« 11月5日 | TOPページへ | 11月13日 »

2005年11月08日

● 11月8日


本田美奈子さんの逝去の報を聞き、心中複雑な思いがした。

ブタネコも同様に感じている様で なんとも言えない表情を浮かべている。




私は医者として 基本的に言って良い事と悪い事がある事を知ってはいるが、ブタネコとは医者と患者という関係よりも 腐れ縁の友人として肝胆照らす仲であるから 私の心情を彼が察してくれる様に 私も彼の心情が大いに理解出来る。


この世には 難病とか、不治の病とか呼ばれる病気は 実は沢山ある。


それらの病気は 発病のメカニズムが解明されず、有効な治療法をなんとか発見しようと試みる研究者が多いけど、いまだ艱難辛苦の最中のものばかりだ。


これらの病気に言える事は その殆どが患者に何の責任も無いのに、発病してしまった途端、患者は「痛みを耐える」事より、「死」の恐怖と闘う事を強要されてしまう事にあり、我々医者には 痛みを和らげる事は出来ても 「死」の恐怖と闘う事への援護が なかなか出来ない事が医療の現場での葛藤となる。


私も ブタネコと同様、高校生の時に 一人の友人が亡くなる様に接した。


実家が開業医で その跡継ぎを望まれていた私ではあるが、その友人が亡くなるまで 真剣に医者になりたい等とは 言った事も 思った事も無かった。


けど、その友人の晩節に触れた事が 医者を志した最大の理由とも自覚する。


人は ともすれば、死者を美化してしまいがちで その人に対して嫌な思いをさせられた事や かけられた迷惑等も 死した後は、「死者を悪く言うものでは無い」と振る舞う事が多い反面、それまでは 殆ど、付き合いのかけらすら無かったのに 死した途端に、「あの人は良い人だった」「あの人は素敵な人だった」「惜しまれる死だった」等と 美辞麗句を並べる輩がいる。


高校生の時に亡くなった友人は そんな美辞麗句をどんなに並べても例えきれない程の素敵な人だった。


容姿が端麗とか成績が優秀等という物差しで計るのでは無く、まさに彼女の「生き様」と 余命告知を受けてからの「死に様」は 簡単に言い表す事の出来ない いろんな教えを我々に与えてくれた。


その彼女が長い間、入院している間 高校に入学して間もない頃だっただけに その人となりを知らない同級生の殆どは 彼女の事を気にもしていなかった。


中には「どうせ出席日数が足りなくて留年しちゃう人でしょ?」と 本人は悪意も無く言う者までおり、「一日も早く治して 学校に行く」と闘病に励む彼女の姿を知る私としては やりきれない思いを抱く事が多かった。

(実際にブタネコの前で そんな台詞を言った者は 悪意の有無に関わらず、ブタネコに問答無用で殴られていたものだ)


そういう悪意の無いまま、実は残酷な事を平気で口にしていた者達が 闘病の末、力尽きた彼女の葬儀に出席した場で「可哀相」と言って泣く様を見て 何故か、その参列者の様子や会話の言葉が 美辞麗句に溢れれば溢れるほど 私はムカムカと腹が立ち、腹が立ったからこそ涙が溢れた。


私は 彼女の死への哀しさで泣いたのでは無い。


その時に 人間の見せる「あざとさ」の様な矛盾に腹が立って泣けたのだ。


だから、そんな ろくに付き合いもなく、見舞いのひとつもせず、心配どころか 気にかけた事も無いのに、訃報に触れて 安易に「可哀相」と言って泣く人、悲しがって見せる人を見ると 私は不快で仕方が無く、特に その時の彼女の事は そんな上辺だけの連中とは どんなに些細な内容でも話をしたくないと 強く思ったものだった。


後で判った事だが、そんな気持ちが、私やブタネコや弁護士や歯科医達が 打ち合わせなどせぬうちに それぞれが同様に思い抱いた共通の思いだった。


だから、私がブタネコに


「おい、本田美奈子 死んじゃったな」


と言ったのに対し ブタネコは


「死んだ途端に どこからともなく、”可哀相コール”が溢れるんだろうなあ、死んでから”可哀相”って とってつけたように言うぐらいなら なんで、生きてる間に何かをしてやろうと思わんのかね? じゃなけりゃ、黙って手を合わせて黙祷を捧げていればいいんだよ。 どうせ、1週間もすれば ”そんな事もあったよねぇ”みたいな程度で片付けちゃう様な連中はね。 俺も偉そうな事を言えるほど 本田美奈子のファンだったわけじゃないから、黙って拝むだけにするよ」


と怒ったように言った。


その横顔を見ていて 高校生の時に 友人が白血病で亡くなった時、その葬式で担任教師が弔辞を読んだ時の事を思い出した。


その弔辞は 実に美辞麗句で溢れていた。


「@@さんは 成績優秀で、真面目で、勉強熱心で・・・」


しかし、その担任教師は 2年生になった時のクラス替えで担任になっただけで、亡くなった彼女は 1年生の1学期の前半しか登校しておらず、その教師には担任どころか 科目授業も受けた事など一度も無い。


