● 風の谷のナウシカ
何故、この時期なのか判らないが…
「風の谷のナウシカ」がTVで放映されたので観た。
面白いもので いろんな雑誌で「あなたが選ぶ宮崎アニメBEST10」なんてタイトルの記事を読むと たいていの上位3つは「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」になっている。
正直言って、私はその3作は間違ってもBEST3には選ばないだけに 私の感覚は万人とは かけ離れているのか?と思い悩む。
けどね、知人達との何気ない雑談で同じ様な質問を投げると 知人達が選ぶベストにも その3つは殆ど入る事は無い。
たとえば、私だったら第1位には「魔女の宅急便(1989年)」を迷わずトップに挙げる。
そして、「紅の豚(1992年)」が第2位で 第3位には「天空の城ラピュタ(1986年)」の順となる。
ちなみに、私の友人達の多くは 「天空の城ラピュタ(1986年)」か この「風の谷のナウシカ(1984年)」をトップに挙げる者が殆どだ。
私も「風の谷のナウシカ」は高く評価しているのだが、私の場合 理由があって他の3作が それ以上に高く評価されているだけの事。
いずれも共通しているのは 世間の評価と違い、宮崎作品の初期の方が私や知人達は高い評価となっている事。
まぁ、本来 どれが好ましく感じられるかは どうでも良い話なのであるが…
私の個人的意見としては 最近の宮崎作品は あまり好きになれないものばかりで どんどん嫌いになりつつある。
それは 元々、彼の作品の根底に流れる宮崎流の戦争観や文明観が 年を重ねる毎に私とは違う方向へと流れていくようで…、私は宮崎駿の思想がいかにあろうとも「天空の城ラピュタ」や「風の谷のナウシカ」で彼が描いた
「風」と「雲」と「空」の見事さが大好きで それとセットになった久石譲の音楽が大好きだったから、新作が公開されるたびに 新しい「風」と「雲」と「空」と「音楽」のアンサンブルに浸かる事を望んできたのだが 新作はそれらから どんどんかけ離れていき、思想を強くアピールするかの作品構成が好きになれずにいる。
ちなみに 私が「魔女の宅急便」をトップに挙げるのは あくまでも私の好みの問題である。
率直に言うと 物語に登場するクロネコが大好きな事。
そして、その猫と主人公が会話をするシーンが まず、大好きなのだ。
それは、私が現実に猫を飼っており 妙な話と笑われるかもしれないが その猫達と時折、物凄く会話をしたいと思う事が多々あるからだ。
猫愛好家の方々なら判って下さると思うが、猫って結構、表情があり 仕草や鳴き方で感情を表現するものなのである。
だから、どうせなら人間同様に喋る事が出来れば どんなに楽しいだろう… そういう夢想にかられる事がある。
そんな夢想を一時的にでも見せてくれたのが「魔女の宅急便」だった事と、まったく別の理由となるが 「魔女の宅急便」のラストで 荒井由実(こだわりがあるので あえて”松任谷”とは言わず”荒井”と呼ぶ)の”優しさに包まれたなら”のアコースティック・バージョンが流れるのだが それが、すこぶる大好きなのだ。
あ、そうそう…
「風の谷のナウシカ」の話だったよね^^;
つい、数年前まで 私はこの作品に原作となるマンガがあり、それが完結もせず ず~っと続いてきてたのだが、それがようやく完結したのだ…と初めて知った。
それを教えてくれたのは 某国立大学理工学部に巣くうアキバ系研究院生の一人で 彼は、その原作マンガを私に差し出し
「是非、読まれるべきだと思います」
と言ったのだ。
アキバ系オタク野郎に熱く語られるのは ハッキリ言ってウザかったが、^^; 差し出されたマンガの本を大事そうに抱えて
「ホントに? ありがとう 早速、家で読むね」
と借りて帰った私も やはりオタクなのであるから、彼を悪く言えた義理では無い。(ToT)
で、そのマンガを読んでみて判った事は この映画「風の谷のナウシカ」は長いストーリーの中の限られた一部分だという事。
風の谷を守った後にもナウシカの物語は まだ続くのであるが、それにはあまり目もくれられず、映画版「風の谷のナウシカ」の物語で 物語の全てと語られている事の不可思議さが判る。
基本的に宮崎アニメと呼ばれている作品の殆どは ストーリーが完全には完結していないものばかりである。
それが判った時、宮崎アニメに対する私の考え方や感じ方が ほんの少しだけ変わった。
「この人(宮崎)は アニメで何を語りたいのだろう?」
それが見えなくなったんだな。^^;
反戦や環境保護を訴えるのは良い。
でも、原作の一部分だけを中途半端に描いて それを求めるのはあまりにも短絡的で筋違いなんじゃないか?と。
目的は可でも 方法は不可なんじゃないか?と…である。
とはいえ、私はそう感じたのだけど、世間での宮崎アニメに対する考え方や評論は 益々、ヒートアップするかのごとく「宮崎アニメの反戦メッセージが世界に通じ、アカデミー賞の長編アニメ部門にノミネート」なんて表現が聞こえてくる。
「何かが違う…」
私は どんどん違和感の塊化していく。^^;
良いなぁ…と思うし、好きなんだけど いざ、語ろうとすると批判的になってしまう。
「好きな子ほど 虐めたい」
ふと、そんな子供心が浮かぶが それとも違うんだなぁ…^^;
う~ん どう言えば良いのだろう。
ただ、昔も今も変わらずにハッキリ言える事もひとつある。
久石譲の音楽が良い。
すこぶる、良いのだ!!!
だから、思ったのだ。
宮崎アニメって 久石譲の音楽を すこぶる良く聴く為の映像なんだ…と。
そう気づくと 今後も、違和感無しに宮崎アニメを楽しめそうだ…とも思う。
(正しい楽しみ方では無いようにも思えるが^^;)
それと… どうでも良い事なんだけど。
何故か判らないんだけど、この作品の中で
ナウシカの子供の頃のシーンを見ると いつも、「機動戦士ガンダム」の中で 子供の頃のセイラが
「キャスパル兄さ~ん」
と叫びながら シャアを追いかける回想シーンを思い出す。
どうしてなのか? その理由は判らない。
(判っても あまり意味が無いとも思うけど^^;)
で、この記事の最後にあたり…
私が宮崎駿に 今、求めたいのは原点に立ち返って 是非、『泥まみれの虎』をアニメ映画化して欲しい…という事を強調しておきたい。
私が言っても仕方が無いとは思うけど、これは絶対に傑作になるはずだと 私はずっと信じているのだ。
