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2006年01月14日

● 薄れゆく記憶の中で


「薄れゆく記憶の中で」という映画について語ってみる。




薄れゆく記憶の中で


1992年公開 監督・脚本:篠田和幸 主演:掘真樹、菊地麻衣子


実は 最近まで、この映画の正式なタイトルを知らなかった。


何年前だった覚えていないのだけど 少なくても7・8年前の事、CATVだったか、W○W○Wだったか それすら覚えていないんだけど たまたまTVに映っているのを見かけ、なにげに見ているうちに引っ張り込まれて エンドロールが終わっても、ポケーッとしたまま ただ、タバコを吸ってるだけで…


何故かレンタル屋で この作品を見つける事が出来ず、CATV等で放映されたのかもしれないけど それに気づくことも無く、再見出来ぬまま今日まで至るうちに すっかり忘れてしまってた。


今回、良いキッカケを得てタイトルを知り、それをネットで検索して どんな映画だったかを思い出そうと思ったら…


「あぁ…、これだったのか…」


というのが実際で、その瞬間に 物語や映像がおぼろげだけど思い出せた。


で、思い出すと同時に 物凄く見直してみたくなったわけだが…


この作品には 失礼な言い方で申し訳無いが、著名な役者は一人も出ていない。


この後に知名度が上がったのは ヒロインの


薄れゆく記憶の中で

薄れゆく記憶の中で

「菊地麻衣子」


この娘が 数年後、NHKの朝ドラに出演し有名になったぐらいで それ以外の役者は無名であるが、そんな事を気にさせない人ばかりで 制作者のキャスティングの妙とも言えると思う。


また、この作品には ブタネコ泣かせな要件が揃っている。


・思い出


薄れゆく記憶の中で

薄れゆく記憶の中で


・学生時代


薄れゆく記憶の中で

薄れゆく記憶の中で


・地方の風景


薄れゆく記憶の中で

薄れゆく記憶の中で


・方言


薄れゆく記憶の中で

薄れゆく記憶の中で




この映画の冒頭のナレーションで



10年前 私は何処か田舎に行けばあるような


ごくありふれた県立高校の3年生でした。


今、思い出しても 胸がキューツと締め付けられるような


輝かしき青春時代…


 《 中略 》


記憶とは事実とは随分 かけ離れたモノの様です


しかも、それが思い出ともなると


時間というベールを被って一層都合良くなっていくんです



とある。


確かに一理ある言葉だなぁ…と思う。


でも、美化したくても美化できない思い出もあるし、時には「トラウマ」になってしまう記憶もある。


自分の思い出を誰かに語ろうとするのは 実はとても難しい。


聞く人の受け取り方によっては、実に陳腐な話になってしまったり、「そんなの あり得ない」なんて話に聞こえてしまったりする事が よくある。


しかも、本人にとっては とてもかけがえのない記憶にも関わらず、他人にとっては「どうでもいい話」の事が殆どだったりもするのだ。


この映画は そういう「思い出」に関して執着など持たず、気にもしない人には 実につまらない話になってしまうんじゃないかと思う。


逆に、時々 自分の過去を振り返って感慨にふける… 私のような人達には なんとも言えない破壊力を秘めた作品だと思う。


これは ボロボロに泣ける話では無い。


薄れゆく記憶の中で


上の画像の様に 黄昏時に遠くを見つめてしまいたくなる…


まさに、そんな話である。


でね、もし、映画の視聴年齢の制限に「30歳以下視聴禁止」というのがあるのだとしたら、そういう制限に指定するのも 良いんじゃないか?なんて馬鹿な事を思ったりする。^^;


この作品を 例えば、高校生ぐらいの年齢の青少年達が見て どこまで、感銘を受ける事が出来るだろう? ふと、私は そんな事を思ってしまうのだ。


どういう人生であろうと 30歳ぐらい以上の年齢まで過ごした人には この映画を見た時に 記憶のどこかに物凄い刺激を受けるんじゃないか?と思うのだ。


その結果、ついポケーッと遠くを見つめてしまう… そんなザマに陥るんじゃないか?と。^^;


だから、20歳以下の青少年達には「実につまんない話」になるのがせいぜいだと思うのでいっそ、R-30にでもしてしまえ^^ と。




ふと、ついでに どうでも良い話を書き足してみる。^^

(毎回、どうでも良い話ばかりだ…というツッコミは不可^^;)


