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2005年09月10日

● 病院坂の首縊りの家(石坂版)


今回は 結果的に「金田一耕助最後の事件」よ呼ばれる「病院坂の首縊りの家」について触れてみる。



病院坂の首縊りの家


この作品は 原作としての金田一耕助シリーズとしては 最後の作品となった「悪霊島」の ほぼ、1年ほど前に書き下ろされた作品で 基本的には「金田一耕助最後の事件」とされており、今から25年近く前に 「悪霊島」を書いた直後に 角川書店の「野生時代」に掲載された横溝先生の最後のエッセイを 記憶をたよりに思い出してみると…


横溝先生は 御自分の年齢の事もあって、元気なウチに「金田一耕助最後の事件」を書いておきたいと思い立たれ、それを実行したのが この「病院坂の首縊りの家」で それは横溝先生が 密かにライバル視していた エラリー・クイーンが「ドルリー・レーン最後の事件」を クイーンが同様の理由で書いていた事を受けて 自分もそうしようと決意した…と言うような理由だったと記憶する。

(注:と言っても クィーンは 二人の作家の連名による共同作品だったから 事情は もっと複雑なのだ^^;)


また、この「病院坂の首縊りの家」が「最後の事件」ではあるけれど 構想的には 磯川警部物と等々力警部物を それぞれ1冊ずつ書き、自分が愛でた探偵:金田一耕助と同じ様に その良き理解者であり、協力者として愛すべきキャラだった 二人の警部にも それぞれ引退の花道となる作品を1冊ずつ与えるのだ… という様な内容の事を述べておられた。


残念ながら その思いは達せられなかったが、ちょうど、角川書店のブームも落日を迎えていた時期でもあり、東宝の市川:金田一シリーズの区切りの作品として映画化された経緯もある。


なので、この映画の冒頭に わりと長いシーンで

病院坂の首縊りの家

病院坂の首縊りの家

と、横溝先生御本人が登場し


病院坂の首縊りの家

横溝夫人も 登場するし、


病院坂の首縊りの家

このシーンで登場している女性は このシリーズの前作「女王蜂」で ヒロイン・デビューした中井貴恵(俳優:中井貴一の姉)であり、


病院坂の首縊りの家

相変わらず、不気味なピーターも 登場し^^;


病院坂の首縊りの家

第1作「犬神家の一族」で佐清を演じた あおい輝彦が再び出演するなど なんだか同窓会的雰囲気も漂い、本来 原作では 昭和20年代中期を描いた前半部と 昭和50年代中期を描いた後半部と2部構成だったものを あえて前半部だけ ストーリーをいじって映画化するなど それまでの原作に比較的忠実な市川作品としては 極めて希な作品となり ファンの間では 作品に対する評価を下げた経緯もある。


病院坂の首縊りの家

病院坂の首縊りの家

病院坂の首縊りの家

また、この作品でヒロイン的存在を演じたのが 桜田淳子で、後年の宗教的暴走行為が無ければ 山口百恵と並ぶ伝説的存在となれたのに…と 中三トリオと呼ばれた 山口百恵、桜田淳子、森昌子の中で 密かに淳子ちゃん派だった私にとっては まともで、素敵な淳子ちゃんを目にしたのが この映画が最後である^^;


そして…


病院坂の首縊りの家

お馴染みの御約束シーンも これが見納めでした^^;


で、最後に


病院坂の首縊りの家

これが 石坂金田一最後のシーンです。




【管理人追記 9月11日】

やじ さんより寄せられたコメントの画像が ちょうどありましたので
以下に追記させて頂きます。^^


病院坂の首縊りの家

人力車のシーン


病院坂の首縊りの家

原作初版本の表紙(上巻)


