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2006年03月30日

● 短小説「北斗星」 4


20時22分、若干、定刻より遅れて 北斗星4号は苫小牧駅を後にした。

(東京までの 残り時間 約15時間)




【冒頭にあたり、管理人注記】


この物語は1話完結の様に見えて そうでは無い部分があります。

(たぶん…、きっと… あ・あるハズです。^^;)


なので、途中から読み始めた方は どうか


   ・『短小説「北斗星」


   ・『短小説「北斗星」 2


   ・『短小説「北斗星」 3


   ・『短小説「北斗星」 4


を、御一読願います。




私は 千円札と五千円札を間違えて渡してしまった己の愚かさに足取り重く 車両の中をひたすら自分の席を目指して歩いていた。


でも、ふと思った。


「時速何キロで この「北斗星」が走っているのか知らないが、

 走っている列車の中で歩いている俺は

 この列車の速度+俺の歩行速度で北海道の上を移動している事になる…

 という事は 普通じゃ味わえない「歩く速度」で移動しているわけだ…」と。


寝台車というのは基本的に車体の片側寄りに通路があり、大きな窓が並んでいる。


画像


だから、窓の外を見ながら 前へと進んでいくと列車の速度+自分の歩行速度のスピードで風景が流れていく… と、言いたいところなのだが 苫小牧市街を出ると線路の横を国道が並行して走っているだけで、その向こうは太平洋 民家などは殆どなく、時々 街路灯が流れていくだけみたいなもので その街路灯ぐらいでしか速度感を味わえないのだ。

(当たり前だよね、夜の八時半近くの時間なんだから 外は真っ暗…(ToT))


結局、見えるのは 車内の灯りに反射して鏡のようになった窓ガラスに映った アホ面して横向いて 競歩のようにギクシャク歩く私… orz


だから、自分の席に ようやく辿り着いた時には 物凄く、精神的に凹んでいた。


ふと見るとパンドラは いつの間にかスウェット姿に着替えており、下段のベットの上で壁に上半身をもたれかけ、足を真っ直ぐ投げ出した格好で本を読んでいた。


が、奇妙だったのは さっきまで、マシンガン並の連射で喋っていた女なのに、私の方に一度も視線を向けず、一心不乱に本を読んでいて… まるで、別人の様だった。


だが、パンドラと名付けた様に いつ、また喋り出すか判らない(それが怖い^^;)ので 私は「触らぬ神に祟り無し」とばかり 自分の席に座り、いましがた入手した「ほっきめし」を食べる事にしたのだが…


あらためて、「ほっきめし」を手にとってみると「6000円の駅弁か…」という思いが込み上げ また凹む。(ToT)


そんな時である、ふと、「あ、そうだ 無くしちゃマズイ」と駅弁屋から貰った領収書を思い出し、ポケットからそれを取り出して財布に入れておこうと… なんと、貰った領収証をよく見たら


金額欄と日付が白紙!!! … orz (違う意味で)


【今日のウンチク】


税法上は額面3万円未満の領収証では印紙を貼る必要はありません。

しかし、10万円ぐらいまでの金額であれば 仮に印紙が貼り忘れられていても 支払い名目と金額が常識的な範囲内であれば、税務署は あまりシビアにそれを追求せず、その領収証を有効とするケースが殆どです。

(領収金額の納税義務者は 領収証の発行者側ですから)


また、「レシートならあるんだけど、領収証をちゃんときって貰い忘れた…」という場合、支払い名目によってはレシートで充分に通用するケースも多いので「ちゃんとした領収証じゃ無いから…と思って捨てたりしたらダメです。)。


それと、額面が3万円を ちょっとだけ超えた場合、よく間違えるのは印紙税額は税抜き金額で決定するという事。

つまり、税抜き29,000円の場合、消費税額が1,450円なので 支払い合計金額が30,450円となり、

「あ、3万以上だから印紙…」

と、勘違いしてる人が多いけど、税抜き29,000円であれば30,000円未満なので印紙は不要です。(領収書の但し書きとして、消費税1,450円を含む旨を明記していないとダメです)



さて…、


白紙の領収証を手にした私は 思わず、それまでの凹みを取り返す状況にニヤリと笑みがこぼれる。


だって、弁当代は経費として 今回の寝台車乗車を命じた「二代目開業医」に証拠として提出するのであって 税務署に出す訳じゃ無い。


さらに言えば、仮に私が「弁当代は1万だったよ」と言って この領収書を白紙のまま渡せば、二代目は喜んで「2万5千円」ぐらいの数字を書き込む男だから、結果的に皆の幸せに繋がるのだ。


ナイスだ 弁当屋!!!



4000円ぐらいチップで取っとけ!!!

