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2006年03月09日

● 犬神家の一族(古谷版)


とうとう、古谷一行が初めて金田一耕助を演じた77年版『犬神家の一族』を入手したので語ってみる。^^;




犬神家の一族

犬神家の一族


主な出演者


犬神家の一族
犬神松子(長女):京マチ子



犬神家の一族
犬神竹子(二女):月丘夢路


犬神家の一族
竹子の亭主


犬神家の一族
竹子の息子:佐武


犬神家の一族
竹子の娘:小夜子



犬神家の一族
犬神梅子(三女):小山明子、


犬神家の一族
梅子の亭主


犬神家の一族
梅子の息子:佐智


犬神家の一族
野々宮珠世:四季乃花恵


犬神家の一族
犬神佐清(松子の息子)



犬神家の一族
古館弁護士:西村晃


犬神家の一族
那須警察署長 橘:ハナ肇


その他、野村昭子、田村亮、成瀬正、岡田英次、など




1976年に角川書店の一大キャンペーンとして始まった横溝正史フェアの第1作映画『犬神家の一族』が公開され、想像以上のブームに TV版の「横溝正史シリーズ」が制作された。


今では当たり前となった「売れている原作を映像化する 無難な営業戦略」を確立させたのが この時の角川書店を継いで間もない角川春樹だったと言って良いだろう。


そのTV版の金田一耕助に抜擢されたのが それまで、さほど知名度の高くなかった


犬神家の一族

犬神家の一族

古谷一行だったが、この古谷金田一は なかなか好評で 古谷の出世作となる。


で、TV版の第1作も映画を意識したのか この『犬神家の一族』である。


映像は 1時間枠x6回の全6話 映画の倍以上の映像時間があるため、濃度は映画よりも高い。


しかし、私は個人的な好き嫌いも多分に含まれていると自覚した上で 市川崑監督の映画版:石坂金田一に軍配を挙げる。


と言うのは、私の個人的見解には 日本の映画やTVは古来より(現在でも) なにかの作品を映像化する際に その作品に登場するキャラクターをキャスティングする際、本当に その脚本のキャラクターに合った役者を選んでいるのか?と 非常に疑問を抱く事が多すぎる。


おそらく、キャラに合うか否かでは無く、人気のある役者を揃えれば(スキャンダルなどで話題性のある役者でも意味は同じ) それなりに客を呼べて興行収入(視聴率)が稼げる…等という愚かな机上の計算に走りたがるクソ・プロデューサーが多いからだと推察される。


ゆえに、人気がある=ギャラが高い…という事もあって 制作費の大半がギャラで消え、舞台装置や背景考証はおざなりになり、結果的には ギャラが高くて人気のあるはずの役者が設定のキャラと合わずに駄作となり、背景や考証の拙さもその足をさらに引っ張り、多くの芸術家気取りのバカ監督(演出家)は 観客(視聴者)が この作品の良さを理解しきれないほど日本の程度が低い…等と 己の無能さを責任転嫁してきたのだ。


だから、映画版に比べて このTV版は役者への予算が見た感じ、低く 華やかさは薄いけど脇の役者達は 非常に良い味を出していて、それには物凄く制作者達に私は好感を抱くのだが、残念なのは 珠世役の四季乃花恵だけは 最悪だったと言い切りたい。


犬神家の一族


おそらく、宝塚を引退したてで話題性もあって…という意図だったのだろうと推察するが、この女優さんは 名前の文字ほど華が無い。^^;


映画版の島田陽子は 当時、まだバブルがはじけておらず、今日 世に知られている様な醜聞は この頃はまだ流れてなかったから、充分に珠世として受け入れる事が出来たので、どうしても 珠世の差が評価の差の大きな理由と 私の場合はなってしまう。