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コメント

ブタネコさん、こんばんは。Jannitaです。
この映画、『獄門島』に次いで好きなんですよ。
一番の魅力は、陰惨な話にもかかわらずコミカルな部分が絶妙に絡み合って何度でも見直したくなるとこですね。
そのことに一番大きな役割を果たしてるのは黙太郎を演ずる草刈正雄でしょう。
メッチャいいわ~、この人…。(笑)
「骨がダメだ、骨が!」とか
直吉が負傷したときに駆けつけた金田一に、
「こんなんなっちゃった…」とか
かなりツボにはまりました。
主役から脇役にいたるまで登場人物すべてに味があって、演技が上手い!
横溝先生も冒頭とラストを締めくくる長めの出演で楽しませてくれましたね。
最後のシメのセリフは渋かったなぁ…。
中井貴恵も「濃硫酸3と濃硝酸1の割合で混合した液体に…」とか大胆なセリフでいい味だしてました。
個人的にすごいなと思ったのは、ピーターがギターでぶん殴られるシーン。あれほんとにやったのかなぁ、と感心しました。
市川作品はとにかくどの1シーンも絵になってるのがすごいですね。
キャプすると分かりますが、捨てるところがない。結婚式のシーンなんて美術館に展覧したい位の『格』があります。
あと音楽が相変わらず素晴らしい。
DVDではメインメニュー画面で風鈴の音と病院坂のテーマ(?)というか主題がエンドレスで流れますが、もう最高にかっこいい!
予告編での白石さんの「これが最後だ」も見れるし、ホントにDVD化してくれた東宝さんに感謝です。
予告編は『病院坂』と『獄門島』がよかったですね。
女王蜂は『獄門島』の予告の流用もたいな感じがして、ちと物足りませんでした。もうちょっと頑張って欲しかったなぁ…。

初めまして。
なんと貴重な映像、ツボにはまる解説!
面白かったです☆また来ますー

淳子ちゃんは本当に…残念!

★ Jannita さん

映画と原作を切り離して 別物と考えれば Jannitaさんの御意見に賛同
なのですが…^^;

この映画は 切り離して考えられなかったんですよねぇ… 私には^^;


★ しるこ さん

どぞ、よろしくです^^

お初です。以後お見知りおきを。
おどろおどろしいカバーの角川もんを
小学生のころ貪り読んだ記憶が(遠い目
血染め結婚式の写真のお婿さんの首が風鈴で隠されてたのが怖かったなぁ。
ラスト近くの佐久間さんを乗せた人力車が病院坂へ行って、幌をあげた時のシーンが秀逸でした。個人的には悪魔が来たりて。。。の音楽がよかったす。

★ やじ さん

ようこそ「ブタネコのトラウマ」へ^^

ちょうど、御指摘の画像がありましたので
記事に追記しました。

ご堪能頂けますと幸いです。

今後も 宜しくお願いします^^

ブタネコさん サンクス!!!
怖かったんですよ。この表紙が。
高峰さん、岸さん、佐分利さん、岩下さん、佐久間さん
皆戦争や宿命を負うて仕方なく凶行に走ってしまう
人間の悲しみが表現されてたように思いますね。
音楽や撮影も美しくも悲しかったです。
あの頃の日本映画は。。。(遠い目

★ やじ さん

原作本の表紙、今は だいぶ変わりましたが、
初期の頃の表紙は 横溝独特のおどろおどろした感じが
出て とても秀逸なものが多いですよね^^

この辺に関しては

「葉月亭」さん
http://combat.blogzine.jp/heritage/

も 一家言おもちで とても説得力があります。

是非、御一読を^^

ご無沙汰しておりました。
まず、『悪魔の手毬唄』の記事で私のコメントに対していただいていた丁寧な返信についてお礼申し上げます。
いただいた返信の返信はしていませんでしたが、しっかり拝読しております。

中島河太郎氏が『悪魔の手毬唄』を海外の同様の作品と対等、あるいはそれ以上の評価をなさっていたということを教えていただき、大変嬉しく、心強く思いました。

その“マザー・グース”を題材とした海外の作品というのはヴァン・ダインの『僧正殺人事件』もしくしはエラリー・クィーンの『生者と死者と』ではないかと思っているところですが、『真説 金田一耕助』によれば、横溝正史氏がアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』やヴァン・ダインの『僧正殺人事件』に触発されて書いたのは『獄門島』ですから、違っているかもしれません。

さて、『病院坂の首縊りの家』ですが、この作品を横溝氏が「金田一耕助最後の事件」となさしめた理由としてその胸中に在ったのは、これも『真説 金田一耕助』に拠るのですが、クィーンではなく、クリスティーの『カーテン』だったようです。

「作家と作品の主人公もそのつきあいが長くなると、いつか自分の分身みたいになり、ある意味では肉親以上の愛情が通うものである。アガサ・クリスティーは愛するポワロを後に残しておけないと思ったのか「カーテン」でポワロを死なしてしまったが、私が金田一耕助をアメリカで蒸発させてしまったのも、かれの老醜をひとめに晒したくなかったからである。」
(横溝正史 『真説 金田一耕助』 角川文庫)

