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2006年02月04日

● トラ・トラ・トラ 追記


昨日、このブログに掲示した『トラ・トラ・トラ』という記事について…




HAZUKIさんから頂戴したコメントを拝読して「アッ!!」と思った。


なので、HAZUKIさんへのレスも含めて 追加記事を記そうと思う。




まず、冒頭で述べなければならないのは この「トラ・トラ・トラ」って日米合作映画でもあり、真珠湾攻撃に関する史実への解釈や日米の国民性の違いもある…という事で 日本国内での上映版と アメリカでの劇場公開版と 元々、二つ存在する。


と言っても、内容が完全に違う訳ではなく大半の部分が共通なのだが 互いにいくつかのシーンがカットされているだけなのだが…


そして、後にビデオ販売される時に再編集されたものと つい、先年DVD化される際に また再編集されたものも 微妙にシーンが削られたり増やされており、米国で販売されていたDVDが日本に廉価版として輸入販売されたり…


というわけで、大手のレンタルを見ると パッケージの微妙に違う「トラ・トラ・トラ」が並んで置いてあったりする理由は その辺にある。


で、そんな中で バージョンによりあったり無かったりする代表的なシーンは以下の二つ


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これは 開戦決定直前に 天皇陛下のもとへ参内に登る山本五十六のシーン。


それと


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これはハワイ沖へと向かう機動部隊の艦内で食事を作りながら古参兵の渥美が新兵の松山に日付変更線と時差について語るシーン


この二つは少なくとも アメリカ上映版でカットされている。




また、この映画の初めの方は


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と言う風に、開戦に至る直前の日本とアメリカの違いも描いているが、この作品が制作・公開された当時 まだ、真珠湾攻撃も含めて 太平洋戦争が生じる方向へとルーズベルトを初めとする陰謀についての論議が盛んでは無い頃だった事もあり、史実として そのまま受け止めるのには ちと微妙な描写がいくつかある。


しかしながら、真珠湾攻撃時の米太平洋艦隊司令長官キンメルは この映画の封切り当時は「無能だった」という評価が一般だったのに対し


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開戦前のキンメルの姿や


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攻撃直後の姿の描写は 当時としてはセンセーショナルであり、実際では キンメル本人は真珠湾で大損害を受けた責任を追及され降格の後、左遷されたのだが、戦後 いろんな事実が判明すると同時に 地位と名誉の復活を賭けて裁判で戦い続ける事になり、それはキンメル自身は数年前に他界したけれども、今も尚 子息など遺族が戦い続けている。


なので、私は前回の記事で



色々と言う人はいるけれど、私は「トラ・トラ・トラ」という映画は 単にハワイの米軍施設が日本軍に破壊されるシーンだけの映画だと思っている。



と、述べたのだと御理解頂けるとありがたい。




さて、この作品で最もコミカルに描かれているシーンとして有名な


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というシーンについて 職業的軍事オタクの私の義弟が 昔、私と一緒に この映画を観た時に語ったことを記しておきたい。


これは 軍楽隊が米国国歌を吹奏しながら国旗掲揚を行っている最中に 日本軍機の編隊が襲撃を開始したため 演奏のテンポがどんどん早くなり 最後のシンバルと同時に至近弾が落下する…という描写のため いたって滑稽で ついクスッとしてしまうシーンなのだが… 我が義弟に言わせると このシーンには重要な意味がある


それは、日本政府からの「宣戦布告」が行われる予定だったワシントンの東部時間午後1時とは ハワイでは午前8時 つまり、軍では朝の国旗掲揚の時刻にあたる。


で、通常の場合 国旗掲揚は時報と同時に国歌が吹奏されるので このシーンでは8時の時報の直後を示しており、日本軍の攻撃開始は 当初、日本政府の指示した時刻を ほぼ正確に守っていた事を示している。


ただし、日本政府からの通達を野村・来栖両大使が米政府に渡したのは公文書では午後2時前後となっており これが、事前通告無しの攻撃…と後々に言われる所以なのだが、一般人にはコミカルに映るシーンであっても、このシーンには「政府はともかく、軍はフライングしたんじゃ無い、むしろ命令を正確に遵守したんだ」という無言の意地が示されている…と 私の義弟は指摘する。




さて、HAZUKIさん御指摘のシーンだが…


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アメリカ海軍省のタイプ音が響き渡る情報部の室内


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大事な情報を大統領に伝えてもらおうと奥さんの運転する車で奔走するアメリカ人


