● 悪魔が来たりて笛を吹く(西田版)
1970年代後半 角川書店の仕掛けた横溝:金田一ブームに 東宝が市川-石坂:金田一としてシリーズ化し成功したのに便乗し、松竹が渥美:金田一で「八つ墓村」を映画化した様に 東映が1979年に西田敏行を金田一耕助に起用して映画化した作品。
八つ墓村が「津山30人殺し」と呼ばれる事件をモデルにした…と言われるのに対し、この「悪魔が来たりて笛を吹く」は 帝銀事件をモデルにした…と言われる作品でもある。
事件は
天銀堂事件の重要参考人とされていた 椿・元子爵が失踪した事から始まるわけだが…
内容についてはネタバレしたくないので触れない。^^;
で、金田一耕助は
西田敏行
ヒロインは
斉藤ともこ
等々力警部役は
夏八木勲(当時は 夏木勲)
椿・元子爵夫人の
鰐淵晴子が妖艶だった^^;
さて、この「悪魔が来たりて笛を吹く」の原作は 横溝マニアの間でも作品の評価は 割と 好き嫌いが別れる作品ではあるが、それでも傑作の部類に含まれる事の多い作品である。
初期の作品は 主に地方が舞台となる物が多い中で 東京が舞台となった希有な作品でもあり 作品中にも 闇市が登場するわけで、この作品中 登場する闇市のシーンで
中央に座っているサングラス男は 角川春樹、その左奥の雑炊屋の親父が 原作者:横溝正史御本人である。
(左から 横溝正史氏、角川春樹、梅宮辰夫、穂積隆信(後頭部のみ))
さて、この映画について 個人的な感想を述べると…
実を言うと 正直言って、西田敏行の金田一耕助というのは それだけを考えると 案外、良い配役じゃないか?と思う事がある。
原作では 金田一耕助は けっして美男子とは記述されておらず、モジャモジャ頭で 時には頭を掻きむしりフケを飛ばす男なのである。
そう言う雰囲気は 美男子系の石坂浩二よりも もしかしたら、西田の方が近いのかもしれない… そう思った事がある事は記しておきたい。
実際、この映画での西田敏行の金田一耕助は なかなか良かったと思うのだ。
が、細かい事を挙げればキリが無いが、映画の冒頭部10分間で 察しの良い人だったら 犯人が誰か判ってしまう とんでもないネタバレシーンがあり、それを私は許す事が出来ない。^^;
だから、大変 申し上げにくいのだが この映画は駄作と呼ぶ。
監督の 斎藤光正は 記憶に間違いが無ければ TVドラマの監督としては「太陽にほえろ」とか「俺達の旅」など、なかなか良作を送り出した人だけに 大変、残念に思う。
しかも、監督が斎藤光正と聞いて なるほどなぁ…と思うのは BGMが「俺達の旅」の雰囲気になってしまっていたり、冒頭で
このフルートを持った悪魔人形が妙に気に入ってしまったのか 盛んに登場し興醒めなのである。
「何かが違う…」そういう感じが ずっと、つきまとって離れなかったのだ。
今回、この記事をまとめるにあたり 20年ぶりに この映画を再見して思ったのは 先にも述べた様に 映画は駄作だが、この映画のテーマ曲となった フルートの曲は とても素晴らしい。
実を言うと 私はこの映画を観て間もなく フルートを購入し、一生懸命練習して この曲と もう一曲の二曲だけ 吹く事が出来るという 隠れた自慢の隠し芸がある。
その曲を 久しぶりに聴いたけど、音楽だけは もの凄く この作品(原作)にマッチしていて素晴らしい。
残念なのは その音楽に隠された謎にまで映画では触れていない事で、単なるBGMにしか使用されていないのは 惜しいなんてモンじゃ無い。
ちなみに、画中で
(二木てるみ)
シンプルなメイド服を観る事が出来たのが、なにより嬉しかった^^;
