● 雑感(5月15日)
「風呂」と「便所」は 家の中でも 最もくつろげる場所じゃないとイケナイ。
これは 私のポリシ-である。
どちらも、のんびり まったりと過ごせる場所じゃないと 健康にも、そして精神衛生上も 宜しくない。
ゆえに、どちらも掃除は私の仕事である。
ある程度の年齢に達した娘をお持ちの方なら 似たような経験をされている方が多いと思うが、我が家の娘も 中学に入って間もない頃
「お父さんの 入った後のお風呂は嫌だぁ~」
突然、そう娘に言われて 人知れず、傷つきシクシクしつつも 娘の成長を陰ながら喜んだ方が多いと思う。
かくいう私も その経験がある。
「なんか お父さんが入った後のお風呂のお湯って 微妙に出汁(ダシ)が効いてる感じがするのね…」
何気なく 娘がそう言ったので
私「そりゃ何か? 俺はコンブか? それともカツオか? 俺が2回入ったら 追いガツオなのか?」
と聞いたら
娘「そんな高級な物じゃなくて…」
嫁「豚の背脂って感じじゃないの?」
と言う。
あまりのショックに
私「じゃ、なにか? 俺の入った風呂の湯でラ-メン作るか?」
と、開き直ってみたものの… それ以来、私は 風呂に入るのは一番最後、もしくは 誰も入らないような時間帯に変えた。
たとえば、夜寝る前では無く、朝起きて すぐ…とかである。
そして、風呂からあがる時には必ず 風呂掃除をする。
そういう習慣に切り替えると 誰からも何も言われなくなった。
さて、数日前 岐阜に住む友人から ダンボ-ル箱に一杯の「菖蒲」の葉が送られてきた。
「いずれアヤメかカキツバタ」なんて事を言われる「菖蒲(ショウブ)」である。
何故? そんなものが送られてくるかと言うと その葉を風呂に浮かべて「菖蒲湯」を楽しむためである。
「柚子」や「ミカン」を風呂に浮かべて楽しむ風習が 昔から日本にはあるが、その浮かべる物に季節というか旬があると提唱している話を聞いた事があるので 御紹介しておく
1月 「松」 2月 「大根」 3月 「蓬」 4月 「桜」
5月 「菖蒲」 6月 「ドクダミ」 7月 「桃」 8月 「ハッカ」
9月 「菊」 10月 「生姜」 11月 「ミカン」 12月 「柚子」
最近では めっきりと減ってしまった 昔ながらの銭湯だが、5月の端午の節句の時期になると湯船に菖蒲の葉を沢山浮かべて「菖蒲湯週間」とか「菖蒲湯の日」なんてイベントの日があった。
菖蒲湯の場合は ひとつだけ 御約束の様なしきたりがある。
それは 風呂から上がる時に 湯船の葉を一掴み取り、その葉で 自分の身体をパンパンと叩くのである。
どういういわれだったかは かなり昔に聞いたんだけど忘れてしまった。
けども、それをやらないと 菖蒲湯に入った意味が無い…みたいな事を祖父から言われたのだけは覚えているので、今でも 私は それを実行している。
上に挙げた季節の品は あくまでも本州での基準である。
北海道で同じ時期に…と思っても 時期がズレていたり、北海道では採れない品がある。
だから、私は 本州の友人達と くだらない理由で御中元や御歳暮を贈り合うのを辞めて それぞれが地元の旬の品を 旬の季節に送り合おう…と話している中で ある、岐阜の友人には「5月に菖蒲の葉を送れ」と頼み 大分の友人には「12月に柚子を送れ」なんて頼んでいて その代わりに、それぞれに9月に新じゃがを送っていたりする。
そんな「菖蒲の葉」が届いたので 早速、湯船に浮かべて菖蒲湯を楽しんだのが 今朝の我が家なのである。
朝っぱらから 菖蒲湯に浸かり、居間で涼みながらコ-ヒ-を飲んでいたら 娘が起きてきて 私の姿を見て
娘「あれ? なんか良い匂いがするね」
と言う。
私「お? 判るか? 送って来た葉っぱを 早速、浮かべて菖蒲湯にしたんだ」
娘「ホント? じゃ、アタシも入ろうかな…」
私「あれ? 俺が入ったばかりだけど いいのか?」
娘「え? 別に構わないけど なんで?」
私「だって オマエ 昔、”お父さんの後は嫌だ~”って言ったじゃないか」
娘「そう? 別に気にしてないけど」
私「そうなの? 俺、その為に 今まで風呂上がりに 必ず、風呂掃除してたんだよ」
娘「え? だって、お父さん お風呂掃除が好きなんでしょ?」
私「好きでやってるわけじゃ無いよ。 オマエ(娘)やママが気持ち良く過ごせるようにだなぁ…」
娘「だって、ママが言ってたよ。 お父さんはお風呂掃除が趣味だから 邪魔しちゃ駄目よ…って」
そうか… 全ては嫁の陰謀だったのか…。
嫁の奴、自分が楽するために あえて、そういう風習を押しつけやがったんだなぁ…(ToT)
私「そうか… ママが そう言ったのか…。 じゃ、今後は あまり気にしないでおこう… で、そうと判れば 早速、お父さんと一緒に 菖蒲湯に入ろうか?」
娘「それだけは 絶対 嫌!!
(やっぱ 駄目か… (ToT))
娘は 鼻歌をフンフン鳴らしながら風呂へと消えた。
再び、今でコ-ヒ-を飲みながら スポ-ツ新聞を開き、世界情勢を確かめていたら 今度は嫁が起きて来た。
嫁「あら? 早いわね あらら? お風呂入ったの? なんか とても良い香りね」
私「ほら、菖蒲の葉っぱが届いたから、菖蒲湯にしたんだよ」
嫁「え? そうなの? じゃ アタシも入ろうかな… って、アナタ もしかして自分が入った そのままのお湯?」
私「そうだよ、今 娘が入ってるよ」
嫁「駄目じゃない ちゃんと掃除しておかないと… 怒られるわよ あの娘に…」
私「文句なんか 何も言わずに入りに行ったぞ」
嫁「へ? じゃ、余程 機嫌が良かったんじゃないの? 後で ちゃんと掃除しといてよ」
(やはり 嫁の陰謀だった… 私は この時、確信した。 そして、同時に思った「いつか 復讐してやる…」と。)


