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2006年04月02日

● 短小説「北斗星」 8


21時40分ちょい前、順調に定刻通り、北斗星4号は洞爺駅を出発した。

(東京までの 残り時間 約14時間弱)




【冒頭にあたり、管理人注記】


この物語は1話完結の様に見えて そうでは無い部分があります。

(たぶん…、きっと… あ・あるハズです。^^;)


なので、途中から読み始めた方は どうか


   ・第1話『短小説「北斗星」


   ・前 回『短小説「北斗星」 7


上記URLを御参考に、御一読願います。






【今日のウンチク】


私は 「易者の様な診断しか下さない2代目開業医」や「もの凄く気の弱い弁護士」と彼らの行きつけのクラブで彼らと遊ぶ事があるが、その時の定番のひとつには


「香水当てゲーム」


と、称して 席に来る女の子達をクンクンし、その子がつけている香水を当てるものがある。


バブル期以降、諸外国のいろんな香水が簡単に手に入るようになったから、女の子達のつける香水も多種多様である。


しかも、香水は その香水自体の「香り」と その女の子自身が発する体臭や、服に付いた残り香など いろんな匂いがブレンドされるから、同じ香水をつけても それぞれの女の子の香りは微妙に違いが出る。


そして、それが その女の子とマッチするか否かも左右するのだが…


最近は、がむしゃらにつけまくっている女性や 右手と左手 それぞれに別々の香水をつける者など、用途と手法を完全に逸脱し、本来で有れば 便所の芳香剤と一緒で 

「とりあえず、そこにいてくれれば良い香り…」

で、済むはずなのに、

「御願いだから どっか、遠くに行って下さい」

そう頼みたくなる女性が多い。


「シャネルの5番を着て寝るわ」


マリリン・モンローの その名言で一躍、脚光を浴びたシャネルNo.5だが、この香水は 実は日本で言えば「昭和」の前、「大正」時代の末期に製品として開発され、販売されていた物だと言う事は あまり知られていない。


この香水が画期的で、しかも現在に至るまで安定した人気を誇るのは、この香水が発表されるまでは香水の原料は天然の香料だったのだが、人工香料をブレンドして常に同じ香りのする「香水」としてのブランドを作ろうと考えたココ・シャネルが ロシアの科学者で調香師だった人物に試作を依頼し、その時の試作「No.5」が そのまま商品名になったのが 今日の「シャネルの5番」。


まぁ、私が そんなウンチク・オヤジぶりを発揮している横で 二代目は「君の香水はミツコかな? あ、君はブルガリだね…」と警察犬並の嗅覚を発揮し、気の弱い弁護士は「よぉし、これから 夜の19番ホールでクラブ振っちゃうぞ!!」と香水とは何も関係の無い話を…


あ、これはどうでもいいや…^^;







【今日のウンチク2】


「あずましい」という言葉は北海道の方言である。


意味としては多様で


  ・「調和を保つ」

  ・「あるべきところに ある事」

  ・「一般的」

  ・「常識的」

  ・「落ち着く」


そんな感じの意味なのだが、この言葉の変わっているところは 基本的に「あずましい」とは使わずに「あずましくない」と使う事が殆どで


「アイツだら、まず あずましく無ぇ野郎だもな」

(訳:彼は とても協調性が欠ける人ですね)


という風に


  ・「単独行動を非難する。」

  ・「協調性の無さを指摘する。」


という場合の他に


「こったらとこに”スコップ”置いといたら あずましく無ぇべや」

(訳:こんなとこにスコップを置いておいたらダメだよ)


  ・「置くべきところに 置く事」


という風や


「高校生だのに そんな派手な服を着たら あずましく無いっしょ」

(訳:高校生が そんな派手な服着ても 似合いません)


「休みの日だからって 家にいたら あずましく無いもな」

(訳:休みのに日家にいても 落ち着かないんです)


と言う風に


  ・「一般的じゃない」

  ・「常識的とは言えない」

  ・「落ち着かない」


という用い方をする。


つまり、何かを否定・批判する場合に「あずましくない」と使用する事が殆どなのである。


が、希に


「いやぁ~ 今日だら天気も良くて あずましいもねぇ…」

(訳:今日は 本当に良い天気で 楽しいですね。)


と、挨拶代わりに使う人がおり、この使い方も決して間違いでは無いという事も添えておく。







パンドラの「残り香」がせつなく目にしみた。(ToT)


コンパートメントから通路に出ると 噴火湾沿いを南下する通路側の窓の外には 遠くの沖合でイカ釣り漁をしている漁り火がポツポツと見える。


私はポケットからタバコを取り出し、抜き出した一本に火をつけて 窓の下にはめ込みになっている簡易座席を取り出して座り、景色とタバコを味わった。


こういう時の臭い消しと気分転換には タバコは最良のグッズである。(ToT)