( 急に 太っ腹だ > 俺^^; )


(1万円って事にすれば 俺もタダ飯食った上に4000円の儲けだ…^^)


途端に明るくなって食欲が湧く私。


おもむろに弁当の包みをあけて 割り箸をパチンと割り、まずは一口、お茶をグビッと飲みながら


「さて、どういう味わい方をしてやろうかな…」と、吟味する。


その時だ。


なんか、レーザー・ビームの様な光線で射抜かれた様な嫌な感じが私を襲った。


ふと顔を弁当から上げると 向かいの席で本を読んでたはずのパンドラが 私をジッと見てて… 私と目が合った瞬間に スッとまた持ってる本に視線を移した。


私は何も見なかった事にし、気を取り直すように再び 弁当に箸をつけようと…


その瞬間、再びレーザー・ビームの様な光線で射抜かれた様な嫌な感じが私を襲った。


私は弁当を見つめたまま金縛りの様に動けなくなった。

( どうする? > 俺 )


「ガルルルル……」


低い、ケモノの唸り声が聞こえた。


( ヤベェ… パンドラが肉食動物化してる… )


背中に 冷たい汗が流れた。


「ガルルルル……」


まるで、絶滅したと言われるニホンオオカミが目の前で唸っている様な錯覚に襲われた。


しかし、二度目の唸り声を聞いて その鳴き声の正体が私には判った。






パンドラの腹が鳴ってたのだ!!!




瞬間的に 理解した私は、弁当屋から2個「ほっきめし」を買った事を思い出し、その2個目をそっとパンドラに差し出して


「どう? 良かったら食べない? この弁当、けっこう美味しいよ」


すると、パンドラは本から顔をあげ


「え、でも? 私、あまりお腹空いてないし…」


そう、言い終わらぬうちに


「ガルルルル……」


3度目の鳴き声が聞こえてきた。


私は笑いそうになったが、笑っちゃイケナイと堪えた。


で、普段の私そのままに 渋い声で


「ま、騙されたと思って食べてみなよ」


そう言って差し出すと パンドラは今度は


「そうですか? じゃぁ、御言葉に甘えて…」


と、弁当を受け取り やおら、ガツガツと食べ始めた。


実に、容姿とかけ離れた豪快な喰いっぷりだった。


その姿に呆気にとられる私を正気に戻すかの如く、再び、不意に 人を小馬鹿にした様なオルゴール音が響き 間の抜けた車掌のアナウンスが聞こえる。


「後5分で 登別に到着です。

 お降りのお客様はお忘れ物の無い様に…

 登別には2分間の停車です」


見ると、慌てて かっ喰らったせいか、パンドラが喉を詰まらせた様子。


私は、弁当屋から貰ったお茶を差し出すと パンドラはそれを ひったくるように受け取り クピクピと喉を鳴らせて飲み


「プハ~」


と、大きく呼吸をし、私を見て


「間接キスしちゃった ウフッ」


と、言ってニパッと笑った。


パンドラは 黙って澄ましていると美人なんだが、


笑顔が ブン殴ってやりたくなるぐらいブサイクな女だった。(ToT)




現在 20時50分少し前(東京までの 残り 約14時間半)



      To be continued …  ( きっと続く … かもしれない ^^;)


お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

こんにちは。このシリーズ、どんどん好きになってゆく・・・。

>パンドラは 黙って澄ましていると美人なんだが、


>笑顔が ブン殴ってやりたくなるぐらいブサイクな女だった。(ToT)

ここで爆笑、どんだけ珍しいタイプなんですか!

しかし寝台列車、ノスタルジックでいいですね。私は北斗星に乗ったことはないですが、急行はまなすになら乗ったことがあります。
小さな頃から、寝台列車に乗ってしまうと、わくわくしちゃって寝れない(寝台列車なのに・・・)、そしてぼーっと外の流れる景色を見る(冬だとより嬉しい)。
でも青函トンネルあたりは爆睡ですが^^; 

あ、ちなみに、濡れ場は期待していませんので大丈夫ですよ(何が?)
ビシバシ書いていってくださいね。

僕はパンドラさんのように「ぷは~!」っていって
美味しそうに飲む女性って結構好きですよ。
ちなみにぶん殴ってやりたいくらいの笑顔ってどんなんだろう^^

そして白紙領収書に狂喜乱舞し投票を誘導する
そんなブタネコさんの極悪ぶり(?)が大好きですよ♪

P.S.投票させていただきました^^v

もう一つの弁当はパンドラへ渡ったんですね。3を読んだ後、ブタネコさんが二つ食べられるのかな、なんて勝手に想像してしまいました(笑)
「笑顔が不細工・・・」でしめてあると益々続きが気になります。

★ しき さん

>どんだけ珍しいタイプなんですか!

あれ? いませんか?

私の知り合いには ま、絶対数は少ないけどいますよ そういう女性。

笑った途端に百年の恋も醒める様なひと。

>小さな頃から、寝台列車に乗ってしまうと、わくわくしちゃって寝れない(寝台列車なのに・・・)、そしてぼーっと外の流れる景色を見る(冬だとより嬉しい)。


そうそう、それが基本です^^


★ うんぼぼ さん

>そんなブタネコさんの極悪ぶり(?)が大好きですよ♪


御声援ありがとうございます。^^


★ 亀 さん


>「笑顔が不細工・・・」でしめてあると益々続きが気になります。


安心してください^^

もうすぐ、この物語は破綻します(拓銀みたいに(ToT))

 

【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。