さて、「犬神家の一族」は


犬神家の一族


 一代で巨万の富を築いた犬神佐兵衛という爺ぃが 


犬神家の一族

犬神家の一族

とんでも無い遺言状を遺した事から、相続財産を目的に骨肉の殺人が行われる…というのが 大抵のところで述べられる「あらすじ」である。


まぁ、確かに それは間違いでは無い。^^;


しかし、私に言わせれば 充分な「あらすじ」では無い。


兄弟、親子、親戚が入り乱れて財産争い…と、聞けば 誰もがドロドロとした争いを思い浮かべ眉をひそめる。


しかも、そういう話の結末は ほぼ全部が とても後味が悪く、犯人は鬼畜そのものとして描かれる。


でもね、横溝正史は違うのだ。


読後、下手すると 泣けるのだ。


なんて言えば良いか… そこが美味く説明できないから 知らない人達には その辺の一山いくらの作家達と同列に語れてしまうのが 私には実に口惜しい。


この『犬神家の一族』も ラストは非常に感慨深く、私風に言えば 少なくともタバコを一本分 じっくりと時間をかけて深く吸い込み 読後の余韻を楽しみたい… そんな気分だった。


今度、この作品はリメイクされ、市川崑が再びメガホンをとり、石坂浩二が金田一を演じ、珠世役は松嶋菜々子が演じるという。


松嶋ならば…と期待する反面、じゃぁ… 誰が佐清なんだ? そこが気になって仕方が無い。


正直言うと、佐清は招集されて戦地に行き、戦後2年を経て復員してきた設定である。


年齢的には せいぜい20代半ば、いっても20代後半である。


珠世は その佐清を「兄」と慕う妹の様な存在だから 当然、歳下。


ちょっと 松嶋では… とは言え、石坂:金田一を考えると いっそのこと全体の年齢設定を上げるのもアリだよな…


横溝オタクとしては このところ、そんな妄想を楽しむ毎日なのである。^^;




さて、私は 先日… 『黒猫亭事件(古谷版)』という記事の中で



犬神家の一族

太地喜和子が出演しているが…


私は この女優さんの日本髪姿を見ると


画像

【犬神家の一族】


この表紙絵の女性とダブって映る。




と、記したが 実は 太地喜和子と甲乙付けがたい存在なのが この作品で松子を演じた


犬神家の一族

犬神家の一族

この京マチ子であると申し上げて この記事の筆を置く。^^



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コメント

迫力ある三姉妹ですね。
古谷・金田一が初々しいだけに、一層スゴミが感じられます。

>その作品に登場するキャラクターをキャスティングする際、本当に その脚本のキャラクターに合った役者を選んでいるのか?と 非常に疑問を抱く事が多すぎる。

豪華キャストを揃えて話題を呼んでおいて出来上がった作品が、なんじゃこりゃ、というのは まったく情けないというか、愚かしいことですよね。

ギャラで作品の質を落とすなんて愚をやめて、無名の新人を発掘するくらいの意気込みで作ってほしいものです。

私は、自分が読んだことのある原作が映画やドラマになる場合、観たいのは原作で生きていたキャラクターであって、実生活で有名な俳優・女優の顔ではありません。

これまで観たことのない役者さんでも原作の雰囲気を壊さないでいてくれたらそれでいいんです。

私は四季乃花恵という女優は知りませんでしたが、この77年版『犬神家の一族』の珠世は、画像で拝見した限りでも、線の細さばかりが目立つようで、ちょっと原作のイメージとは かけ離れている感じですね。

絶世の美女、戦慄するほどの美しさ、と、まあ、そんな この世のものとも思えない美人なんですから探すのも難しいでしょうが・・・

松嶋菜々子も、個人的にはどうも戦慄的な美人というより、健康的で おきゃんなイメージが強いのですが、そのぶん珠世の気丈な面は うまく出してくれるのではないかと、市川監督がどう料理するのか楽しみなところです。

横溝正史という人は女の情念というものを描くのに長けた作家です。

『悪魔の手毬唄』でも母親の哀しみを切なく描き上げていましたが、『犬神家の一族』では、その同じ母心の哀しさを「手毬唄」とはまた違った、壮絶かつ陰惨な色に染め上げたところが見事だったと思います。

