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2005年12月16日

● We Stand Alone Together


もし、戦争映画が大好きだ…と語るクセに 「バンド・オブ・ブラザース」を観た事が無いと言うのなら 年末年始の休みを利用して 必ず観るべきとお奨めする。



今回、語ろうと思うのは 2001年に アメリカのケーブルTV会社HBOが制作して放映されたTVシリーズ全10話の後に 特別編とでも言うべき形で制作・放映された


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「We Stand Alone Together」


という作品である。


「Band of Brothers」(以下BOBと呼ぶ)という作品について簡単に説明すると、第二次大戦時に米陸軍で新たに編成された101空挺師団の第506連隊第2大隊E中隊にスポットを当て、部隊が新設され基礎訓練過程から欧州戦線が終戦になるまでのドキュメンタリーを 元隊員達との綿密なインタビューを基にしてスティーブン・アンブローズが書き纏めた原作を スティーブン・スピルバーグとトム・ハンクスが共同で映像化したものである。


きっかけは 1997年に制作され、その後の戦争映画に多大な影響を与えた「プライベート・ライアン」で、スティーブン・アンブローズは その制作時にD-Day記念館館長と言う職にあり、元々、戦記研究家という側面も持ち合わせていた事から映画の考証を担当したわけだが、「プライベート・ライアン」は 101空挺師団の隊員という設定で、「プライベート・ライアン」の物語じたいはフィクションだが、モデルになった人物は実際におり、そういった実話に興味をもったスティーブン・スピルバーグとトム・ハンクスは アンブローズが その前に著した「シチズン・ソルジャー」(映像化及び、原作日本語版は まだ無い)や「Band of Brothers」という作品を映像化する話が進む。


この作品でスポットを浴びた部隊は 「史上最大の作戦」と呼ばれた「ノルマンディ上陸作戦」で初めて実戦参加した後、「マーケット・ガーデン作戦」「バルジ戦」「ドイツ侵攻」「ヒトラーの隠れ家」と呼ばれた「イーグルネスト接収」等 欧州戦線の主要な作戦全てに従軍し 激しい損耗率で多くの戦死傷者を輩出した部隊でもあり、その部隊の兵は まさに欧州戦線の生き字引とも言える歴戦の強者達である。


当初は、「プライベート・ライアン」同様に 2時間程度の映画で製作される予定だったが、内容の濃さに あえて10時間のミニTVシリーズで制作されたのだが、その選択は全く間違っていないと私は思う。


素晴らしい内容の原作を無理矢理限られた時間に詰め込む愚を避けた スピルバーグやハンクスの姿勢には 深く敬意を表したい。


さて、今回述べる「We Stand Alone Together」は 本編が役者によるドラマであるのに対して そのモデルとなった兵士本人が登場し、インタビューに答える構成の番組である。


本編映像を御覧になれば判ると思うが、私は この「Band of Brothers」と言う作品は 私が今までに見た数多の戦争映画の中でも最高傑作の作品であり、かつ、殆どが実話で構成されていて、映画に登場する主要人物の全員では無いが 制作時において まだ、元気に健在だった元隊員達の生の声と語りを聞ける貴重な映像であり、これはこれで ひとつの立派なドキュメンタリー作品でもある。


アメリカでは 本編全10話が放映された直後に この「We Stand Alone Together」が放映され、作品全体の締め的要素が強かったわけだが、日本ではW○W○Wにより本編は放映され、DVDも発売されたのだが、何故か この「We Stand Alone Together」という番組だけは W○W○Wでは放送されず、DVDの初回限定販売として制作されたBOX版に 特典DISKとして同梱され、それを購入した者以外は視聴できず、当然 これはレンタルショップでも観る事は出来ない。


また、「バンド・オブ・ブラザース」じたいが素晴らしい作品であるのは 視聴した人々の多くが認めるところなのだが、そもそも日本での放映が民放地上波では無く、映画として扱われてもいない関係上、知名度が低く、初回限定として制作されたDVD-BOXじたいの流通量も多いものでは無いため、文字通り 幻の映像となってしまった感がある。


この場を借りて申し上げるが、この「We Stand Alone Together」は これだけで充分に泣ける珠玉のドキュメンタリーであり、BOBで涙した多くのファンから絶賛された映像であるにも関わらず、その後 民放地上波でも再放送されるに至っても 未だ、放送されずにいるのは 未見のファンにとっては 非常に残念でならないと思われる。