この横溝氏の文章に初めて接したときはまだ『病院坂の首縊りの家』を読んでいなかったのですが、金田一ファンとして、『カーテン』でポワロの死を知ったときと同じくらい切なく哀しくなったのを覚えています。

その『病院坂の首縊りの家』、またまた貴重なキャプをありがとうございます。忘れ物を思い出したような心持ちになりました。
横溝夫妻の画像にはじんときました。
『女王蜂』の中井貴恵も出ていたんですね。

>なんだか同窓会的雰囲気も漂い、本来 原作では 昭和20年代中期を描いた前半部と 昭和50年代中期を描いた後半部と2部構成だったものを あえて前半部だけ ストーリーをいじって映画化するなど それまでの原作に比較的忠実な市川作品としては 極めて希な作品となり ファンの間では 作品に対する評価を下げた経緯もある。
 ああ、そうでしたかね、言われてみれば。実は映画のほうは、画像を拝見して記憶を刺激されたものの、映画作品としてはよく覚えていないのですが、原作の、時代をまたいだ構成を一本の映画として組み立て直すのはやはり無理があったのかもしれませんね。

それでも今回キャプしていただいた画像を見るとファンとしてはやはり嬉しいものです。
石坂金田一、良かったですよね。横溝氏本人も『真説 金田一耕助』の中で、

「いささか二枚目すぎるのを難として、原作者のイメージにわりと近いようである。私はいちど石坂金田一とロケをともにしたが、気取らないその飄々たる人柄も金田一耕助である。」(横溝正史 『真説 金田一耕助』 角川文庫)

と、太鼓判を押しておられる。「原作者のイメージにわりと近いようである」「気取らないその飄々たる人柄も金田一耕助である」なんて言って下さると、ファンとしても大いに安心してしまいます。
そしてこの文章の文末は、

「市川崑監督の金田一耕助観がうかがわれ、その意味でもこんどの映画(『犬神家の一族』)を楽しみにしていると、ここでちょっと提灯を持たせていただくしだいである。」

と、なっているわけですが、映画の宣伝文として見て(読んで)も横溝氏ならではの上品な奥ゆかしさが感じられます。
「ちょっと提灯を持たせていただく」、こんな一文の表現にも日本語の美しさを感じてしまう私です。

私にとって横溝正史の『真説 金田一耕助』は名エッセイ集であり、横溝氏の綴る文章の端々に垣間見えるユーモラスな筆致にも日本語独特の美しさを感じます。

横溝氏の文章に接するたび、日本語っていいなあと思うのです。

長々とすみませんでした。

P.S. 角川文庫における原作本の表紙絵に関して拙ブログを紹介下さっていたこと、恐縮の極みです。ありがとうございました。

★ HAZUKI さん

私は HAZUKIさんの 中島河太郎考が大好きなので こうして語り合える事は無上の喜びです。^^


マザーグースの件は 悪魔の手毬唄もヴァン・ダインの『僧正殺人事件』でしたね^^

HAZUKIさんの御指摘を拝読して思い出しました。^^;

確か、「童謡を見立てに使う…と言う点で もう一度、挑戦したかった…」と言うような横溝先生のエッセイの記述が いずれかの本にあったと記憶します。

また、「最後の事件…」は そう「カーテン」にも触れておられました。

それをすっかり失念しておりました。 すいません。

「クイーン」に関しては 記憶に間違いが無ければ「病院坂…」を書き終えた 最終稿が掲載された「野生時代」に「脱稿の記」と言うようなタイトルで掲載された同時に掲載されたエッセイの中に「カーテン」への想いと共に 述べておられたと思います。

>『カーテン』でポワロの死を知ったときと同じくらい切なく哀しくなったのを覚えています。

全く同感の想いを抱きました。

同時に 横溝先生の死後、たしか「横溝正史賞」という「乱歩賞」と並ぶ 推理小説の賞を設けた時(第1回受賞作:「この子の七つのお祝いに」) 当時の他の作家達が横溝先生の作風を真似て 金田一モノの短編を書き比べて やはり、「野生時代」に掲載したのを読みましたが 極めて腹立たしいモノばかりで、横溝氏自身で金田一に引導を渡したのは正解だったと確信したものです。^^;

