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2006年02月03日

● トラ・トラ・トラ


「トラ・トラ・トラ」という映画が私は大好きだ。




今から36年前の1970年 小学生だった私は父に連れられて映画館に行き この映画を観た時の事を昨日の事の様に覚えている。


全身に鳥肌が立つほど感動し、次々と破壊されていく真珠湾の米艦船やヒッカムやホイラー等の飛行場… その映像を目の当たりにして血潮が騒ぐ自分を感じた。


色々と言う人はいるけれど、私は「トラ・トラ・トラ」という映画は 単にハワイの米軍施設が日本軍に破壊されるシーンだけの映画だと思っている。


「宣戦布告より、攻撃が先に行われたというアンフェア」


「日本軍による真珠湾攻撃は奇襲にあらず、ルーズベルト達による陰謀である」


なんて話は私にとって 後付で知った話であって、この映画を最初に観た時には そんな歴史的背景や政治的事実など 全く知らない白紙の状態。

(だって、小学生だったんだもん^^)


なのに、私は米国施設や艦艇を破壊しまくる日本軍機の姿に感動して涙した。


そりゃ何故か?




とかく、戦争映画には女が出てきて 愛だの恋だのの話が盛り込まれ「戦争映画」と称していながら三流の「恋愛ドラマ」にしてしまうのは邦画のだらけ切った様ではあるが、36年前の この「トラ・トラ・トラ」の製作陣の半分が日本人で「舛田利雄」や「深作欣二」の名があるのを見つけて


「なんだオマエ等 やりゃあ出来るんじゃねぇか」


と思ったのも 遠い昔の話である。


一説によると、本当は日本側の監督は「黒澤明」のはずだった…という逸話もあるそうだが、私に言わせると この作品はストーリーを見るモノでは無く、魂を感じるための映画だと思っているから むしろ「黒澤」じゃなくて正解とすら思っている。


何故なら、私が学校教育では教えてくれない本当の歴史、特に 明治維新以降から今日までの近代史を 自分で知ろうと思ったキッカケのひとつが この「トラ・トラ・トラ」との出会いだったと言っても過言では無いからだ。


・何故、日本は太平洋戦争に巻き込まれたのか? 


・その時の世界情勢は?


・戦後、どんな事が起き、何がどういう風に変わったのか?


・毎年、12月8日になるとアメリカ人が口にする「リメンバー・パールハーバー」
 という言葉の本当の意味や背景は?


そんな事を考えるキッカケをくれたのが この「トラ・トラ・トラ」なのである。


思うに、こういうのが映画の効力でもあり、ひとつのあるべき姿なんじゃないか?とすら思う。


「歴史の中に隠された真実を映像化」


なんて大げさなキャッチを付けながら 3流メロ・ドラマに終始する戦争映画なんて意味無いのだ。


昨年(2005年)は 終戦60周年という区切り(?)の年とか称されて TV・映画 共にいろんな作品が放映(上映)されたが、どれもこれも陳腐な物ばかりで 魂を揺さぶられる様な力作は数える程も無い。


特に秋以降の作品は 個人的事情があって、まだ未見のものばかりだが、周囲から聞く評判は芳しくない物ばかりである。^^;


そんな中で「男たちの大和」という作品に 私は興味大だったのだが、残念にもまだ未見で おそらくDVD化されるまでは見る事は叶わないであろう…


で、何故「男たちの大和」に興味大なのか? その最大の理由が 


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この「トラ・トラ・トラ」にある。


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上の画は 開戦前、戦艦「大和」が就役する前の 当時の連合艦隊旗艦である戦艦「長門」であると思われ、映画のラストでは


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長門の前甲板上、主砲の横を歩く山本五十六の遠景があるが…


これらのシーンはCGでも特撮でも無い。


実物大セットなのである。


この作品の制作のために福岡県芦屋町に戦艦「長門」と航空母艦「赤城」の実物大セットが組まれ それを利用したもので…


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航空母艦「赤城」の飛行甲板上で整列する乗組員と 頭上を飛ぶ飛行機


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赤城の乗組員越しに見る 遠景の長門


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これらのシーンは 全て「実物大」の実写なのである。


ちなみに、


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上の画は映画「亡国のイージス」から取ったキャプだが、これが現在の海上自衛隊の主力艦艇だとすれば 上の「長門」と人間の大きさで比較すれば一目瞭然、いかに巨大な船だったのかが判り、後に就役する戦艦「大和」や「武蔵」は この「長門」よりも二まわり程大きかったと言われてるのを聞けば…