2年生になる時には、既に彼女の余命は告知されていたので それを知った学校側が何をどう考えたのか 彼女を留年にせず進級させ、自動的に その教師が担任になっただけの事。


その教師は 一度だけ彼女を見舞ったが、花と 食事制限で彼女が食べられなかった和菓子を置いて10分も経たずに帰って行いった様な奴だった。


そんな奴が担任教師として美辞麗句を それも、手を取り、足を取って教えたかのごとく弔辞として読み上げる姿は醜悪そのものだった。


今、歯科医となった友人は 葬式の後、帰宅しようとする その教師を物も言わず殴り倒し、それを止めに入るような格好でブタネコも一緒になって殴っていた。


二人とも、1週間の停学となり、停学期間中に書けと言われた反省文を拒否したとして さらに もう1週間の停学となった。


二人とも 2週間の停学中、ずっと喫茶「職安」でバイトに励み 稼いだバイト代で 今風に言えば とびきり豪華なアレンジ・フラワーを花屋に頼んで「亡き友」の自宅に届けていたのを我々は知っている。


彼等にしてみると 親に貰った小遣いで買った花じゃ駄目なのだ。


内容はともかく、自分で稼いだ金じゃなきゃ駄目だったのだ。


だから、本人達に言わせると 調度良い機会を得たと嬉々としてバイトに励み、堂々と胸を張って 停学明けに登校したのだが、教師を殴り、反省文すら拒否した生徒を 他の、それも上辺の事しか見たり考えたりしない生徒達の中には 中傷したり、疎外する者も多かった。


そんな生徒達と、ブタネコ達を見比べて どっちが「素敵」か?


私の答えは おのずと決まっている。


本田美奈子の事について話すブタネコの横顔を見ていて、そんな高校生の時と 今でも全然、変わってない偏屈な姿を垣間見て 私は もの凄く嬉しかった。




さて、「白夜行」に関して 綾瀬はるかと山田孝之が 一緒にお風呂に入っている様な記事写真を見ながら言った 新たなブタネコの語録。


「”白夜行”の中で 主役の二人が直接、会うシーンなんて 記憶に間違いが無ければ 一度しか無く、それも その時には片方は・・・ それなのに、どうして一緒にお風呂に入るシーンの写真が掲載されているの?」


 本日は 以上です。


                                                   代理人  記
             

お駄賃

 気が向いたら…で結構です。^^;

 この記事への御駄賃がわりに下のバナ-のいずれかを クリックして頂けると嬉しいです。^^
 (全部、クリックしてくれると もの凄く嬉しいのは事実です。^^)

ブログランキング・にほんブログ村へ Blog Ranking 人気映画・TVBLOG blogram投票ボタン BlogPeople「自分のこと」部門にクリック BlogPeople「テレビ」部門にクリック BlogPeople「映画」部門にクリック

『代理人 記述』関連の記事

コメント

>そんな奴が担任教師として美辞麗句を それも、手を取り、足を取って教えたかのごとく弔辞として読み上げる姿は醜悪そのものだった。

これ、いじめで自殺した生徒や何らかの事件を起こした生徒を語る校長先生に似てますね。
校長が一生徒を知っているはずもないのに。
(中にはなるべく接するようにしていたために知っている場合もありますが→私の小学校時代の校長)

はじめましてです。いきなりですけど、偏屈どころかすごくカッコイイです!ちょっと憧れてしまいます。

う~ん、代理人さんの素敵な文章で、私の中のブタネコさんが、どんどん善人になってしまうw
いや、もちろん善人じゃないとは思ってないが、同じオッサンとしては、ブタネコさんは、
あくまでも
   「偏屈なただのオッサン」
でいて欲しかったw
というか代理人さんの話を読んで、ブタネコさん自身が一番、こそばゆい思いをしてるんじゃ・・・
でも、素敵なエピソードをありがとうございます。
代理人さん、これからもどんどんお願いしますw

俺、本田美奈子のファンでしたよ・・・orz

正直どの先生も似たようなことを弔辞にするでしょうね。礼儀ですから。
あなたはどうも青春時代を美化しすぎているようですが。すこし醜いと感じてしまいました。
私からみたら殴った人間がかっこいいとはとてもおもえませんよ。

まぁブログですからね。なにを書こうと自由ですが、こう感じる人もいるということです。


★ うごるあ さん

★ ま さん

★ goboten さん

★ こんぶ 殿


皆様、温かい御言葉を ありがとうございました。


★ nipu さん


代理人の記述がお気に召さなかったのは理解しましたが、

>まぁブログですからね。なにを書こうと自由ですが、こう感じる人もいるということです。

わざわざ 貴方様が御申し出にならずとも 充分に心得ているつもりです。

その上で、ブログですから 好き勝手を書かせて頂いております事を どうか御理解願います。

【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。