また、画像のキャプを掲示する事が良い事か否かは 正直言って 時々、迷う事があります。

私としては「世界の中心で愛をさけぶ」の場合は 既に何十回も見た…という フリークの方々と語り合う為に 許されるだろう…と判断しましたが、横溝作品の場合は 原作が推理小説という事もあり、極力 小説のネタバレにはならない範囲、願わくば 未読の方が興味を抱いたり、小説を読む上でのイメージ作りの手伝いになれば…という考えの範疇で どうかお許し下さい…と祈りながら選択している場合が多く、そのため 掲示を自粛している画像は いずれの作品にも かなりの数を保管しております^^;


なので、

>画像を見るとファンとしてはやはり嬉しいものです。

と言って頂けると とてもホッとすると同時に嬉しく思う次第です。

また、角川文庫の表紙絵に関しては 私は個人的に以前から気に入ったモノが多く、ゆえに文庫の初版本を 私なりに大切に保管しております。

しかしながら、映画化の際、TV化の際、そして 角川書店の体制が大きく変わった際などに 何度も表紙絵が 違う絵に差し替えられたモノが多いのですが、個人的主観で言えば どの差し替えられた新しい絵も けっして悪くは無いのですが、初版時代の最初の絵が やはり、私には印象深いモノばかりと映って仕方ありません。

機会があれば 記事として 今では見られなくなった そんな古い表紙絵を御紹介しようとも思いますが、もし 御希望の作品があれば 御気軽にお知らせ下さい^^

こんにちは。
仕事の合間を見ながら、「病院坂の首の縊りの家」を読了いたしました。
面白かったけど、読後非常に悲しい気持ちでした。まず登場人物全員が悲しい、そして
金田一耕介氏の失踪・・・。
リアルタイムでこれを読んだら、ホントに呆然としたでしょうね。

すごく入り組んだお話で、これを1冊にまとめるつもりだったなんて横溝先生、
それは無謀では^^; と思ってしまいました。横溝先生のすごさは、長編であっても
話の面白さが目減りしないということですね。冗長にならないで一直線に話が進んでいく。
ブタネコさんが由香里・小雪(一人二役)=内山理奈さんというキャスティングを希望したのにも納得^^
そしてすごく怖いし時々卑猥だけど、読み終えるとやりきれなさと無常感としんみりとした
感動がありますね。ホントに横溝先生の本格的な恋愛小説、読んでみたかったです。

映画「手紙」を見に行った際、「犬神家の一族」の予告が流れました。前作と色調が違いつつも、
映像の叙情感とぞわっとくる画の迫力は相変わらずのようです。
松嶋菜々子さんはまさに珠世さん的美女オーラ満開でしたし。今からわくわくしてしまいます。
唯一の不安要素はふかきょんのマッチングぶり・・・^^; 奥菜恵さんは期待できそうです^^

★ しき さん

>面白かったけど、読後非常に悲しい気持ちでした

判ります、それ^^

横溝正史の日記やエッセイを読むと 横溝正史は新しい作品を出筆するとき、何か目的を持っているんですよね

で、それが ちゃんと反映されているから 凄いなぁ…と 只々、感心するばかりです。

「犬神家の一族」 実に楽しみですね^^

私はの不安要素は… いや、見るまで語りますまい^^;

こんばんは.温かい日が続くようになりました.
昨日今日,少々身の回りが落ち着いて参りまして,リーダーに踊る
様々なタイトルをこの週末に拝読しようと思っているところです.
特に,めとろんさんとのやり取りは,かなり面白そうなので楽しみです!
15屋へも訪れていただいているようですが,機敏に反応できず….
それと事後報告になってしまいましたが,今回こちらの同作品に関しまして
15夜を書きました.ついてはまた,リンクを設けさせていただいております.
まずはご挨拶まで.今後ともよろしくお願いいたします.

★ ゴーシュ さん

ちょうど、「病院坂の首縊りの家」の再考記事をまとめていたところで 明日には掲示したいと思っていたところです。^^;

リンクありがとうございます。^^

記事も拝読させて頂きましたが コメントは拙記事掲示の後に あらためてお邪魔しようと思っております。

【※注意!!】

この記事は『ブタネコのトラウマ』の倉庫に保管されている記事なのでコメントの投稿は出来ません。 2015年2月10日以降 このクソブログは『ブタネコのトラウマ・リニューアル版』に移転しましたので新規記事更新及び、過去記事へのコメントの受付もそちらで行っておりますので お手数ですが、そちらへの移動をお願い申し上げます。