幼い頃、母方の祖母の家に遊びに行くと だだっ広い畑の向こうに線路が横切っていて そこには農道と踏切があった。


カンカンカンカンカン…


何故か 私は踏切の警報音が大好きで、通過していく汽車を眺めながら その音を聞いていたものだ。


その時、横切っていく列車の窓には 独り旅風のオニィサンや、楽しげな家族の姿や、おそらく行商をしているであろうオバサンの姿を見る事が出来たものだ。


今、私は逆に汽車の中におり、通路に座ってタバコを吸っている。


こんな私の姿を 外から昔の私の様に眺めている子供がいるのかもしれない…


そして、その子には 私が吸い込む時に赤く輝くタバコの火が


「なんか蛍みたい…」


そんな風に見えるのだろうなぁ…




そんな妄想に包まれていたら


「あぁ、俺ってば なんて、ロマンチストなんだ…」


と、悦にいる。


しかし、そんな幻想も 呆気なく終焉となる。




「あれ? どうしたの? そんなところで?

 タバコなら中で吸えばいっしょ(いいでしょ)

 そんなとこで吸ってたら あずましくないもね
【注1】:【今日のウンチク2】を参照

 あ~ もしかして、さっきの臭かった?

 御免ねぇ…

 このところずっと便秘だったのよぉ…

 それが、一気にブワッと…


 いや、もう 出るわ出るわで…

 あれね、きっと「ほっきめし」が良かったのね

 これからはアレだわ、便秘には「ほっきめし」ね

 もう、スッキリって感じで お腹空いちゃった~って感じ」


トイレから戻ってきたパンドラは また別人になっていた。(ToT)


しかも、私がさっき無念にも散っていった「ほっき」達を弔ったばかりなのに、この馬鹿女は…(ToT)


噛み締めて味合われる事無く、ましてや 消化もしてもらえずに散らされるとは…


ホッキ達よ スマン!!


俺が… この俺が自ら食ってやるんだった… orz


しかし、時既に遅し…である。


ホッキの無念と 私の涙は この虻田町の線路に上に置いておこう

(だから、その後、有珠山が噴火した… というツッコミは無しの方向で^^;)


コンパートメントに入ると パンドラは残っていた5本目の缶ビールをプシュッと開け グビッと飲み、ベッドに腰を下ろすと 彼女もバッグからタバコを出して吸い始めた。


一息、グッと吸い込んで 口笛を吹くような顔で 細い糸の様に煙を噴く。


左手で髪を掻き上げながら 脚を組み、頬杖をつく。


仕草といい、ポーズといい「モデルか?」と思うほど決まってる… スウェット姿以外は(ToT)


「なんかさ…

 つい、旅に出たくなっちゃったよのねぇ…


 で、旅に出るなら”寝台車” そう思ったのよねぇ…


 貴方、最初に私に言ったじゃない?


 ”失恋でもした?”って(第1話『短小説「北斗星」』参照)


 もう、ドキッ!!としちゃった…


 貴方が宜保愛子かと思っちゃった。

 (当時、細木数子は まだ著名じゃ無かった)


 失恋ってわけじゃないのね…

 なんか、”愛”とか”恋”とか 馬鹿馬鹿しくなっちゃって…

 百年の恋が醒める… そういう表現があるじゃない?

 まさに、私が そう…」


どうやら、パンドラは 便秘が解消してスッキリしたせいか ちょっとまともな女らしい事を言い出した。


「私ね… 高校生の時に担任だった先生が大好きだったんだ…


 今じゃ死語だけど、ロマンスグレーが とても似合ってて渋くて…

 でも、先生と私じゃ25も歳が離れてて…


 先生には奥さんもいたし…

 でも、不倫でも私は構わない… なんて思ってて…


 二人の間に結婚関係は無くても、

 ほんのちょっと 先生の心の中に私を想う気持ちがあれば…

 そんなのも”幸せ”かな?…なんて思ったりして…」


パンドラは語る。


真面目な話の様なので つい、私も話しに引き込まれる。


「で? その先生とは今でも付き合ってるの?」


パンドラは ちょっと寂しそうに笑って「うぅん…」と首を振る。


「先生ね、私が3年生になって間もなく 学校を辞めたの」


「え? どうして?」


「他のクラスの女の子に手を出したのがバレて離婚騒ぎになって…」

( なんだそりゃ? 他の子を想ちゃってんじゃん > パンドラ )


「私、後悔したんだ…」


「そりゃ、するかもね。^^;」

( というか、そういう問題なのか? > パンドラ )


「だってさ、その他のクラスの子よりも先に 私が先生と付き合ってれば

 そんな騒ぎになる前に ちゃんと私が身を引いて責任取ってあげたのに…」って

( ホントに そういう問題か? > パンドラ )


「駄目な女よねぇ… アタシって

 先生の人生を台無しにしちゃったんだもんね。」

( オマエには全く関係無い!! > パンドラ )


「私って変かな?」

( あ~ 激しくウンウン”変”って頷きたい!! > 俺 )