盆暮れ時期、ふと卒業した小・中・高・大の同窓会の案内が届く事がある。


御存じの方も多いと思うが、中・高と 私と嫁は同窓である。


だから、私に届くという事は 同時に彼女にも届く。


私は余程の事が無い限り、案内を貰うと出席する。


けど、嫁は 余程の事が無い限り、出席しない。


そう言うと、これを読まれている方々は きっと、


「ブタネコの嫁は”亡き友”の事があるから出席しないんだろうな」


と、思われるのだろう。


確かに、それは間違いでは無い。


けど、実はそれは彼女が出席しょうとしない理由の ほんの一部分でしか無い。


ある時、私は嫁に「オマエはなんで行かないの?」と聞いた事がある。


その時に


「だって、変な見栄を張り合ったり、

 普段のクダラナイ愚痴を聞かされたり…ばかりで

 ひどくつまらないのよ」


と言う。


私に言わせれば「それが面白いんじゃん」となるのだが、嫁は そうじゃないんだな。


例えば、高校の同窓会を思い出してみると 卒業の翌年に開かれた始めての同窓会は出席者も多く、皆 変わり映えもしていなかった。


次の年、その次の年… 年を重ねる毎に出席者は減り、それぞれの環境の違いが大きくなり、4年後には現役で大学に進学した者達が卒業・就職となり、転勤、結婚… バタバタしているうちに同窓会が開かれない年が数年続き、ちょうど 皆が30代になる年、良い機会だから開こうという話になって集まってみれば そこに集った連中は、まだ30になったばかりなのに どこか疲れ切った奴ばかりだった。^^;


でもね、その時に思ったのは 共に高校生活を過ごした者達が集まると、現実の歳は30でも その場は何故か18・9の頃に戻るのだ。


私は その懐かしさに浸るのが楽しくて同窓会は出来るだけ欠かさず出席するのだが、嫁は そうじゃないのだと言う。


「それは男の子達の感じ方なのよ、女はね、瞬間的に若返ったぶん 現実の歳や生活に戻った時に 物凄いギャップに気づいて それだけ凹むのよ」と言う


「オマエが凹むの?」


重ねてそう聞くと


「私は凹まないわよ、

 30なら30、40なら40の楽しみ方をしてるもん。

 別に今更18・9の小娘に戻りたいなんて思わないわよ。

 ただ、その凹んだオバサン達と いつまでも一緒にいたくないのよ」


毅然と言う。


ウチの嫁の そんな考え方が一般的か否かは別として…^^;


年齢が重なれば重なるほど、そして その年齢によって同窓会の様なモノがキッカケで思い出す、その当時の記憶というモノは 微妙に変わっていくものだ…というのは 私も実際に そう思う。


日頃、よく会っている「二代目開業医」や「大学教授」達であれば 別に彼らを見て物思いにふける事など無いけれど、同窓会で数年ぶりに会った同級生の老け方を見ると ものすごく それだけで疲れる事も確かにある。^^;


「薄れゆく記憶の中で」という作品の物語には 高校時代と その10年後…みたいなテーマの作品に ありがちな話がいくつかあるが、この作品が出色なのは そのありがちな話の結末が予想外、というか意表を突かれ「くわ~っ そうなるか…」となるところにある。


ところが、私が経験した実際も まさに、そんな様なモノであり、似て非なる話でもあるけど 


「いたって真面目で勉強が出来るだけで目立たなかった少年が 勤めている銀行の金を使い込んで捕まった」


とか、


「二股・三股を平気で 他校の女子生徒を食い散らかしてた奴が 30半ばで禿げ上がり、離婚の際の慰謝料が払いきれずに破産した」


とか、


「北海道内でも 特に田舎と呼ばれる地域から越境入学してた ドモリで訛のキツかった奴が、今じゃフランス人の嫁さんとドイツに住んでる」


そんな感じで「へぇ~」という話は いっぱいある。


「何が起きるか判らないから 人生は楽しい」


そう思う反面、ほんの些細な判断や対応を間違えると


「俺の人生、なんだったんだ?」


状態になるのも よく有る話なのである。


だからこそ、「薄れゆく記憶の中で」は 30歳以上の人じゃないと 映画に込められた本当のテーマは理解出来ないんじゃないか?と思う次第だ。




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コメント

ラジオでリクエストが採用された感覚です\(^O^)/

★ 龍之介 さん

忘れかけたまま 再見の機会を失うところ、
気づかせて頂きました事に感謝します。

私も6,7年前に多分地上波だと思いますが、この映画を観ました。
その時は、ザッピングしながら見てたので、最初からまた見たいなあ~と思っていたら、つい先日チャンネルNECOで放映されると知って、最初から見た訳であります^^
30歳以上のおっさんですが、懐かしさとせつなさが入り混じったような感覚で観てました。
今から思うと、結構よく作りこんだ作品やな~と思いましたです。
セカチュなど純愛モノが流行っている風潮ですが、他の人も一度はこの作品を見てもらえたらどうかな?とは思ったりします。
あまり上手く書けませんでしたが、そんな感じです。
長々とすみませんでした。
R-30というのも一考ですよね^^

★ 風鈴さん さん

はじめまして、コメントありがとうございます。

この作品、30歳以上には堪えますよね^^;