あくまでも、私の個人的考えなのだけれども 予算をかけて実物大、とか 当時のままの姿を復元する…というのは 映画ならではのロマンだと思う。


近年ではCGが発達し、普通じゃ見る事の出来ない映像を見る事が出来る様になったのは ある意味嬉しい事ではあるけれども、この様に戦艦などの艦上は実物大セットの迫力というのも捨てがたい魅力あるカットだと思うし、整列した乗組員が整然と並ぶ姿は壮観とさえ言える。


実際の「長門」は太平洋戦後 アメリカに接収され、ビキニ環礁での核実験の標的艦に利用され、同型艦の「陸奥」は大戦中に「原因不明の爆発」により広島県の柱島沖に没している。


まぁ、「長門」については 


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阿川弘之:著『軍艦長門の生涯』


という名作に詳しく いずれ、この本にも触れたいと思うのでおいておく。


私が ここで述べたいのは、かつて大海原に かくも巨大な戦艦が他国の物では無く、日本の艦船として浮かんでいた… そこに大いなるロマンを感じるという事だ。


とかく、「戦争反対」が高じて いろんな物にアレルギーのような感情を剥き出しにする輩達のおかげで 純粋に「艦船」として愛でる事すら否定され気味の時代を過ごしたせいか、私は そのロマンを声を大にして叫びたいのである。


しかも、この「トラ・トラ・トラ」は そんな長門や赤城だけでは無く、実に嬉しい映像が満載なのである。


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実際に飛んでいるのは 当時の日本軍機にシルエットが似ているという理由で 当時の海軍色に塗装された「AT6テキサン」と呼ばれる米製の練習機だが、私には 充分に真珠湾攻撃に見立てた訓練飛行を行う97式艦上攻撃機に見える(ToT)


これが編隊を組んで民家の上や河口を低空で実際に飛び抜けている様は 身震いするほど感動する。 


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この作品での上の画のシーンより 後にも先にも艦上攻撃機による魚雷投下のリアルなシーンを私は観た事が無い。


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実際に飛んでいるB-17や…


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P-40や…


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爆発するカタリナ飛行艇や…


もうね、何度観ても 嬉しくなる映像ばかりなわけで その上で


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次々と米艦艇が爆発炎上していく様を眺めていると 何故かどんどん スッキリ爽快になっていく私がいる。


現在、小泉の言い方を用いれば


「アメリカは日本の最大で、最重要な友好関係にある同盟国で…」


という事らしいが、私は中国や韓国が大嫌いだが、それほどまででは無いけれど 米国も両手をあげて好きな国だと言う気は無い。


殊に、最近のBSE牛肉の問題における米国側の言い分や 特に来日した時の米農水長官の「交通事故…」云々の発言を耳にすると 相変わらず、どこかに我が国を小馬鹿にした考えが見え隠れし、不愉快感が増幅する。


そんな時、私は この「トラ・トラ・トラ」を観る。


そして、




リメンバ-・パ-ル・ハ-バ-!!



と、逆に叫び返してやる。


「てめぇら ナメてっと、また 奇襲してやるぞ!!」


という意味でだ。^^;


同時に、

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「ニイタカヤマノボレ1208」を受信した司令官が 配下の隊員達に訓辞を行い


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それを直立不動で聞いた後、


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「万歳」を連呼する兵達の姿に 私は涙する。


真珠湾攻撃に従軍した艦艇の殆どは 終戦時には没している。


艦載機の搭乗員や艦艇の乗組員の大半が機体や船と共に没しているからだ。




そんなこんなで、私は この「トラ・トラ・トラ」という映画は 屈指の傑作映画だと思っているし大好きなのだ。


【追記】

タンクさんへの サービス画像です。^^

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尚、この記事には

トラ・トラ・トラ 追記

という記事がありますので ついでに御参照願います。^^;




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コメント

ブタネコさんへ
懐かしい映画ですね、この映画は珍しく良く覚えています。当時アメリカでは一方的に自軍がやられるので評判が良くなかったらしいですが、最後に三船演じる山本五十六が’眠れる獅子を起こしたうんぬん’でアメリカ観衆が大喝采を起こしたと映画評論に書いてあったのを思い出しました。
今月末に所用で呉に帰りますので大和記念館に行って来ようと思っています、元鎮守府あたりに行くのは高校生以来ですから40年ぶりになります、良い機会なので江田島にも寄ってこようと思ってます。