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女たちが手を振って見上げるシーン


それから、前記事にコメントを頂戴したラヴァさんお奨めのシーン

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と言うわけで、今回の補記を終える事にする^^




お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

いつもいつも 勉強になります。

★ レッツ さん

そう言われても 試験には出ませんよ

教科書にも載ってませんから。

私が子供時代、「少年」という月刊誌があり毎号、太平洋戦争関連の記事がのっており楽しみに読んでおりました。
それも今では考えられない、戦争肯定に近い日本万歳的内容であり、それに感化された私は、親に
「戦時中に生まれて、零戦のパイロットになりたかった」
と言ったところ、バカにされた記憶があります(^_^;)

付録には、日本軍の兵器図鑑が付いており、
戦艦特集もありました。
定かではありませんが、確か全部で12隻だったような。
その中でも、大和・武蔵の美しさは素晴らしかった。
長門は戦後、アメリカ軍の核実験に使われ、一番最後まで沈まなかったということを知り、何故か誇りに思ったものです。

ただ映画とは関係ありませんが、私的には、真珠湾攻撃は失敗だったと思っています。
理由は、
① あえて日本から先に攻撃する必要があったのか。(戦争に乗り気でなかったアメリカ国民を怒らせてしまった)
② 空母がいないという情報を把握せず、撃ち漏らした。(これが、ミッドウェー海戦における大敗に繋がって行く)
の2点からです。

しかし、アメリカはよくこんな映画を撮ったものだと思います。
私がアメリカ人なら、絶対に観ない。
昔のハリウッドの方が、遙かに懐が深かったみたいですね。
今のアメリカ映画で、日本を題材にした物にはろくな物がないと思うからです。

それにしても、ブタネコさんの軍事知識には脱帽します。
まっ軍事に興味が無い者にとっては、単なる軍事ヲタクということで、キショイと思われるだけなんでしょうが(^_^;)

トラ・トラ・トラは1度か2度ほど見たことあるのですが
かなりじっくり見ると色んなことがわかるのですね
ぼけぇっと見てしまう私は・・・;;

★ goboten さん

まぁ、真珠湾攻撃が成功か否かは さておき…^^;

なんだかんだ言っても、日本がアメリカの事を知ろうとどんなに努力しても アメリカは日本をきちんと知ろうとはしていない…

その表れがハリウッドで描かれる日本であり 日本人だと思っていいんじゃないか?と思います。^^;


★ Wagner さん

じっくり見過ぎる私もどうかと思いますけど^^;

またもや嬉しい画像の数々をありがとうございます(私が何気なく書いたシーンまでご親切にアップして下さって恐縮です)。

こうして連続カットで眺めてみるとあらためて作品の重厚感が伝わってきます。
私は決して戦闘シーンも嫌いではないですが、政治的な場面や軍のエラいさんたちが額をつき合わせているシーンといったもののほうが好みなので個人的にとても嬉しい画像満載でした。

日本とアメリカで上映されたフィルムが違うことについて、今回ブタネコさんがご説明下さったおかげでよくわかりました。ありがとうございました。

渥美 清のシーンは笑えるので大好きです。
初めて観たとき、いつ出るかいつ出るかとワクワクしながら観ていたものです。出てきたときは嬉しかったなあ。出たっ!って感じで(笑)
短いシーンではありましたが、そこにいるだけでしっかり笑いを取ってくれるんですね。本当に存在感のある人です。

当時のキンメルの評価が低かったということは知らなかったので、名誉回復のための裁判といったお話は興味深かったです。
「当たって死にたかったよ」のセリフはとても印象的でした。

「あいつめ、安全規則違反だ」前後の軍楽隊のシーン、好きです。
敬礼しながら「規則違反だ」と言っているのも笑えますし、ブタネコさんが書いて下さった、

>演奏のテンポがどんどん早くなり 最後のシンバルと同時に至近弾が落下する…

こういうの、好きなんですよね、私。
そしてこの笑えるシーンが、実は日本軍が時間を守ったことを示す重要なシーンなのだと義弟さんがご指摘なさったことについては、そのとおりだと思います。

時間という目に見えないものを、時計以外のものを使って見せているのですね。
重要な時刻を観客(視聴者)に伝える重要なシーンで笑いを取る。
シリアスな内容にコミカルな味付けをして見せる。
こういう演出、私は好きです。

淵田と源田の別れのシーンも良かったですね。なんかこう、どっしりとした重みでもって情感に訴えてきますね。
最近の映画はしゃべりすぎと言うか、言葉なんかなくてもいいんだ、という場面でもいちいちセリフで伝えようとするところがあるように思えるので、こういうシーンはいいなあと思います。