見終えた後に つい、遠くを見ちゃいましたもん。

はじめまして。
『薄れゆく記憶の中で』を検索していたら
貴殿のブログにたどり着きました。

そうですね。
ワタシも、学生時代を思い出して
切ない気持ちになってしまいました。
戻りたいような、戻りたくないような…。

★ #15 さん

こちらこそはじめまして コメントありがとうございました。

久しぶりにDVDを再見したいと思いますが、このところなかなか時間が取れず…


ブタネコ様

こんばんは。
初めまして。
初コメントです。

虎馬様のブログで、コメントのお返事を頂いて、こちらのブログに辿り着きました。
実は、邦画ファンなので、ブタネコ様のブログの存在は、以前から、知っていたのですが、コメントさせて頂くのは、初めてなので、宜しくお願い致します。

僕も、「薄れゆく記憶のなかで」は、大好きで、リアルタイムで、今は、閉館された、大阪の扇町ミュージアムスクエアと言う映画館で、観て、とても感動しました。
DVDも、保存用と鑑賞用を持っています。
ビデオ(VHS)も、持っているのですが、あの寄せ書き風のジャケットが素敵ですよね。
テレビの深夜枠の放送でも、見たことがあります。
なので、この映画は、数え切れないほど、繰り返し何度も、何度も、見ました。
今でも、僕の生涯ナンバー1に大好きな映画なんですよ。

映画を観た感想は、前半の恋愛映画でありがちなベタな展開も、微笑ましくて、良かったと思いますし、まさかと思うような後半からの怒涛の展開のも引き込まれましたし、結末も、ハッピーエンドそれとも・・・?な判断の難しい予想外のラストにもグッときました。(でも、ハッピーエンドだと思いたいですね。)ラストの主人公の和彦の嬉しさと切なさが入り混じった泣き顔にもらい泣きしてしまいました。
あのラストは、本当に、良いですよね。
ジーンときました。
ずっと、エンドロールを見ながら、あの美しいBGMを聴きながら、感動の余韻に浸っていたいって、気持ちになりますね。
花火のシーンも、綺麗だったなあ~。
もし、サントラ盤が出たら、即効で買いたいと思っています。

それから、前半に後半に向けての伏線が沢山張られていて、セリフの中に、だからあのとき・・・と思うシーンが沢山ありますよね。
この映画を、繰り返して、何度も、見ていると、新しい発見がありますね。
音楽も、映像にピッタリとマッチしていて、とても素敵でしたね。
劇中で、大きな木の下で、主人公の和彦と香織が会話するシーンがありましたが、韓国映画の「猟奇的な彼女」にも、似たようなシーンが出てきて、驚いたことがあります。
あのシーンは、もしかして、影響を受けたのかな?って思いました。
それから、僕は、遠方なので、参加していませんが、何年か前に、岐阜で、上映会がありましたね。そのときに、監督さんとたこ焼き屋さんの店長役の俳優さんがトークを行われたそうですよ。
また、色んな場所で、上映会があると嬉しいのですが。
それから、「薄れゆく記憶のなかで」は、確か、パンフレットは、販売されなかったと思うのですが、その他の色んなグッズをインターネットで、探して、買い揃えました。
ずっと、宝物にしています。

個人的には、「薄れゆく記憶のなかで」のリメイクまたはその後、それから、篠田監督の新しい作品も、是非観てみたいなあ~なんて、思いますね。
それでは、失礼致します。(長文失礼致しました。)

★ ひろPOP さん

こちらこそ初めまして(?) コメントありがとうございます。


「薄れゆく記憶のなかで」は名作映画だと思っております。

何年か置いて忘れた頃に見ると そのたびにガツンと殴られるような新鮮さを感じます。

>あのラストは、本当に、良いですよね。

同感です。

この映画の舞台となった岐阜って 実際に行ってみると街の感じがとても札幌に似ている事に初めて気づきました。

ちょっとした山と川が街の中心近くにあったり…

だからなのか映画の風景に とても親近感を個人的に勝手に感じたりもします。


>「猟奇的な彼女」にも、似たようなシーンが出てきて、驚いたことがあります。

たしかに言われてみればそうですね 近々再見してみようかな


>リメイク

私はリメイクはして欲しくないと感じます

だいたい、最近のリメイクものはクソ作品ばかりにしてしまいますから


ブタネコ様

おはようございます。
お返事ありがとうございます。
(?)とありますが、もちろん、このブログに、コメントさせて頂くのは、本当に、初めてです。
ブタネコ様から、お返事を頂けて、とても嬉しく思います。
ご意見、とても参考になりました。
これからも、宜しくお願い致します。
岐阜に行かれたことがあるんですね。
僕は、まだ一度も、岐阜には、行ったことがないのですが、「薄れゆく記憶のなかで」のロケ地巡りをしたいと思っていますので、いつか機会があったら、是非行ってみたいなあ~って思っています。
それでは、失礼致します。

★ ひろPOP さん

ロケ地巡りは私も大好きです。^^


【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。