ブタネコさんへ
あれ三船敏郎ではなかったっけ?山本 そう
でしたか。失礼しました。

★ タンク さん

気を悪くしないで下さいね^^;

これ、タンクさんに限らず、よく勘違いされてるんですけど 山本五十六は三船敏郎じゃなくて 山村聰なんです。

これまた一説によるとなんですが 当初、日本側のスタッフは 黒澤明監督、山本五十六役が三船敏郎…で進んでいた経緯があったらしいんです。

ま、そんな事は 今となってはどうでも良い事で…^^;

’眠れる獅子を起こしたうんぬん’は 実際に山本五十六自身が発した言葉だそうで この作品のラストに盛り込まれ その結果…

タンクさんの言われる通り 米国の観客が溜飲を下げたのも事実だそうです^^;


さて、コメントを拝読して…

いいなぁ… 実は 今、私が最も旅したいところは 伊豆の松崎と 広島の江田島なんです。

良いなぁ… 羨ましいなぁ… ^^

 

米国製映画「パールハーバー」での、日本海軍雷撃隊による、湾内攻撃シーンのみ繰り返しみてしまうσ(゚∀゚ ∬私です。

真珠湾を想定し、最初に低空侵入及び雷撃訓練を行ったのは、鹿児島は錦江湾であります( ̄Λ ̄)ゞ

しかし、気合が入る映像ばかりで(`・ω・´)シャキーン

★ Wen さん

米国製映画「パールハーバー」?

そんなものは とっとと焼き払って塩撒いて清めてください。

語るのもおぞましい代物です。^^

いやいやいや~嬉しい画像の数々をありがとうございます。こうして眺めているだけで鳥肌ものです。

私も大好きです。ビデオも持っていますが、劇場公開されたときは厨房の寅さんのシーンがカットされていたとか。
あのシーンはなくてはならないものなのに、と意外に思ったことを覚えています。

製作総指揮のダリル・F・ザナックは『史上最大の作戦』も手がけた人ですが、一方で『怒りの葡萄』や『イヴの総て』もプロデュースしたということですから、マルチな手腕を発揮した人だったようですね。

黒澤を解任したのも彼で、それについては意見の食い違いとしか伝わっていませんが、当時はやはりセンセーショナルな話題としてマスコミを大いに騒がせたようです。

この映画は本当にスペクタクルの名作だと思います。
戦争というものを最後までしっかりと描ききっています。
政治的な駆け引きもきちんと描いてあるからこそ、真珠湾攻撃のリアルな戦闘シーンも生きてくる。

日独伊三国軍事同盟の調印シーンもさることながら、雷撃訓練シーンや、アメリカ海軍省のタイプ音が響き渡る情報部の室内、キンメルが上空から真珠湾を眺めるシーンなど、戦争映画ならではの見所が盛りだくさん。

何より日米側を交互に描いて見せてくれるところに共同製作ならではの醍醐味を感じます。

大事な情報を大統領に伝えてもらおうと奥さんの運転する車で奔走するアメリカ人や、戦争回避に尽くした日本人外交官が苦悩する姿など、すれ違いが生んだ悲劇というものをまざまざと見せつけられ、観る者の心を揺さぶります。

そしてユーモアも忘れていない。
戦争映画にはクスリとさせられるシーンもないと、と思う私には笑いの味付けにも満足でした。悲壮感ばかり漂わせる戦争映画はどうもいただけません。

真珠湾攻撃の演習シーンは良かったですね。釣りをしているオッサンも面白かったし、女たちが手を振って見上げるシーンなどもあったと思いますが、近年の戦争映画ではどうしてこういうサラリと気の利いた演出ができないのでしょう。

この映画のことを思うと『男たちの大和』の情けなさが思い出されます。
これはあくまで私見ですが、作品の質的にもとうてい比べものにならない「男たち」は、〈大和〉の実物大セットにしても、戦闘シーンに使用されるされないという違いはあったにせよ、「トラ!」に比べるとあまり上手く使いこなせていなかったように思います(物語にいたってはもう陳腐としか言いようがない)。