左兵衛も左兵衛なんですが、菊乃母子に まつわる一連の過去が明かされるくだりは、女って怖い、女って哀しい、そう思わずにいられませんでした。

骨肉の遺産争いという、ある意味ありふれた題材にあれほどの迫真性と説得力を持たせることができたのは、横溝が母親の心理というものをよく解っていたからで、引いては女の凄まじいまでの情念、執念を巧みに描ききったからに ほかならないと思います。

しかも きちんと道理を通す。
勧善懲悪などという言い方は ふさわしくありませんが、横溝は落とし前のつけ方を心得ているんですね。
だからよけい情感に訴えてくるのだと思います。

名作と呼ばれている長篇いずれも、横溝は決して犯人を突き放したような描き方をしていない。

区切りのつけ方に、作者ならではの愛がある。
そこが横溝作品の魅力の一つでもあると思います。
『犬神家の一族』のラストも、そういった意味で印象深く、余韻を残すものとなっていました。

佐清の仮面、能面のような凝った作りですね。原作では、
「かつての佐清の顔をそのままにうつしたといわれるあの仮面はたとえようもなく美しい。」
という描写もありましたので、感じ出ているのではないでしょうか。

それにつけても、佐清の白いゴムの仮面にはどうしても『鬼火』の万造が重なってしまいます(笑)

ところで今度の新作「犬神家」、佐清が誰になるのかも気になりますが、やはり犬神三姉妹のキャスティングにも注目したいです。
あの貫禄ある肝っ玉母さんを演じることのできる女優さんて、今いるかしら。誰になるんだろう。

>石坂:金田一を考えると いっそのこと全体の年齢設定を上げるのもアリだよな…
 そうなんですよね。私もそれを考えてました。石坂・金田一、松嶋・珠世とくると、そうならざるをえないんじゃないかなと(^^;)

京マチ子も雰囲気ありますね。キセル姿もお似合いで。
今度の松子がひじょーに気になります。

★ HAZUKI さん

>四季乃花恵

どうも宝塚出ということで絶世の美女に適役…と安易に決めた感が否めません。^^;

暗さばかりが目立って、目を惹く魅力が薄かったです。^^;


>母心の哀しさを「手毬唄」とはまた違った、壮絶かつ陰惨な色に染め上げたところが見事だったと思います。

たしかに そうですね

子供への愛情の特異な形と言ってしまえばそれまでなんですが、物凄く説得力がある描写です。

で、HAZUKIさんのコメントを読んであらためて思ったのは このTV版では青沼静馬の母親の描写が薄かったんです。

そう、だから そのぶんが物足りなく思えたんだなぁ…^^;

>佐清の白いゴムの仮面にはどうしても『鬼火』の万造が重なってしまいます(笑)

さすが、渋いところをツキますね^^;

しかしねぇ… 戦後は特に 戦場で顔に傷を負った方が多かったのでしょうけれど ゴムマスクと言う佐清の設定を描いた横溝はやっぱり凄い。


>犬神三姉妹のキャスティングにも注目したいです。


そうなんですよねぇ… 私的に考えると 私と同年代か 少し上ぐらいの女優さん達って年代でもある。

特に松子は ビシッとした貫禄で その辺のオッサンをひと睨みで竦ませるぐらいの女優さんじゃないとね… 誰になるんだろう? 楽しみですね。^^


昔、石坂金田一の「犬神家の一族」が封切られて間もない頃 このブログの他の記事で述べている学生時代からの悪友達と話して盛り上がった時… 島田陽子の珠世も やはり、どこか物足りないところがあって…

「やっぱ、吉永小百合じゃねぇか」って満場一致になったのを思い出しました^^

懐かしいなぁ…^^

いっそ、吉永小百合で怖い母親ってどうかな…

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