● 眠れる森
この季節になると、サンタクロースを思い浮かべ、サンタを思い浮かべると、私は このドラマを思い出す。^^



「眠れる森」フジTV系(’98) 主演:木村拓哉、中山美穂
以前、このドラマに関して 一度、記事を書いた事があり、その時は
「サスペンス系のドラマなので ネタバレ防止の為にスト-リ-には触れないでおく」
として、内容には触れなかった。
けどね、ちと思う事があり、あらためて それなりのネタバレをお許し頂き、もう少し言いたい事を言わせて貰おうと思う。
【警告】
ここからの文章には「眠れる森」に関するネタバレ表現が多く含まれます。
まだ、未見の方で 純粋に、先入観無しで楽しみたいと思っておられる方は以下を読み進めないよう御注意申し上げます。
このドラマは キャスティング、構成、演出、脚本 どれも申し分の無い傑作だったと思う。


物語は 15年前に遡り、市会議員一家が次女だけを残して惨殺される事件から始まる。
その生き残りである次女であり、ヒロインに


中山美穂
その婚約者に

仲村トオル
殺された一家の長女の恋人でありながら、惨殺事件の犯人として逮捕され服役していた
陣内孝則
当初は よく判らない正体不明の

木村拓哉
仲村トオルの父親役に

ファンファン大佐
キムタクの親父役に

夏八木勲
他に、
ユースケサンタマリア、
本上まなみ
原田美枝子 等が出演。
さて…

一家惨殺を免れ、独り残った次女は 事件の記憶を失っていた。
その後、成長し たまたま知り合った仲村トオルと婚約し 幸せに浸る日々をおくるはずだったのだが…
ある日、突然に 見知らぬ男が現れ、

ストーカーの様につきまとう様になり…
一家惨殺犯として服役していた陣内孝則が仮出所の直後、
「真犯人は他にいて、そいつに復讐し、地獄を見せてやる」と言い残し、行方をくらませたと報せが入る。
そんな中、いろんな事がキッカケとなり、


断片的に記憶が蘇りはじめる。
最終回まで「犯人は誰なんだろう?」と楽しめたドラマだったし、犯人が判った時には いろんな意味で「こいつか?!」と思わされた^^;
実は このドラマの中に 不気味なサンタクロースが登場する。

BGMに 賛美歌が流れ、

教会のマリア像ですら不気味な存在として登場する。
このドラマが とても素晴らしいのは、制作の最初の段階でラストまでのプロットが キッチリと決められており、それがきちんと固まっていた事にあると思う。
その証拠に


この様なシーンは 相当、考え尽くされたプロットの上で構成されていると全部を見終わった後に痛感できるからだ。


エンディングについては いろいろと論議を呼んだところではあるが、個人的には

このカットが 何とも言えない印象的なモノとして 私の記憶に焼き付いている。
さて、いつもながらのヒネクレた見方の私には


この画のシーン数分間での 陣内孝則の台詞と仕草で「眠れる森」全てを たぶん、生涯忘れないドラマとして記憶していく事になると感じている。
陣内「時効成立おめでとう」
犯人の腹にナイフを深々と突き刺す。
陣内「心配するな、急所は外してある… 死にはしないよ。」
@@「どうして? ちゃんと殺せ」
陣内「俺はまた刑務所に入る…
仮出所になって、またオマエを刺しに来る…
何処に隠れたって 必ず見つけだしてやる…
次もまた急所を外してやる…
俺は捕まって 何年か経ったらまたオマエの前に現れて…
一生、それの繰り返しだ。
俺がお前の前に現れる度に
オマエには こういう傷がまた増えていく
わかるか? @@
これが、オマエが一生かけて味わう地獄だ
オマエに相応しい地獄だろ?」
圧巻だった。^^
恋人を殺され、その犯人の濡れ衣を着せられて刑務所に入れられ、
そこで犯人の正体に気づき復讐鬼となった男… この陣内孝則の演技と台詞は まさに圧巻だった。
比較的、コミカルな役の多い陣内孝則だが、このドラマの様な役柄の時に 性格俳優とでも言うべき味があって 私は大好きだ。
「腐るか? ここで?」
気のせいかもしれないが 私はそれまでの この「眠れる森」の第1話からのスト-リ-が その陣内の1シ-ンの為だけにあったんじゃないか?と思えるほど シビレたシ-ンとなったのだ。
また、この作品は その前の「踊る大捜査線」で注目されはじめた
ユ-スケ・サンタマリアが やはり、殻を破るような演技を見せた事と
本上まなみが注目を浴びた作品でもあり、
随所に「本上まなみ可愛い…」というシーンが多かった。
最近は とかくベストセラーとして 既に人気を博した小説やマンガを原作に用いてドラマ化するのが流行っているが、営業的には その方が安全なのだろうとは思うけど、原作の面白さを損なう作品ばかりが目に付くし、基本ストーリーを知った上で見るのは ある意味、新鮮さが無い。
しかし、この作品の場合は 原作者であり、脚本家の「野沢尚」が書き下ろしで小説よりも先に脚本化したもので 放映時には原作の無い映像優先だった事もあって 素直にのめり込む事が出来たものだ。
「野沢尚」は 他にも「青い鳥」、「氷の世界」、「眠れぬ夜を抱いて~」等 良作が多く 大好きな作家で 同じ「野」で名前が始まるパクリ野郎とは比較にならぬほど、オリジナリティの溢れる作家だったが、昨年の夏 自殺してしまったのが とても惜しまれる。
