● 雑感(5月20日)
料理上手の嫁…というのは 非常にありがたい存在である。
料理をするのが好き…な嫁というのも 非常にありがたい存在である。
しかし、物事には どんな事にも「限度」というものがある。
どんなに素晴らしく、素敵な事でも 限度を超えると 勘弁して下さい…という話になる。
いつ頃からか ウチの嫁は料理に凝る女になってしまった。
そして、同時に食材にも もの凄くこだわる女になってしまった。
元々、料理をするのが趣味で特技という一面はあったのだが、それが日増しにエスカレ-トし、女版:道場六三郎を目指しているんですか?と聞きたくなる 今日この頃である。
(料理の前に 筆を取りだして「おしながき」を書く様な真似まではしないが…^^;)
その為、時々、バラエティ番組にも出てこないんじゃないか?という料理が食卓に並ぶ事は珍しい事では無く、その場合 必ず、毒味役は私の役目となる。
嫁は 必ず、そういった新作料理を作ると私に寸評を求めるのだが、これが 美味ければ苦労しないのだが、時々 どう言っていいか判らない時がある。
想像してみて頂きたい。
「もずくのゴルゴンゾ-ラチーズ和え」
小鉢にもずくを盛り、白髪ネギ状態に 細切りにしたゴルゴンゾ-ラが もずくと同じぐらいの量を載せられてあった。
それを出され 試食した私は以下の様にコメントした。
「もずくの 海草独特の風味に ブル-チ-ズの渋味がマッチして 口の中に アルプスの少女ハイジが まるで、スキュ-バダイビングをしている様な感覚が広がる。
ハイジと共にヨ-ゼフ(セントバ-ナ-ド犬)も シュノ-ケルを加えて海中をハイジと共に泳ぎ、ウニやサザエとじゃれている…
そんな感じかな?」と。
すると、嫁は
「あ、ドレッシングかけるの忘れてた」
と言い、なにかしらの赤黒い液体をかけて
「もう一度 食べてみて」
と言う。
再び食べた私の口中には バルサミコ酢特有の 激しい酸味と、とうがらしっぽい辛みが広がり ハイジもヨ-ゼフも どこかへ消え去るぐらい 辛酸っぱさだけが残った。
だから私は こう言った。
「これなら ビックリして クララも立つし、もの凄いスピ-ドで走って逃げるね」と。
嫁は そんな私のコメントを受けても 表情ひとつ変えず、
「あらぁ… 失敗だったのかぁ…」
と、キッチンに消える。
また、ある時の事
昼下がりのオヤツ時に 書斎でコ-ヒ-を飲んでいたら 嫁が料理を持って来た。
「ちょっと作ってみたんだけど 味見してくれる?」
差し出されたどんぶり鉢には 茹でたラ-メンの麺が ひと玉ポコンと入っているだけ。
「味付けてあるから そのまま食べてみて」
そう言われて 一気にズズッと啜った。
そして、すぐムセた。
麺に 甘酸っぱい汁がかけてあり、その酢に思わずムセたのだ。
それを見て 嫁が言う。
「”ラ-メンの甘酢あんかけ” どう?」
「”甘酢”ってオマエ これ違うんじゃないのか?」
「ラ-メンってさ 味噌、塩、醤油…って味があるじゃない? 私、前から思ってたんだけど、味噌、塩、醤油って 料理の基本の”さしすせそ”の”しせそ”なのよね? だとすると”さ(砂糖)”とか”す(酢)”味もあっていいんじゃないかな?って」
「で? 砂糖水に 酢を混ぜたのをかけたのか?」
「そうよ。 でも、ただの砂糖や酢じゃないわよ 沖縄のサトウキビから作った黒砂糖と黒酢をミックスしたの。 まさに琉球麺って感じ?」
「ラ-メンは どこの?」
「それは 札幌の西山よ」
「駄目だな 麺が沖縄に馴染んでいない 道産子が琉球風土に慣れて無いって感じ」
「やっぱ 沖縄は暑いからねぇ…」
「そういう問題じゃ無いと思う」
さて、先程の事である。
「アナタぁ ちょっと来て~」
嫁が私を呼ぶのに応じて 居間に行ってみたところ 嫁と娘が二人でニコニコしながら食卓を指差し、
「そのサラダ 食べ比べてみてくれる?」
と言う。
見ると 確かにテ-ブルの上に 二つの小鉢があり、どちらもタマネギを薄切りしたものやレタスを細かく千切ったモノの上に 何やらマヨネ-ズで和えたものが盛られている。
おそらく 嫁と娘が一品づつ作り、
「お父さんに 味比べしてもらって どっちが美味しいか勝負!!」
なんてイベントなのであろう…。
なんて 微笑ましい家庭なんだ我が家って…。
「神よ(信じてないけど)温かい家庭を ありがとうございます」
私は 心の中で感謝の言葉を掲げ まず、左の小鉢を食べた。
マヨネ-ズで和えられたのは ツナ缶であろうか… ちょっと塩っ気が足りず ボソボソしているのが気になる。
続いて、右の小鉢を食べた。
こっちもツナ缶っぽいのだが… あれ?シラスも混じっている。
このシラスは 程良い塩加減で美味いなぁ… そう思った。
だから、迷わず
「右のシラスが良いね 美味しいよ。 で、どっちを誰が作ったの?」
と、聞いた。
すると、嫁と娘は
娘「ね? やっぱシラス入りじゃん そっちが正解よ」
嫁「そうねぇ、じゃ そっちを多めに買ってこよう」
と、なにやら意味不明な会話をしている。
私「おい? なんの話してんの?」
嫁「最近ね 新製品が沢山出てきて どれにしようか迷ってたの、ほら ウチの猫達 同じネコ缶を続けたり 嫌いなネコ缶だと、”フンッ!!”って言って食べてくれないじゃない? だから、どれにしようかな…って 試しに一缶ずつ買ってきて味見して貰ったの…」
ってオイ? 俺が食べたのは
ネコ缶ですか?(ToT)
私「だったら猫に食わせて試せばいいじゃん」
嫁「だって、猫 喋れないから どこがどうマズイとか 美味しいとか言ってくれないじゃない」
俺は喋る猫扱いですか?(ToT)
そんな私の叫びを尻目に
嫁「よし、じゃぁ”シラス入り”ね」
娘「”カニカマ入り”も喜んで食べるよ」
嫁「そうね じゃ その辺を中心に…」
なんて会話をしながら 陽気に買い物に出かけて行った。
それが 今日の午後の出来事だ。