「トラ!」は観せ方が上手かったですね。冒頭の乗員整列シーンは圧巻で、これぞ海軍と思わせる(やっぱり第2種夏服はかっこいい^^)。
映画である以上、観せ方というのは大事な要素の一つであり、俳優の顔にばかり重きを置いたような撮り方をしていては本末転倒です。

いろんな意味で戦争映画というものについて考えさせられる、『トラ・トラ・トラ!』はそんな映画だなとあらためて思いました。

ROM専になっておりますが(・・;)ご無沙汰です。

個人的に燃えるのは、ブタネコさんの上げられたシーン(全く同感!)の他にも、出撃前飛行甲板上の淵田と源田の無言の別れです。
決然とした目と目。
「言葉はいらぬ、判ってる!」とばかりに踵を返し、九七艦攻に乗り込む田村さんの演技。
実在の源田がウンヌンはどうでもいいです。
三橋さんと田村さんの顔付きが良いのです!!
カッコイイ!(笑)

>「てめぇら ナメてっと、また 奇襲してやるぞ!!」

私もこの映画を観る度一種軍装を着て、ザマーミロ!と独り提灯行列をしたくなります(爆)。

★ HAZUKI さん

いやぁ… HAZUKIさん この分野も造詣が…^^;

レスを追記として記事にさせて頂きました。

どうか、お許しを…^^;


★ ラヴァ さん

ども、お久しぶりです^^

追記の方に御指摘の画像を貼らせて頂きましたので御堪能願います^^

>私もこの映画を観る度一種軍装を着て、ザマーミロ!と独り提灯行列をしたくなります(爆)。

とても、素敵です^^

ブタネコさんへ
今日NHK衛星第二でトラ・トラ・トラを放映していましたね。いつもの通りに昼過ぎから本屋やら喫茶店でのんびりして3時半に帰ってTVをつけたら懐かしい画面が出てきて驚きました、新聞のTV欄を見ると2時からやっているとあるではないですか、残念ながら後半の1時間しか見れませんでしたが、奇襲が始まるところでした。懐かしい場面をいろいろ30年ぶりに見ましたよ、最近のCGと違って本当にセットが組まれていたり、本物の飛行機を飛ばせていたり、その迫力に圧倒される思いで見ていました。
昨日は原田芳雄と宮沢リエのちょっとおかしい広島弁を満喫しましたし結構TVも楽しめるなーと思っています。

★ タンク さん

あら、再放送してましたか…^^

なんか、再見したくなりました^^

ブタネコさん、文藝春秋から出ています、『黒澤明vsハリウッド』はお読みになられましたでしょうか。
私も、ちょっと前に読んだのですが、「トラ・トラ・トラ」がお好きでしたら、かなりお勧めの本です。
今、現存する「トラ・トラ・トラ」は黒澤の企画の残骸の上で撮影されたものだと理解してよいと思います。
黒澤は既にクランクインしており、彼の熱望で長門と赤城のオープンセットが築かれました。恐らく彼で
なければ、模型と、米軍の戦艦と空母で代用することになっていたはずです。
実際、黒澤降板が決まったとき、米国の製作陣が、そのオープンセットの取り扱いに途方にくれる場面もあります。
彼の書いたシナリオも一部が本の中で記述されていますが、戦争映画ファンなら心に思い描けるような良いシーンばかりです。

そういえば、黒澤は、それ以外にも南雲長官のレイテ湾突入の葛藤を描く企画があったそうですが、それも見てみたかったですね。

★ 訳者 さん

早速、その本を発注しました。^^

「黒澤だったら…」

という部分には とても興味があります。

長門や赤城の実物大セットを組んだ…というのも 黒澤だから出来た事なんですよねぇ…^^

>レイテ湾

「栗田長官の謎の反転」ですか? へぇ、黒澤流の解釈って どうだったんでしょうね 気になるなぁ…^^

こんにちは、以前もコメント頂いた者です。
現在発売中の雑誌、
月刊モデルグラフィックス2009年3月号(2009.1.25発売)
ttp://www.modelkasten.com/
に、多くは無いですが、トラトラトラの映画製作の様子などが
紹介されています。去る12月に発売されたDVDの付録よりは詳しいので
是非ご覧ください。長門のセットって、民家と比べると如何に巨大だったかとびっくりしました。

★ JUBILEE さん

情報ありがとうございます。

早速、取り寄せてみようと思います。^^


【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。