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2005年01月18日

● 北の国から'92巣立ち


「北の国から」のシリ-ズは全部ひっくるめて好きだ。




道産子の一人として…という意味でもあるが、東京人の視点で北海道を見る 倉本聰氏の その視点が道産子として新鮮だったし、ありがたい部分が大で 主役の黒板一家の話よりも 脇役として登場する数多の人物像が「あ~こんな人いるなぁ…」と身近な北海道の知り合いを想起させ 格別な親しみを感じる。


そんなシリ-ズの中で 特に、個人的に記憶に残るのは1992年に放送された「'92巣立ち」である。


この放送当時、私は東京に住み仕事をしていたのだが、何故か東京という土地が好きになれず 仕事のためには居住しなくてはならない場所なのだが、いろんな理由で故郷の札幌に帰りたくて仕方が無かった時期だった。


私と同じ様に 北海道出身で東京の大学を出たり、仕事の転勤で東京に住む友人達の多くが やはり同じ気持ちの者が多く、他人が聞けば「ホ-ムシック」と笑われる範疇だったのだろうけど「Uタ-ン・ブ-ム」なんて風潮も色濃かった時期でもあった。


仲間の誰かが実家からジンギスカンの肉とタレを送って貰ったと言って 皆が集い、ナベを囲んで話ながら 誰彼となく「そろそろ北海道に帰るかなぁ…」なんて呟いていたのだ。


そんな時、この「'92巣立ち」が放映された。


画面に映る北海道の景色を観て泣き、スト-リ-に泣き… 郷愁にドップリと浸かっている我々に 裕木奈江が演じたタマコの言った一言


「東京は もう卒業するの」


この一言が 我々にとっては トドメのセリフだった。


この放送から3ヶ月も経たないうちに 8人いた仲間のうち7人が故郷の北海道に帰った。


年齢的なものや、仕事の事、老いはじめた親の面倒… いろんな事に悩みが生じ始め「どうしようかな…」と思っていた私達の背中を ド-ンと蹴って「帰っちゃえ!」と決断させる程、インパクトのあるセリフだったのだ。


その後、私は仕事の関係もあって 再び、東京に居を構える事はあったが、自分の中には確固として「ホ-ム・グランドは札幌」という意思が固まっていた。


その時にUタ-ンした仲間達は 皆、笑って 今でも「東京は卒業したんだ」と判で押した様に言う。


それほど、説得力のある 自分にとっての「言い訳」としての最高のセリフだったのだ。


田舎育ちの者には 都会に憧れる気持ちは 私自身がそうだっただけに よく判る。


しかし、けっして負け惜しみでは無く、田舎ならではの楽しさが 実は平凡な日常の中に沢山ある。


今、思えば あの時に東京を卒業しておいて良かった… 仲間達は 口を揃えて言う。


そういう意味で「北の国から」のシリ-ズの中でも 特に記憶に残る作品だ。


そう言えば、この回に出ていた大工の棟梁役の「大地康夫」が 良かったなぁ…。




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