従って、今回 私は個人的に、ある理由により 映像の一部を御紹介申し上げ、未見ファンの積年の願いに 少しでも報いられれば…と思う次第である。


尚、この「Band of Brothers」に関しては


Band of Brothers 絆で結ばれた兄弟たち


というサイトを是非、御参照願いたい。


こちらのサイトは 三人の管理人で運営されており、


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一人は 原作の日本語版の翻訳者であり、もう二人は 翻訳時に更正や監修を務められた方々である。


私の義弟も微力ながら 御邪魔を申し上げた経緯があり、その際に伺った逸話を簡単に申し上げると…


とある戦争映画のマニア達が集ったインターネット上のサイトのメンバーだった Easy氏(米国在住)が たまたま、アメリカで手にした原作本に感動し、帰国の際に そのサイトのオフ会で その本の話をし、感動を伝えようとしたが、翻訳本が無いために 出席者達がその作品を知らず、上手く説明できなかったのが とても口惜しかったので自力で翻訳する事を一念発起したのだそうだ。


で、その際に 軍事用語やスラングなどを そのサイトの仲間だった二人の協力を得て、一冊の翻訳本に仕上げ出版社に持ち込み それが翻訳本として 今、書店に並んでいる。


他の映画、特に 戦争映画の原作翻訳本と大きく違うのは 一般的な翻訳本にかかわる翻訳家は 英語の読解力に長けた人物であるのは間違いないが、専門用語までを認識している人は少なく、特に 軍隊用語のような特殊な物は 誤訳とまでは言えずとも、珍訳などは沢山あり、それが原因で せっかくのニュアンスも 全く別の意味に訳され 作品としてはつまらないものになっているものが 実は多い。


それに対し、この作品の翻訳にあたった方々は 本職の翻訳家では無いけれど、戦争映画や軍事マニアならではの知識をフルに発揮したため、普通の翻訳本とは比較にならないぐらいのマニア的考証が行き届いており、なにより 仕事として機械的に訳したのでは無く、その原作そのものに感動して訳した情熱が溢れている。


ゆえに、映像でも感動できるが 翻訳本でも違う感動が味わえる一冊なのである。


ちなみに、当ブログに時々 コメントを寄せて下さるFORREST氏は 上記サイトの管理人の一人であり、そういう方とお付き合い頂ける事は 私にとっては この上なくありがたい事と思うばかりです。^^




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ここからは 終戦後のE中隊の話になる。


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特に感慨深いのは ここからで…


まずは パワーズと その家族。


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私は個人的に シフティ・パワーズという人物には思い入れを感じており、兵隊当時の写真の彼と、インタビューに応じる彼の その容貌に積年の思いや苦労が偲ばれて なんとも言えない気持ちになり、ますます彼が好きになった。


そして、次に、ティッパーと娘。


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この墓地の風景を観て 多くの方は「プライベート・ライアン」の冒頭とラストのシーンを思い出すはずである。


当然、そのシーンに込められた深い部分を理解するのに このティッパーと娘の語りは これ以上無いと思える


そして、圧巻はトイの息子が語る父の話。


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トイ本人が墓碑に刻ませた部隊名… そこに部隊への誇りと仲間への熱い思いを感じると どうしても涙を禁じ得ない。


そして、元隊員達が語る部隊の誇り…


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そして、BOBファンにはお馴染みの…


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ウインターズ氏が語る マイク・ラニーと孫の会話へと続き、最期にヘフロンが歌い、その歌の思い出を語るシーンでエンディングとなる。


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静止画だと判りにくいと思うが、このシーンで 実際にヘフロンは歌っているのだが、その姿は実にチャーミングであり、おそらく歌いながら ガルニアや故・ジョー・トイとの事を思い出したのであろう… 万感がこもった なんとも言えない仕草をみせる。


とても素敵なエンディングなのである。


以上、抜粋で申し訳無いけれど BOBに感動し、未だにこの映像を観る事の出来ない諸氏に参考になれば幸いと思う次第だ。



お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

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コメント

 クラヒー!! ブタネコさん、この手があったんですね!! 『バンド・オブ・ブラザース』の感動が再び甦ってきました。掲載された画像を追っているうちに、目頭が熱くなって・・・。やっぱり、この作品は凄いです。

 それから、我々のサイトをご紹介いただき、ありがとうございます。義弟さんのおかげで、どれほど助けられているかわかりません。濃密な作品分析のコンテンツまで作っていただき、「第四の管理人」としての存在感は相当に大きいです。

