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2005年01月19日

● 長嶋茂雄


私は子供の頃、文字通りの「野球小僧」だった。




小学校の時の放課後は 授業が終わると一目散にバットとグロ-ブを持って 友達と近所の空き地や公園のグランドに行き野球をした。


高校野球やプロ野球をTVで観るのも大好きだった。


その当時、プロ野球の華は長嶋茂雄。


清原、松井、イチロ-…


現在のスタ-選手など 及びもつかない真のスタ-選手だった。


「頼むから ここで一発、打ってくれ」


そういう場面では 必ずと言って良いほど打った。…と 現役時代の長嶋を知る人は言うが 長嶋の本当の凄さは そうじゃない。


「頼むから ここで一発、打ってくれ」


と言う場面で打てなかった時、長嶋はヘルメットが飛ぶほど豪快な空振りをして 期待するファンを「あの長嶋が打てなかったんだから 仕方が無い」と納得させてくれたのだ。


「バットをピクリとも動かさず、見逃しの三振」とか「中途半端なスィングで内野フライ」じゃない。


気迫いっぱいに豪快に振り切って ヘラヘラ笑ったりせず、闘志マンマンの表情でピッチャ-を睨み「この次は打つぞ!」という気迫さえも見せた。


だからこそ 見ているファンも「あの長嶋が打てなかったんだから 仕方が無い」と納得したのだ。


しかも、相手チ-ムのピッチャ-も凄かった。


なかでも、中日の星野、阪神の村山と江夏 彼等が巨人戦で それも長嶋相手に投げる気迫は凄かった。


「打てるもんなら打ってみろ」


という言葉が 一球、投げるたびに伝わった。


プロの真剣勝負が そこにあったのだ。


だから、見てる方も 熱くなったし、楽しかった。


勝手な想像なんだけど 長嶋や、村山や星野も その勝負を楽しんでいたんじゃないかな


プレイヤ-が楽しんでプレイしていなければ 見る者は「楽しい」気持ちにはなれないと思うのだ。


今、プロ野球を観ていて それを感じさせてくれるのは 清原と佐々木ぐらいである。


ネクスト・バッタ-ズサ-クルで


「よぉし、俺までまわせ 俺が絶対に打ってやる」


そういう気迫を見せているプレイヤ-が清原以外に なかなか見つける事が出来ない。


「打てるモンなら 打ってみろ」


背中に そういう気迫を漂わせて投げているピッチャ-が 佐々木の他に感じない。


長嶋が現役だった頃、長嶋以外にも そういう気迫を漂わせた選手はゴロゴロとしていた。


というか、そんな選手じゃないとレギュラ-になれなかったんじゃないかな…


野球以外でも これは同じと思うのね。


なんか「よぉし 俺が…」という気迫や 物事を真剣に楽しむ姿勢を見せる人が少ない。


ともすれば、そう言う人を冷めた目で蔑む風潮すら見受けたりする。


「熱血」という言葉が過去の遺物となってしまったみたいで つまらない話である。


勝負の分かれ目…と言う場面を迎えて「よぉし!」と 嬉しそうに気迫を漂わせる事より、悪い結果を出して責任を追及される事を怖れ、その勝負の分かれ目に遭遇する事を回避する事ばかり考える。


当然、そんな輩では 勝負の分かれ目に結果を出せず凡退した時、ヘラヘラと笑ったり、屁理屈で言い訳するばかり。


「あの長嶋が打てなかったんだから 仕方が無い」


と、周囲を納得させるような人物には 到底なれるわけは無い。


「記録より記憶に残る…」 


だからこそ、私は長嶋茂雄を敬愛する。


毎年、終盤戦になると 記録のかかった選手はわざと出場しなかったり、故意的に勝負を避けて歩かせたりする。


確かに、首位打者やホ-ムラン王という結果で年棒が大きく変わる査定システムを考えれば 生活がかかっているだけに判らなくもない。


しかし、夢を売る商売で そんな現実的な事に拘る姿をすれば 夢なんか売れないでしょ? とは 以前から多くのファンが口にした言葉。


要するに 球団経営者がファン心理を考え、それを査定システムに取り入れなかった結果が原因のひとつと言えないだろうか?


ゆえに 私はナベツネを蔑み、憎む。


そして 長嶋が1日も早く元気な姿で現れる事を願っている。


国民栄誉賞を最初に貰ったのは「王貞治」だが、私の中では 最も与えられるべき人物は「長嶋茂雄」だと思っているから。



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