● ブタネコの「駅弁」
今回は ちと駅弁についてブタネコ的好き勝手なウンチクを語ってみたい。^^
今まで、いろんな旅について語ってきたが 旅の醍醐味のひとつは『駅弁』であると私は確信する。
昔の、列車の旅という物は今に比べてスピードが遅かったから、長距離を移動しようと思うと 必ずと言っていいほど車内で1食必要だった。
今は技術の進歩のおかげで2時間ちょいとで東京から仙台に行けたり、名古屋に行けたり出来るから 車内でわざわざ食べなくても…という雰囲気があったりする。
そのせいか、元々 熾烈な弁当業界にあって「こりゃ美味い」と思った弁当でも採算性が悪かったりで ひとつずつ姿を消しているのを知るとファンにとってはたまらなく寂しいものだったりする。
「さぁ、これから特急に乗らなくちゃ…」
少なくとも1時間以上の距離を乗車する場合 私は、絶対に駅弁をひとつ買う。
それは、北海道暮らしの昔の習慣かもしれないが 特に冬の場合、昔は 突然の大雪で数時間、立ち往生…という事が しばしば起きたから、「食料の確保」という事が身に付いているせいだと言われれば それまでではある。
しかしながら、それだけの理由じゃ無く 車窓から過ぎ去る景色を眺めつつ食べる弁当は どんなに冷えてても美味いからなのだ。
なので、ホームの弁当売り(最近、見かけなくなったが^^;)もしくはキヨスクなを必ず覗き、その地の特産風の弁当をまず優先に「これは」というのが無ければ「幕の内」という感じで必ず買い、「カレー弁当」とか「うなぎ弁当」なんて どこでも食えるような弁当しか無ければ 違う売り場に移動してでもそんなものは買わない。^^;
一般的に駅弁と言えば もっともポピュラーなのは「幕の内弁当」の形式のもので 幕の内弁当は ほぼ、日本全国 中味の具が多少変われど、どこにもある。


(イメージ画像です)
このような形式の物で 語源辞典によると
「幕の内弁当とは 江戸時代の芝居見物の際に、ひとつの芝居が終わり、次の芝居が始まるまでの幕の合間に食べる弁当…」
というのが事の始まりで、
「胡麻をかけた俵型の握り飯と 玉子焼き、蒲鉾、焼き魚等が入り…」
というのが基本形なのだそうだ。
で、私の様な偏屈なこだわり派にとって この「幕の内弁当」というのは 非常に食事を楽しめる弁当なのである。
それは基本的に 幕の内弁当は一般成人男性の 通常の食事量で考えた場合、
御飯が少ない (ToT)
しかし、それに対して煮物や焼き魚は基本的に味が濃い。
つまり、おかずと御飯の比率を うまく配分する必要が有る…という事。^^;
まず、どのオカズをどれだけ囓り、その後 御飯をどれだけ口に運ぶか…
玉子焼きと蒲鉾は 何時、どのタイミングで食べるか…
ついている「醤油」や「ソース」を どういう配分でオカズにかけるか…
何も考えない人には 実にバカバカしい話に聞こえるだろうけど、弁当を開いたら すぐ箸をつけるがっつく様に食べるのでは無く、一通り 具や配分を見回しながら検討する間… その間がなんとも言えないゾクゾクするような瞬間なのである。^^;
最近は、
「俺、しいたけ大嫌いなんだよ」
とか、
「魚って骨あるから嫌い」
なんて 平気で口にする甘やかされたガキが多く
「幕の内弁当って 嫌いなモノがいくつも入ってるから嫌なんだよね」
なんて語る輩は 幕の内弁当を嫌う前に オマエが世の中から嫌われてしまえ!!と言ってみたい(私としては)
幕の内弁当は 列車の旅を盛り上げるアイテムであり、ひとたび箸を握って食べ始める時には その弁当を作った料理人との闘いでもあるのだ。
さて、ある時の事。
見るからに「成金(死語ですか?)夫婦」と、たまたま隣り合わせに乗車した時の事である。
私が 真剣に駅弁と格闘していたのを横目で見ながら
「どうせ、幕の内をいただくのなら、”松花堂”頂きたいわね」
と、聞こえよがしに言われた事がある。
「オイ、ババァ 俺の駅弁にケチつけるのか? コノヤロウ」
等と 私は言わない。
しかし、聞こえなかったフリが出来る程 大人でも無い。^^;
「オバチャン 松花堂の幕の内って そんなに美味しいの?」
あえて、モノを知らないフリして聴いてみると
「松花堂が最高ね、そう 日本橋の三越のが…」
と、得意そうに語りだした…(思うツボである^^;)
ある程度、好きに喋らせておき タイミングを見計らって
「オイ、そこの成金の成り損ない夫婦、
人に偉そうに語る時は学問を身につけてから語れよ」
と、まず一喝し
「松花堂ってのはな…」
と、ウンチクを語る。
つまり、こうだ…
江戸時代の初め頃、京都の岩清水八幡宮に「松花堂昭乗」という人物がいて その人が農家が「種入れ」に使っていた木箱を 小物入れにして愛用していたのを 茶会の席で、料亭「吉兆」の その時の主人が見かけ、
「こういう箱に会席料理を入れて 略式の弁当を作ったら茶の席が楽しくなる…」
と発案し、頼み込んで その木箱を貰い受け、工夫を凝らして作ったのが 事の始めなのである。
だから、松花堂弁当と言うのは

このように 蓋付で 中が「田」の字に仕切られた器を使うのが決まりで

このような盛りつけとなる。
しかも、松花堂弁当の場合は 田の字の仕切りの理由のひとつに その一角に大きさを合わせた瀬戸物を使う事により、多少の汁物でも盛りつけが出来る様にされた事で 駅弁の様な持ち運びを考えたわけじゃ無い。
と言うか、根本的に「松花堂弁当」と「幕の内弁当」は別物で 気位の高い茶人なんかに聞かれたら「一緒にするな」と怒られかねない話なのである。
だから、
「モノの本質を知りもしないで 人の弁当にケチつけてる暇があったら、
家に帰って あぶく銭の有効的利用法でも研究してろ ボケ」
と、優しく説明してあげた次第だ。^^;
ま、そんな話は ともかく…
私の記憶に残る駅弁を いくつか挙げると

言わずと知れた「峠の釜飯」
この器を捨てずに 小物入れや、鉢植え等に使えるので 私は必ず持ち帰る。

富山の「ます寿司」

松山の「醤油めし」

宮古の「いちご弁当」
それと、駅弁ではなく 空港で売っているから「空弁」と言うらしいのだが…^^;

千歳空港の「うに弁当」
と、

千歳空港の「生ハムにぎり鮨」
で、最近 私は千歳空港に行っていないので 確認をしてないが、「うに弁当」は主にANA側寄りの売店、「生ハムにぎり鮨」はJAL側寄りの売店で売っており ANAしか乗らない私の様な物には つい、最近まで「生ハムにぎり鮨」なんてものがあるなんて知らなかった。^^;
もし、近くのデパートで「駅弁大会」が催された時に 上記弁当を見つけたらお試しになる事をお奨めする。^^
尚、本文中に使用した画像は イメージ画像として適当に頂戴してきたものなので悪しからず。^^;