 Easyさんの情熱と行動力には本当に驚かされました(笑)。まさか、アンブローズ先生に直接、日本語翻訳出版の許可を交渉するとは思いもしませんでしたから・・・。「君のような日本人には初めて出会った」と先生も彼をいたく気に入って、次回作『シチズン・ソルジャーズ・イン・ザ・パシフィック・ウォー』の日本軍側の調査を全面的に委託されました。先生が病魔に倒れられたため、太平洋における日米の戦いを描くことはかないませんでしたが、BoBがドイツ軍を「人間」として公平に描写したように、先入観にとらわれず、日本軍将兵の激闘する姿を描く機会が永久に失われたことは残念でなりません。

FORREST

★ FORREST さん

実は前々に準備はしておいたのですが、掲示できぬままになっておりました。^^;

今回 少々、考えるところがあり失礼した次第です。

BOBは やはり傑作です。

今回 時間があって、見直しましたが素晴らしいです。

今年は終戦60周年という事で いろんな番組や映画がありましたが、どれも 触れて欲しい本質には触れてくれないものばかり^^;

当時としては敵国のアメリカで 最も、その本質に触れている作品がある… それが、ある意味、口惜しくもあり、羨ましくもあり… 複雑に感じる事があります。^^

義弟からEasyさんの話を伺ったときは感動しました。^^

好きこそ物の初め…とは申せ その情熱には頭が下がると同時に そのおかげで 素晴らしい原作に触れられた身としては 深く、感謝を申し上げるばかりです。

昨日BOB DVD1~5を入手致しました。

年末年始にかけて、ゆっくり見たいと思います。

しかし上記の記事を拝見していて、本当に誇り高き部隊だったんですね。
だったのではなく、今でも誇り高き彼等ですね。

★ Wen さん

Wenさんなら きっと気に入ると思いますよ^^

個人的に残念なのは 日本の映像製作者達に このBOBにかかわった様な視点の持ち主が見受けられない事と 私は思っております。

私の祖父も戦争を体験しました。
しかし、祖父は私や兄弟に戦争の当時の様子を語ることはただの一度もなかった。
BOBを見て、その後にこの「We Stand Alone Together」の画像を見ると、天国に逝ってしまった祖父も、戦友たちとの様々な思い出が何かあったのかもしれない、と深い感慨に耽ります。

私はクォーターです。
祖父は日本人、祖母は満州から日本へやってきた中国人です。
私も生まれてから満1才程までは北京で育ちました。
当時の記憶は全くないので、ずっと日本で育ったのと同じなんですが・・・。

そんな私が小学生の頃、祖父に一度だけ尋ねたことがあります。
祖父は物静かで、口数の多いほうでも説教をする方でもありませんでしたが、その時すこし恥ずかしそうに答えてくれました。

「じいちゃん、日本と中国は戦争してたんでしょ?じいちゃんは敵の国の人と結婚したの?」

「人を好きになるのに国も敵もないんだよ」

当時の私はあまり深くは考えませんでしたが、今思えば「平和なときならいい友達になれたかもしれない」という台詞とダブって聞こえたりもするのです。

★ アームズ さん

おそらく、私の良き好敵手であるア-ムズさんとお見受けしレスりたいと思います。^^
(違ってたら御免)

バンド・オブ・ブラザ-スの原作を読む事を強く薦めます^^

と言うのは、ドイツ兵に対して、そして ドイツの国民に対して 戦場の最前線で戦ったE中隊の米兵が どう思い感じたかが よく判るからです。

映像にはカットされたエピソードに 戦争により破壊されたケルンという古都市で呆然と涙する老夫婦の話や 負傷により退役したドイツ兵との会話など 考えさせられるものが沢山あります。

同時に、マーケットガーデン作戦により開放されたオランダに対して「へぇ」と思う話もあります。

BOBの凄さは派手な戦闘シーンや戦場での人間ドラマだけではありません。

戦後を 元兵士達がどのように過ごしたか?とか、実際に戦っている兵士達が どの様な本音を抱いていたか? その頃、祖国で過ごした者達との 心のギャップがどんなものなのかを 知るキッカケを得る事が出来るところにあります。

映像を観ただけで 今のア-ムズさんの様な心境になれるのなら 是非、原作も読むべきと強く薦める次第です^^

【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。