(仕事が)早いっ!早過ぎるよブタネコさんっ!(笑)
大和男子の眼差し画像有り難うございます(^_^)/。

ぶた猫(弟)さん(お元気ですか?)ご指摘の8時の点鐘、HAZUKIさんと同じくナルホドと再認識しました。
(今までは単なる時報の点鐘という認識しかなく)
一度演奏を始めたら最後まで止められない国歌演奏と、焦ってタクトを振るPOの演技も良いですね。
亡き父(戦争映画好き)と笑いながら観たのを思い出します。
私もビデオは烹炊所のシーンがあるので、DVDを買っても手放せません(笑)。

★ HAZUKI さん

>最近の映画はしゃべりすぎと言うか、言葉なんかなくてもいいんだ、という場面でもいちいちセリフで伝えようとするところがあるように思えるので、こういうシーンはいいなあと思います。


私見ですが、制作者側も 変なところにサービス過剰というのも多いですが、観る側も勉強不足というか 上辺しか観ないので いちいち説明しないと理解出来ない者が多すぎると思うのです。^^;

私の様なマニアックな考証まではともかく、一般常識的な部分とでも言える事ですら

「言ってくれないと判らないじゃん」

なんて逆ギレするアホがいますからね^^


ゆえに、源田と淵田のシーンなんて ただ見つめ合ってる…ぐらいにしか感じない人が多いので 判らないでしょうね、そんな人には このシーンの本当の良さが^^;


★ ラヴァ さん

義弟は相変わらず忙しそうですが 元気です^^

彼は戦争映画に関しては とにかく熱い男なんで…^^;

「男たちの大和」 私は未見なんですが、私の知る人々の中で最も「最低だ あんなの」と憤慨していたのは義弟でして^^; 無理して見に行くのを止めたのも それが理由だったりします。

今後も どうか宜しく御願い申し上げます。


はじめまして、2年も経ってしまっているのにすみません。
私も父がこの作品が好きで、5歳位のS50年位にトラトラトラの特集した雑誌を眺めていたのを覚えています。どうやってスタジオで上から吊って編隊飛行を撮影したとか大きな水槽での撮影とかあったと思うんですが、
返す返すも、引っ越ししてその雑誌が行方不明になったことが今更ですが大変悔しいです。
ですが管理人様のサイトを拝見させていただいて今は、同じ気持ちを持った方がいらっしゃるのを知ってとてもうれしいです。お邪魔しましたm(__)m。

★ JUBILEE さん

このブログは2年前や3年前の記事でも コメントは歓迎ですから気になさらないで下さい。^^

私は 本当にこの映画が大好きなんです。

記事にも書きましたが この映画を見るとストレスが発散されスッキリした気持ちになれるからなんです。

おはようございます&はじめまして!

この映画では、アメリカ劇場公開版でカットされた、
「空母烹炊室での渥美清さんと松山英太郎さんのシーン」と
「天皇拝謁に向う山本長官のシーン」は有名ですが、
もうひとつ、開始から104分くらいに、
空母格納庫内の演習で井川比佐志さんが
「ネバダを撃沈」するシーンで、
97式艦攻の下に取り付けたパイプから、
爆弾に見立てたボールが転がり落ちて、
シートに描いたネバダに命中?するシーンが、
劇場公開時はあったと思います。
これは現在販売中のブルーレイにもDVDにも収録されていません。
(ブルーレイやDVDでも、2名の整備兵の間に
大きな「爆弾用パイプ?」が映っていますよね。
また、井川さんの「ネバダを撃沈したぞ」というセリフや、
そのあとの、床に座った同僚の搭乗員のリアクションが、
なんとなくしっくりこない気がしませんか。
ここは、コロンと、ボールが的に当たってから、
「ネバダを撃沈したぞ」に続いたと思います。 )
40数年前の中学生時代に新宿プラザ劇場で観たときの記憶なので、
私の思い違いかと思っていたのですが、
他にも同じ記憶のある方がいらっしゃいました。
http://www.amazon.co.jp/review/RUR12B4D49D9A/ref=cm_cr_pr_viewpnt#R...
また、このシーンは、井川さんの
「よーしいくぞ!」で始まりますが、
BLURAYの英語字幕は「ONCE MORE」
となっており、このへんにも何か事情が
隠されているのではないか、
と思っています。
色々ネットで調べていて、
ブタネコ様のHPにたどり着きました。
よろしくお願いいたします。

★ karao さん

こちらこそはじめまして コメントありがとうございます。

カットシーンは「代表的な」として二つだけピックアップしましたが、他にも数カ所有り、
御指摘の「ネバダ」云々のシーンも 私にも記憶があります。

ただ、私にとって「ネバダ」云々のシーンのカットの理由や解釈はあまり意味を感じず、
記事中に示した二つのシーンには 別な部分に理由や解釈の意味や意義を感じているからです。

「なぜ、その二つはカットされたのか?」という部分です

【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。