● 夜歩く (古谷版)
古谷一行が金田一耕助を演じた78年版「夜歩く」を語ってみる。
この作品も 一般的には知名度は低いが 横溝マニアの間では評価の高い作品である。
さて、TV版の古谷一行のシリーズは 基本的に原作には忠実な制作がなされてきたのだが この作品は随分と原作とは構成が代えられている。
TV版の物語は
金田一耕助が戦争に従軍中 命を助けて貰った戦友(谷隼人)の消息を
個人的に日和警部が調べてくれて 金田一が その人物を訪ねた先が
古神家という家だった… という具合に始まる。^^;
登場人物を羅列すると…
岸田森
伊藤雄之助
南風洋子
范文雀
以前、別の横溝作品を語った時に述べたが、残念な事に映像化における「放送コード」の余波が この作品にも悪影響を与えているとは思うが…
この作品の手の加えられ方は そんな範疇では無い。
と言うのも「夜歩く」という作品は おどろおどろしい横溝作品の中でも怖さの点では屈指の作品なのだが、このTV版は全然怖くない。^^;
唯一、納得出来る点は「范文雀」が演じた「八千代」のみ。^^;
さて、久しぶりに「夜歩く」の原作を再読してみたのだが…
この原作のモチーフに「夢遊病」がある。
で、ふと思ったのだが 最近、私の周囲だけかもしれないが「夢遊病」の人の話を全く聞かないなぁ…と。
この原作を読んだ頃は これまた私の周囲だけかもしれないが、案外、「あの人夢遊病なんだよ」って人が近所にいたもんだ。
例えば、部活の早朝練習に行こうと まだ、夜も明けぬうちに自宅を出て学校へと歩いていくと 電信柱にもたれかかってボーッとしているパジャマ姿の人がいる。
何気に見ると 近所の さほど親しくはないが顔見知りのオバサンで、顔見知りである以上
「おはようございます」
と、挨拶したのだが、ボーッと正面を見据えたまま こちらを見る事も無く、当然、返辞もしてくれない。
ところが、晩になって部活を終えて帰宅しようと歩いていると エプロン姿で近所に出かけていた風の その同じオバサンに会い、夜だから
「お晩です」
と、挨拶したら 今度は陽気に
「あら? こんな時間まで学校? 大変ねぇ」
と、実に屈託が無い。
そう、まるで別人なのである。^^;
帰宅して その事をオフクロに話すと、しばし考え込んだ後…
「なんかねぇ… あの奥さん”夢遊病”らしくて 時々、夜中に この辺をフラーッと歩き回っているらしいの で、そんな時 自分が何してるか覚えてないらしんだわ、だから 夜とか朝に会った時、別人みたいになってる時は気を付けないと駄目よ」
なんて言われたものだ。
まぁ、「夢遊病」がどういうものか 未だに私には定かでは無いが、考えてみれば 当時は24時間営業の店なんて 郊外のドライブインぐらいのもので、コンビニもファミレスも無かった時代で、夜中になれば夜の仕事の人以外 とっとと皆が寝てたわけで…
今の私みたいに 何時寝て、何時起きてるのか判らない様な輩が巷に氾濫し、学生が午前二時や三時迄 カラオケボックスだファミレスだと起きて遊び歩き、何かに疲れて生気の無い表情で歩く人も多いから、言っちゃぁ悪いが ただ起きてるだけで、「夢遊病」同然とも言えそうな人が一杯いる。^^;
そう思ったら、古来の言い回しで
「草木も眠る丑三つ時」
という表現は 昔ながらの怪談の語り口なのであるが…
「丑三つ時」は みんな寝ちゃって人気が無いから、オバケが出るし怖いのである。^^
現代のように「丑三つ時」でも平気で起きてて 私みたいにブログで好き勝手をほざいてる奴が増えれば なかなかオバケも出るタイミングを逃して口惜しい思いをしているのだろうなぁ…
そう思ったらオバケに申し訳無いんで、この記事もこの辺にして寝るとする。^^
