に感じた事だけは確かだ。


やがて、パンドラは静かに顔を上げ、目を開けて 窓の外の津軽海峡を凝視する。


「あの、海の向こうに”恐山(日本3大霊場のひとつ)”があるんですよね?

 あぁ、なんか波動を感じます。

 目に見えないパワーというか…

 あぁ、感じます。」


その時だった 背後からドヤドヤとロビー・カーに入ってくる人の気配…


「いやいやいやいや…

 こったらとこで は、”感ずう”っては?

 穏やかで無いはんでな…」


「んだって、オッチャ…

 すとさめられながらだと めっこええて話すもあらんでな」


「あや~

 すとのこいずばざまするぼっけは こまこさけあえて死んずまぇってば」


「したけど、めっこしつれぇ なごっこだはで…」


見るからに60歳前後のオヤジが二人と オバチャンが二人、合わせて四人のジジババが何故か浴衣姿で現れた。


私はバイリンガル(国内仕様)なので 彼らの言葉を聞いた瞬間に


「お?これは 津軽弁のような下北弁の様な…」


と、ピンとくるが こない人の方が多いと思われるので 以後の彼らの台詞は標準語に出来るだけ解読した形で記述する。


つまり、


「いやいやいやいや…

 こったらとこで は、”感ずう”っては?

 穏やかで無いはんでな…」

 いやいやいやいや…

 こんなとこで ”感じる”なんて言ってちゃ

 少々、”穏やか”ではありまんせんねぇ…^^;


「んだって、オッチャ…

 すとさめられながらだと めっこええて話すもあらんでな」

 だって、お父さん

 他人に見られながらだと 物凄く”良い”って話しもあるわよ


「あや~

 すとのこいずばざまするぼっけは こまこさけあえて死んずまぇってば」

 あら、

 他人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ…って言うし


「したけど、めっこしつれぇ なごっこだはで…」

 でもさぁ、スゲェ美人だよねぇ この娘(パンドラ)…


という言葉だったのだ。


その言葉が パンドラにきちんと通じているのか定かでは無い。


しかし、パンドラは ポッと頬を赤らめると


「嫌だぁ… 変な事してるわけじゃないですよぉ…」


と、猫なで声で応えてるところをみると 充分に伝わっているのであろう。


それにしても… よく見れば、四人の闖入者達は それぞれが別の旅館の名前が入った浴衣を着てる。


「第○滝本」「洞爺サ○パレス」「 定山渓グ○ンドホテル」「湯の川観○ホテル」

( オマエ達、それ黙って貰ってきたのか? > ジジババ )


私が彼らの浴衣に注目してるのを気づいた一人のオヤジが言う


「お? いかべ?(良いでしょ?)

 旅だば 浴衣さ着ねどな、日本人だば 浴衣だべ」


あっけらかんと、むしろ自慢気… orz


「いやいや、あっつで ささこばくらうべかったら

 車掌のほんずなしさきて せっがら、マイネェじゃ~て

 まず、国鉄風情が ごんぼほりやがっから…」

 いやぁ、客室で酒を酌み交わしてたら

 車掌のバカタレが来て 五月蠅くするのは辞めろって

 JR職員ごときが 生意気な事を言いやがって…


見ると、銘々が手には一升瓶や「カンカイ」(魚の干物、酒のつまみ、珍味です)を持って 要するにロビーで酒盛りする魂胆らしい。


「ネッチャ、いがっだら めもどだ?

 ずざげっこさあっし、このカンカイだら わのてづくだはでな んめど~」

 お嬢さん、宜しければ アナタも一緒にどうですか?

 地酒もあるし、この干物は 私の手作りですから美味しいですよ


そう言われて、


「あらぁ~ 良いんですか?」


身体全体で喜びを表すパンドラ


( さっき感じた”霊気”は どうしたんだ? > パンドラ!! )




現在 0時ちょい過ぎ(東京までの 残り 約11時間半)



      To be continued …  ( この先どうなるんだろう? … 俺 )


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

方言ど カンカイさ ノレェ受げでまったじゃ〜!(^_^;(爆)
久々にカンカイ食いてぐなったなぁ。。
ブダネゴさんも ながながヤルいのぉぉ〜
(ちゃんとリンク先も押しました(笑))

★ ラヴァ さん

どうですか? 記憶を頼りに青森周辺の方言を記述してるんですが、うまく記述できてますでしょうか?^^;

こんにちわ。

私にとって函館の人がしゃべる言葉はまさに外国語です(^^; 子供も流暢?な浜言葉をしゃべるんですよね~
バイリンガル(国内仕様)のブタネコさんがうらやましいです(^^)

★ junchin さん

アイ・キャン・スピーク・ツガルベン

アンド

イバラキベン

アンド

ハカタベン

アンド

ヒロシマベン

アンド

クマモトベン

ベリー・ウエル  です。^^;

>うまく記述できてますでしょうか?^^;

全く上手く書かれてらっしゃいますよ!!
地元ではない方が、こんなに上手く記述する文章を私は読んだ事がありません(笑)。
訛りの表現のみならず、方言特有の単語が的確に使われていて驚きました!

「ながながヤルいのぉぉ〜」は最大限の賞賛のつもりで書きました(^_^)。
(私は青森と八戸の言葉しかマスターしていないので(笑)、下北弁を正確には知らないのですが、青森の言葉だ!とすぐ判りました)

★ ラヴァ  さん

>全く上手く書かれてらっしゃいますよ

良かった^^

ラヴァさん そう、仰って頂けると安心です。^^

ホッとしました^^

ブタネコさん、本当に国内仕様のバイリンガル(^^;。
ハカタベン、クマモトベンいつ覚えたとですか(^^;?

故郷を離れてどんどん方言を忘れていっているので、ブタネコさんの方がうまかったらちょっと落ち込むかもしれません。

★ roadrace さん

>ハカタベン、クマモトベンいつ覚えたとですか(^^;?

基礎は大学の時に そちらの出身の友人が多かった事。

その後、博多には2ヶ月、熊本には1ヶ月 長期出張していた経験がありまして…^^;

でもね、ネィティブでは無いから 直ぐ、ボロがでますよ^^;

【※注意!!】

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