● 「アジサイの丘」に関する考察
そして、その文章の終わりを
「その研究室には しばらく行かないようにしよう… そう思った。」
と、結んだわけだが、数日前に そこの主宰者と会う必要が生じ ほぼ1ヶ月ぶりに訪れた。
いつもと同じ様に 両手にコンビニ袋に一杯の食料品を買い、その研究室に訪れたわけだが…
前回、その部屋を去る時に抱いた予感は当たっていた^^
そこに集う若者達の「セカチュ-症候群」は 予想以上に悪化していたのだ。
私の顔を見た途端、若者達には歓喜の表情が浮かぶ。
それは「あぁ… 食料だぁ…」という歓喜では無い。
アキバ系独特の オタク会話が出来る喜びの 脂の浮かんだ笑みである。
しかしねぇ… 彼等と話してみて思ったのは、さすがに国立大学で博士号を取る連中だけあって頭の回転は半端じゃないね。^^;
今回の話の中心議題は
『TV版「世界の中心で愛をさけぶ」における演出・脚本の伏線の張り方について…』
というものだった。
例えば、
「サクは どうしてアキの骨を撒くのに17年間かかったのか?」
これに関する彼等の結論は
17年という年月は この際、そんなに大きな問題では無い。
一番重要な点は サクの性格にある。
サクの祖父が死んだ時、サクは 祖父と恋人の骨を 祖父からの遺言があったにも関わらず、当初は撒けなかったが、それを撒く事が出来たのは 広瀬亜紀という存在が強力にプッシュしたからである。
17年後、アキの骨が入った瓶が落ちて割れたのは 骨を撒けずに愚図愚図するサクに対して アキが自らの意思で落ちて割れたのである。
ラストで グランドに骨を撒くのは 17年間、持ち続けた骨の瓶が 割れてしまった事と、小林明希という 新しい存在のプッシュのおかげである。
なのだそうだ。
まぁ、私としては 大部分に同意するが 一部(17年間という年月の部分)の解釈には 別見がある。
しかし、この辺は 内容は別としても セカチュ-・フリ-クであれば 誰もが それなりに考えている事。
「アキバ系恐るべし!!!」
と感じたのは「アジサイの丘」に関する彼等の考察である。

第2話で アキはサクを「アタシの秘密」として「アジサイの丘」に連れて行く

そこで

綺麗だよね…(と言ってピンクのアジサイを見るアキ)
サク「なんで アジサイって青だったりピンクだったりするの?」
アキ「アジサイって不思議な花でね 土壌の酸性度によって色が変わるんだって…
青いアジサイは酸性、ピンクはアルカリ性、ちなみに植物が良く育つのは弱酸性なんだって…」
という会話のシ-ンがある。
そして、第2話のラスト 17年後のサクがアジサイの丘に立ち

ここに毎年アジサイが咲き続けるように今も変わらずにアジサイは咲いていた。
だけど、あの日アキと見た
ピンクのアジサイは1本も無かった。
目の覚めるような青だった。
僕の目を覚まさせる 鮮やかな青
アキなど居なかったのだと言われている気がして
僕は撒く事が出来なかった。
というナレ-ションがある。
アキバ系研究員達は このシ-ンの解釈にこだわる。
要するに


最初のアジサイがピンクだったのは その丘の土壌がアルカリ性で あまり良い土壌では無かった。しかし、17年後、その丘のアジサイが青になっていたという事は 17年間の間に土壌が良くなっていたという事になる
アキが死に、その死から抜け出せないサク…
にも関わらず アジサイの丘の土壌は良くなっている…
このアンバランスな構図に疑問を抱いたと言うわけだ。
しかし、この問題の答えは 実は 第11話の中にある…と言う。
ウルルで アキの骨を撒く サクとアキの両親のシ-ン。
その中での アキ父とアキ母の会話
アキ父「アボリジニは遺体を2回埋葬するらしい…」
アキ母「そうなの?」
アキ父「最初は土に埋葬して その後で骨だけを取り出して
その骨の全てを 木の皮でくるむ」
アキ母「なんのために?」
アキ父「肉も骨も全て大地に戻すためらしい。
大地に戻った人間は 新たな命を育む。
アボリジニにとって 生と死は一体なんだよ。」
(中略… 両親は骨を撒く)
アキ母「花を咲かせるかしら?
土に還って
あの子は 命を…
あの子は 命を育てて花に…母に…」
アキバ系研究員達は言う。
「ウルルで 両親が骨を撒き アキは土に還ったんだ」と。
だから、
「アキはアジサイの丘で 新たな命を育み、良い土壌となってアジサイを青に変えたのだ…」と。
第2話のラストで 17年後のサクが
「アキなど居なかったのだと言われている気がして」
と感じた その場所に、実はアキは還ってきていたのだと。
そこで、サクは気づかなかったけど、アキは再会した17年後のサクの姿を見て 未だに抜け殻の様な姿を案じて「このままじゃ いけない」と、自ら、瓶を割ったのだ…と。
それを聞いて さすがの私も唸った。
記憶に焼き付いている「世界の中心で愛をさけぶ」のシ-ンを手繰りながら いつしか、また私は「セカチュ-症候群」を再発させ 目頭を熱くしていた。
見ると、周囲のアキバ系研究員達も 目を潤ませ、自分達の研究成果に酔いしれている。
「素晴らしい研究成果だぞ 諸君」
大絶賛を贈りながら 皆で泣き笑いの笑顔を浮かべ、ポカリスエットで乾杯しながら話に花を咲かせたのである。
そんな状況を眺めながら 主宰者である教授は ため息混じり呟いた。
「ここは 理工学部の研究室 なんだぞ…(ToT)」
【TBさせて頂いたブログ先】
・『綾瀬はるかなる日々』さんの『世界の中心で、愛をさけぶ・第2話』