「どうなんだろね」

( 表向き、格好をつける > 俺(ToT) )


「私の言ってる事 クサイ?」

( クサイんじゃなくて ”変” > パンドラ )


「いや、そういうのも ひとつの考え… かな?」

( まだ、格好をつける > 俺 )


「クサクない?」


「いや、クサイ台詞と言うよりも…」


「いや、だから、臭くない? つい、力んだ話してたら…




     スカしちゃった… テヘッ。」




確かに、そう言われてみれば 懐かしい異臭がほんわかと… orz




「ゴメンネ、なんか お通じが良くなったみたい」

(よく、タバコの火に引火しなかったな? > パンドラ )




ガス警報の様に、人を小馬鹿にした様なオルゴール音が響き 間の抜けた車掌のアナウンスが聞こえる。


「後5分で 長万部に到着です。

 お降りのお客様はお忘れ物の無い様に…

 長万部には2分間の停車です」




現在 22時ちょい過ぎ(東京までの 残り 約13時間ちょっと)



      To be continued …  ( 本当に続いた方が良いですか? ^^;)


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

こんにちは。
なんだか、パンドラさんは、女としていろんなものを捨て去ってしまった、ある意味最強の女性になってきたなあ・・・と思いました。
一体、この物語の着地点はどこ?

で、質問。
>「夜の19番ホールでクラブ振っちゃうぞ!!」
これ、なんて意味ですか?
事細かに解説するのに差しさわりがあるのであれば、放置の方向でお願いします^^;

★ しき さん

>なんだか、パンドラさんは、女としていろんなものを捨て去ってしまった、ある意味最強の女性になってきたなあ・・・と思いました。


人間、誰しもいろんなものを取捨選択して生きていくのではないでしょうか? ところが、意識して取捨選択したのでは無く、無意識で取捨選択している事の方が多いのでは?とも。

私はオッサンの視点で その辺を ほんのちょっとだけ、女性に対して問うてみたい…

と、雑誌のインタビューだったら カッコつけて応えるところですね。^^


>一体、この物語の着地点はどこ?

それ、ここで言ったらオシマイです。^^;


>これ、なんて意味ですか?

御想像にお任せします。^^

こんばんは。
>私はオッサンの視点で その辺を ほんのちょっとだけ、女性に対して問うてみたい…

・・・とありますので、ネタフリ?と解釈し、少しだけお答えします。

>意識して取捨選択したのでは無く、無意識で取捨選択している事の方が多いのでは?

無意識の上での取捨選択・・・、それはその人の生き方に影響を及ぼされるものと思います。それは男女問わず。

ずっと上しか見てこないで生きてきた人間が、状況的に下向きに生きたほうが後々特になるのに、その選択肢は目に入らずに、ただ高みを目指して上り続けてしまうかのような。

で、パンドラさんの話。完全に私の予想の話なので、削除しても結構なのですが、彼女は男性慣れしてなくて、必要以上におちゃらけて振舞うタイプなのかな、と思えたわけです。
初対面の男性相手に不必要に饒舌になる、大酒を飲む、おならをするなどなどの行動から。それが傍目には羞恥心かなぐり捨てたように映る、みたいな・・・。
彼女のその行動で、少なくとも男性からは「気の置けないやつ」みたいに見られ、不必要な異性からの執着からは身を守れることになる・・・はず。
で、逆に女性としての万人に通じる引力(フェロモンに置き換えても良い)は、失ってしまったのかな?と。

男と女の恋愛感情は、引力に左右されるものだと私は思います。
「顔がいいから」「地位や名誉があるから」「資産があるから」、そういう"条件゛のように、明確に説明できない魅力のようなもの。

万人に通じる引力を持つ人もいるとは思いますが、逆に基質特異性的に特定の誰かにしかはたらかない引力を持つ人もいます。そしてそういう特定の人間にしかはたらかない引力は、それにひきつけられた人間を放さない絶対的な力を持っているのだとも。

もしかしたらパンドラさんも、特定の誰かの前で、強烈な引力を発揮するタイプなのかもしれませんね。

・・・な~んて。なんか、着地点が違う答えになってしまったかのような・・・。お目汚しです、すみません^^;

★ しき さん

ネタフリのつもりは無かったんですが…^^;

お話は非常に興味深い^^

>無意識の上での取捨選択・・・、それはその人の生き方に影響を及ぼされるものと思います。それは男女問わず。


仰るとおりだと思います。

本当は真面目にレスをしたいのだけど、それは書き終えてからにさせてください。^^;

前回のお尋ね、そして今回のお尋ねに私が真摯に応えてしまうと この物語は 下手するとそこで終わってしまうかもしれないし、ネタバレして 何の意味も無いものになるかもしれません。

もしかしたら、ネタバレにはならないかもしれないし、そんな事とは関係無しに破綻するかもしれないませんが^^;

なので、内容に関する話はノーコメントです^^
(すいません^^;)

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